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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(14)「かぜひき」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

結婚した後も別々に暮らしている町子(藤山直美)と健次郎(國村隼)。そんなある日、中之島にある古いビルの一室へと町子は健次郎に連れられていく。健次郎は、別荘としてこの部屋を買ったのだという。町子の家と健次郎の家の中間点にあるこの場所で、休みの日に一緒に過ごすことを町子に提案する。毎週末、町子はこの部屋で健次郎と子どもたちと楽しく過ごす。町子たちなりのペースで、家族の生活が始まっていた。

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ビルの前にいる健次郎。

町子「お店、どこ?」

健次郎「ここ」

町子「え? ここ?」

健次郎は何も言わずに建物へ。

振り返りここまで。やっぱり振り返りはやるんだな。

 

結婚したあとも別々に暮らしている町子と健次郎。そんなある日、健次郎が町子を連れてきたのは…

 

健次郎「来たでえ!」

 

マンションの一室。

町子「え~? 何なん? ここ」

 

登「あっ、おばちゃんや!」

奥から子供たちが出てきた。

 

町子「あら…」

健次郎「面白いとこ」

町子「はっ?」

登「一生会われへんかと思てた! こっちこっち!」

町子「あっ、ちょちょ…ちょっと待ってね。ちょっと待って…。わっ! いや~、しゃれたお部屋! ねえ、ここって…」

 

健次郎「買うた!」

町子「はっ!?」

 

大きなテーブルの上に寿司桶と飲み物。

健次郎「乾杯!」

一同「乾杯!」

町子「はい、乾杯! 乾杯、乾杯!」

 

隆「ウニあった!」

健次郎「お前はほんまに高いもん好きやなあ」

町子「あ、はい、ちょっと待ってね、清志君ね。これとそれから、よし、これにしよう。これでいいですか?」お皿にお寿司を取り分ける。

清志「あ…ありがとう」

 

町子「はい。どれがいい? ねえ」

由利子「いいです。自分で…」

町子「あ、そう」

健次郎「勝手にやんのがうちのルールやねん。ボヤ~ッとしてたら食べるもんなくなってしまうで」

町子「ねえ、ここ、買うたて…」

 

健次郎「うん。ここがな、ちょうど真ん中や」

町子「え?」

健次郎「うちからとあんたのうちからと、この辺りがちょうど真ん中」

町子「ああ…」

健次郎「まあ、ちょっとした別荘といいますか」

町子「別荘?」

 

健次郎「時間のある時は、ここに来て一緒に過ごそう。酒飲んだり、こうやって、ごはん食べたりして…」

町子「お酒飲んだり、ごはん食べたり…」

健次郎「うん」

町子「みんなと…」

健次郎「そう」

町子「ああ…みんなとね…。フフフフッ! あ~、私のハマチ!」隆と取り合い。

 

お盆に乗せた空のコップを運ぶ由利子と町子。「よいしょ…。わあ~、システム・キッチンてこんなふうになってるのか~。ねえ!」

由利子「えっ…あっ!」コップを落として割ってしまう。

町子「あかん! 触ったら危ない。大丈夫?」

由利子「ごめんなさい」

町子「けが、なかった?」

由利子うなずく。

 

ソファの真ん中に健次郎が座り、左隣は清志と右隣の亜紀は飛び跳ねる。

登「来て来て!」

健次郎「コラ、お前。あ~、もう」

 

登が町子の手を引っ張る。

町子「何何何何何? 何何何何何?」

 

トイレの戸を開ける。

町子「あら!」

登「あ!」

洋式便座の上に逆向きにまたがる隆。ここが昨日のミニ予告。

 

登「お前、何してんねん! こっち向いて座んねんで」

隆「分かれへんねんもん!」

登「一生しゃがんどき! ハハハ!」

隆「閉めて!」

町子「はいはいはい、恥ずかしいね。恥ずかしい、恥ずかしい。はい、恥ずかしい」

 

窓の外を見ている町子と健次郎。遠くに見えるのは大阪城!?

町子「気持ちええわ~」

健次郎「気に入ったか?」

町子「(うなずく)私…こんな部屋に憧れててん」

 

健次郎「今度アメリカに仕事で越す友達が『部屋売りたいねんけど、誰かおれへんかなあ』て。で、見に来たらちょっと面白いし、うん、これやなとそう思たわけや」

町子「無理したんと違うの?」

健次郎「多少の無理、男が嫁はんのためにせな、どないすんねん!」

町子「フフフ…」

 

徳永醫院

診察室で「魔球伝説」という漫画を読んでいる隆。

喜八郎「おい、隆。どうじゃ? シャワーのお風呂、おもろいか」

隆「うん! 気持ちええねんで!」

喜八郎「あ~、そうか! ハハハハ!」

健次郎「おい隆。診察始まるから奥、行ってなさい」

隆「は~い!」

 

そして、また次の週末…一同はこの部屋に集まりました。

健次郎「座るよ」

子供たち「は~い!」

町子「あっ、ガスのホース、引っ掛けんといてね」

健次郎「さあ…」

 

隆「お父ちゃん、ここ、誰のおうちなん?」

登「アホ! こないだも言うたやろ」

健次郎「ここはみんなのうちや」

隆「みんなて?」

健次郎「お父ちゃんとお前らと…町子さん」

町子「ハハハ!」

登「町子さん!」

 

町子「はい、ごはん大盛りの人!」

清志「ぼ…僕」

町子「はい、大盛り1丁~!」

隆「僕も、僕も!」

登「僕も、僕も!」

町子「はい、大盛り2丁!」

 

町子は由利子と亜紀が寝ている部屋に入り、由利子の腕を布団に入れる。男の子たちも隣の大きなベッドで3人頭を並べて寝ている。

 

純喫茶メルシー

加代子「中之島?」

町子「うん。何かホテルにいてるみたい。毎週、旅行気分よ」

みすず「ええな~!」

加代子「子供らはどうなの?」

町子「あ、元気よ」

加代子「いや、そうやなくて…」

 

町子「けど、子供て不思議なもんやね。男の子3人とも全然性格が違うのよ。上の子はね、おっとりしてるけど下の子の面倒、よう見るね。けど、てれ屋かな。私に初め、よう、話、せんかったもんね。真ん中の男の子は気が強うてけんかも強いのよ。

けど、人懐っこいの。下の子はとにかく泣きみそ。もう何や言うたらすぐ泣いてるわ。けど一人一人性格が違うっちゅうのは不思議なもんやねえ。同じ種をまいて同じ水で育ててても、こんなに違うっていうのが、ほんまに私は信じられへんと思うもん」

みすず「朝顔みたいに言いな」

町子「けど、朝顔て、お花というのは同じツルで違う色は出てけえへんでしょ?」

 

みすず「よその家に遊びに行った子供のことみたいに言うな」

加代子「うん」

町子「ねえ、亜紀ちゃん知ってるやろ。かわいいやろ。お人形さんみたいやろ。私、あの子がね『はいはい』て笑いながらね、返事してくれるとね、それだけで心が和むの」加代子「お姉ちゃんはどやのん? 難しい年頃でしょ?」

町子「まあ、あの子ね…う~ん、真面目やね。かたいっていうのかなあ…。けどまあ何て言うのかな、時間かけてね…う~ん、まあ…まあ、なんとかなるでしょ!」

 

徳永醫院

診察室

一真「新しい母親には懐いてるのか?」

健次郎「母親? ああ…母親ではないんですわ、あの人」

一真「は?」

 

鯛子「あっ、もうまた~!」という声が健次郎たちに聞こえてきた。

 

待合室

鯛子「はあ…本当に何べんも何べんも誰やの」

健次郎「どないした?」

鯛子「ページ、患者さんが破ってるんです! この前も新聞破られてたし…」

健次郎「たまたま違うか?」

鯛子「もう嫌やわ~! 治安が悪化してます!」

健次郎「そんな大層な、あんた…」

 

一真「ハハハ! 鯛子ちゃん、怒ったら、かわいらしい顔が台なしやで」

鯛子「彼は『怒った顔がかわいい』て言うてくれてます」

一真「あ~、さいですか」

 

そして、また、次の週末も…

 

町子「ほな、私、片づけてから帰りますので」

健次郎「ああ。ほな、頼むわ」

町子「はい。みんな、バイバイ!」

子供たち「バイバイ!」

町子「またね!」

 

登「おばちゃん、バイバイ!」

亜紀「バイバイ!」

隆はじっと町子の顔を見つめるが何も言わずに後ろを向いて靴を履く。

 

健次郎「おい。挨拶せんか」

1人さっさと出ていく。

健次郎「コラ。何やあいつ。ほな、気ぃ付けて帰りや」

町子「あ…はい」

健次郎「ほな、行こう。よいしょ」

 

花岡家

町子「ただいま」

和代「お帰り」

町子「なあ、お母ちゃん」

和代「ん?」

町子「反抗期て…年、なんぼくらい?」

和代「え?」

町子「6歳の男の子って、もう、反抗期なんかな?」

和代「何やの?」

町子「何でもない…」

 

徳永醫院

晴子が待合室の電気をつけると隆が本を見ていた。

晴子「何してんの!?」

 

花岡家

電話している町子「雑誌を見てた?」

健次郎「うん。大人の週刊誌や。この間、破られとったやつも、どうも隆みたいなんや」

町子「何でやろ?」

健次郎「う~ん、これが何にも言わへんねん。泣くばっかりで」

 

町子「私のことで何か気に入らんことでもあるのやろか、いや、この前もね…」

健次郎「気にしな」

町子「『おばちゃん、バイバイ』って…」

健次郎「ハハハ。おばちゃんやて」

町子「まあね…ハハハ、うん」

 

その次の週末でした…

 

町子「あら、トランプ。ねえ、私も入れて」

登「ほな、おばちゃん配って」

町子「はい、任しといて。こうやって…。こうやって…」

隆は席を立ち、窓の外を見る。

町子「あれ? 隆君、やらへんの?」

 

健次郎「隆! お前は一体何や、この間から!」

町子「健次郎さん…」

健次郎「何か気に入らないことがあるんだったら、ちゃんと言え!」

隆、泣き出す。

健次郎「泣いとったら分からんやろ!」

町子「ねえ、落ち着いてって。ねえ」

健次郎「言われへんのか!?」

泣き顔の隆。

 

健次郎「何とか言うてみい!」

清志「お父ちゃん…」

健次郎「何や?」

くしゃくしゃの紙をテーブルの上に置く。

清志「隆の引き出しにあってん」

 

健次郎「隆の…?」

泣きながら取り返そうとする隆。

健次郎「ほれ、見せなさい! ほら、隆、離して」

紙を広げると町子の顔写真が載った雑誌の記事だった。

篤田川賞作家花岡町子

 

町子「いや~…」

隆、泣く。

健次郎「待合室にあったの破ったん、お前か? 何で破ったんや? 言うてみい」

隆「みんなに見せたなかってん…」

健次郎「え?」

 

隆「『悪いことしたら新聞や週刊誌に写真出る』て、学校の先生、言うたもん。お父ちゃんと結婚した人、悪いことした人て、みんなに分かったら、お父ちゃんかわいそうや。お姉ちゃんらも、おばあちゃんらもかわいそうや! かわいそうやんか~!」

言ったあともワンワン泣く。

 

登「アホやなあ、隆は!」

清志「町子おばちゃんは悪い人なんかとちゃうで。有名な小説家やから新聞とか雑誌に載ってはんねん」

隆「ほんま?」

清志「そやで、作家なんやで。なっ、おばちゃん」

町子「うん」

 

隆「悪いこと…してないのん?」

健次郎「アホ。お父ちゃんがそんな悪い人と結婚するはずがないやろ」

町子「隆君は…優しいな~」

町子はうるんだ目でニッコリ。隆も微笑み返す。

 

マンション前

亜紀を背負っていた由利子が交代だとじゃんけんをする。

 

町子「子供て面白いね!」

健次郎「アホや、あいつは、ほんまに!」

町子「ほな、私はこっち」

健次郎「お…。気ぃ付けて」

町子「おやすみなさい」

 

健次郎「お~い、お前ら! ほら、おばちゃんに『おやすみなさい』て」

由利子「おやすみなさい」

4人「バイバイ!」

町子「おやすみ~!」

健次郎「おやすみ」

 

町子たちなりのペースで家族の生活が始まっていました。

 

ミニ予告は頭に花つけておめかししているみすずの隣にいる町子。

 

隆、泣かせるな~。このくらいになると子役のクオリティが上がるね。昔の朝ドラだと小林綾子さんや松田洋治さんなど一部天才と呼ばれた子役もいるものの、ほとんどは素朴なタイプ。だけど、これくらいになると全部の子役がそれなりの演技ができる子ばかり。

 

朝の町子さん、夕方のももさん、ほんとに違う。ももさんの頃の方が前なのに老けて見える。