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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (132)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

もも(藤山直美)がまだ、興園寺家とは釣り合わないとぐずぐず言っているところへ綾(繁田知里)が来る。綾が金太郎と結婚するにあたっての決意を語り、ももが年を取ったら一緒に暮らしたい、と言うのを聞いて、ももは涙を流し、純子(山口智子)とあき(伊藤榮子)もほっとする。純子が借家探しから帰り、秀平(高嶋政宏)と今後の方針について相談していると、客(梶本潔)が来て、財布から金が抜き取られている、と言い…。

板場

あきは陽子を背負って皿を拭き、雄太は朝食中。

菊江「楓のお客さん、相当、お茶の好きな方でっせ。お飲みになる時の様子で分かりますわ。ああいうお客さんはええお茶差し上げると喜んでくれはりますさかいに。よいしょ。ほな、お持ちしてきます」

 

ヨシ子「あの人、よう働きますなあ」

純子「ほんまやな。よう気が付くし」

あき「ええ人に来てもろたんと違うか?」

 

また起きてきたもも。

あき「ももさん、起きて大丈夫か?」

もも「ちっとフラッとするけど大丈夫や。別にどっこも悪いとこないんやさか」

 

菊江「百合の間のお帰りでっせ!」

純子「は~い! ヨシ子さん、ももさん、ちょっと来て。百合の間のお客さん、おたちや」

ヨシ子「はい」

純子「お見送りしよ。ももさん、エプロン」

もも「あ…ハハハ」

純子「外して行こか」

 

純子たちが行って、残った雄太とあきと陽子。

雄太「あかんな。ももさん、まだボーッとしとるわ」

あき「そうなんや。夜も寝られへん言うてな」

雄太「ももさんが夜眠れんいうのはよっぽどのことやで」

 

秀平「おはようございます。陽子、おはよう」

雄太「おはようさん」

 

秀平「(陽子をおんぶしているあきに)おかあさん、すみませんね」

あき「いいえ」

秀平「陽子。雄太君、どうした? 野球部」

雄太「うん、野球部の面倒見たいって申し出てるのやけどな、ひょっとしたら今年の夏の予選前にコーチになれるかもしれん」

 

秀平「監督は無理か」

雄太「決まっとるやないか。今の監督さん、もう10年以上続けてはる人やし、監督になるには後援会の承認やら何やらいるんや。僕らみたいな新卒の先生はとてもなれんわ」

秀平「じゃあ、まず、コーチとしての実績つくってからか」

雄太「ま、そういうことやな」

 

純子「秀平さん。私、お昼から、もう一遍家探しに行ってくる」

秀平「うん」

あき「無理と違うか? これまで探してもないんやから、そうそう都合のええとこにあると思えへんけどな」

純子「そやけど、陽子をこのままそやっておんぶして育てるの、どう考えてもええとは思えんし」

秀平「…」

 

浜風荘の廊下

陽子を追いかけている菊江「ほらほら捕まえた」

純子「すんません」

菊江「いいえ」

純子「陽子、よかったな。お母ちゃん、ちょっと行ってくるな」

菊江「あっち行って遊ぼっか」

純子「すんません」

 

控室?

純子「お母ちゃん、私、ちょっと家探しに行ってくる」

あき「そうか」

純子「陽子はな、菊江さんが見てくれるのや。子供好きなんやて。ほんま助かるわ」

あき「おはようお帰り」

 

ぼーっとしているもも

純子「ももさん、ええかげんで元気出してえな」

もも「分かったある。けどな、こがに金太郎に心配させられるて思ってもみいなんだ」

あき「えやないの。興園寺の奥さんかて金太郎君と綾ちゃんの結婚は認めるいうて言うてくれはったんやから」

もも「そいがつらいんやらよ。興園寺さんとこやったらな、もっと、ええお婿さん迎えることできるろ。そいがな…。興園寺の奥さん、がっかりしてはるやろな思て」

あき「そんなことあらへんて」

 

綾「こんにちは」

純子「あ、綾ちゃん、どないしたん?」

あき「今、ちょうどうわさしてたとこなんやで」

綾「いや、ほんまに?」

もも「綾ちゃん。この間、すまんことしたな」

 

綾「そんなこと言わんといてください」

もも「金太郎は? どがいしたん?」

綾「実は今日2人で一緒に来よか言うてたんやけど農協の仕事が忙しいて来られんかったんや。そいで、うちが一人で」

もも「何な?」

 

純子「話があるんやったらお部屋、使うて。空いてるさかい」

もも「すんません」

綾「ううん、ここでええんです。純子さんやおばさんにも聞いといてほしいんです。(ももに向き直り)おかあさん」

もも「おかあさん?」

 

綾「うちは金太郎さんより年上です。興園寺の家に生まれて何にも知らんと、ぼんやり育ってしもた娘です」

もも「何を言いな、綾ちゃんな…」綾の手を取る。

綾「ほやけど…ほやけど、今は金太郎さんのええお嫁さんになろうと思いやんのです。うちが金太郎さんのことを好きになったんは、金太郎さんが中学を出て、御坊のしょうゆ屋に勤められるようになった頃やと思います。金太郎さんは自分で自分の道を切り開いていける人や、そう思いました。

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ほら、農協へ変わって、わい村会議員になる、そう聞いた時、みんなは笑たり、からこうたりしやったけど、うちは笑えませんでした。うちは今、好きな人と結婚できることになって、ほんまに幸せやと思てます」

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もも「綾ちゃん…」

綾「うちね、結婚したら興園寺の家を出て金太郎君と一緒に2人で住もうと思ってるんです。ほいで、おかあさんが年を取られたら、その時は是非おかあさんも一緒に住もうと思てます」

聞いていたあきはそっと涙を拭く。

 

綾「おかあさん、よろしくお願いします」

もも「おおきに」

綾「一遍、ちゃんと話、しとかんとあかんなと思いやったんです」

あき「よかったな、ももさん。優しいお嫁さんで」

もも「(涙を拭きながら)うん。ほんまによかった。綾ちゃん、おおきにな」

 

純子「よう来てくれはったな」

綾「うち、おかあさんが倒れられて気にしてたんよ。結婚に反対されてるんやないかと思て」

もも「そんなことない。ほんまはうれしかったんやけどな…。けど、こいでほんまに…。ほんまにほっとしたわ。綾ちゃん。金太郎を頼まよ」

綾「はい」

見ているあきや純子も感動。しっかりしたお嬢さんだなあ。しかし、つやさんだって本当に結婚させるつもりなら早いとこ見合い話を持ってくればよかったのにね。

 

廊下を拭き掃除しているヨシ子。

菊江「お嬢ちゃん、お客さんのお部屋へ入ったらあきませんで」

陽子のあとを追いかける菊江。「ほら、捕まえた」と陽子を抱き上げた。ヨシ子が隣の部屋に入ったのを確認すると、菊江は陽子を下ろし、ヨシ子が掃除に入った部屋とは別の部屋にわざと陽子を入れた。「ほら、入ったらあきまへん言うてますやろ」

ヨシ子は部屋の掃除を終え、廊下に出て、そのまま去って行く。

 

裏玄関に帰ってきた純子。

菊江「あ、お帰んなさい」

純子「ただいま」

菊江「ちょっとたばこ買いに」

純子「ご苦労さん」

菊江「行ってきます」

 

純子「ただいま」

一同「お帰りなさい」

純子「秀平さん、帰ってはったん?」

秀平「いや、また出かける。神戸へ撮影行くんだけどね、途中で腹減って、ちょっと飯食いに寄ったんだ」

ヨシ子や石田、あきも休憩中。

 

純子「なあ、秀平さん、聞いて。甲東園にな、家があったんや」

秀平「家?」

純子「うん」

あき「ちょっと遠いことないか?」

純子「そやけど電車で20分やで」

 

秀平「一戸建てなの?」

純子「そやねん。芝生もあるし、あそこやったら、滑り台置いたり、ブランコ置いたりできるし、陽子にはもってこいのとこやと思うんや」

秀平「庭があんのか」

純子「考えたんやけどな、1人通いで陽子の面倒見てくれる人頼んで、ほんで午前中はお母ちゃんにいてもらうやろ。午後は4時過ぎまで暇やさかい私が帰るねん」

 

秀平「しかし、こっちには菊江さん増えたことだし、家借りたり、陽子の面倒見てくれる人、雇ったりして大丈夫なの?」

純子「そらそうやけど、今、陽子も大事な時やし、ちょっとぐらいの無理はしょうがないんと違う?」

あき「無理はせん方がええと思うけどな」

純子「なっ、ええやろ? やっぱり旅館の中で陽子育てるのは無理やわ。目ぇ届かんし」

秀平「そりゃ別に一軒借りられれば、それに越したことはないけどね」

純子「そやろ? そない思うやろ? なっ?」

 

客「女将さん」

純子「はい。すんません。はい、なんぞ?」

客「言いにくいねんけどな、わしの財布がのうなってん」

純子「えっ?」

驚く一同

 

客「上着、部屋に置いていった、こっちも悪いのやけどな。帰ってみたらないねん。財布はあんねんけど、中身がきれいにないようになっとってん」

純子「ほんまですか? 誰か梅の間へ入った?」

ヨシ子「いいえ。うち、お掃除はさしてもらいましたけど、背広には触ってやしまへん」

あき「いや、誰か外から入ったんやろか」

秀平「おじいちゃんにちょっと聞いてくる」

 

純子「あの、のうなったお金ておいくらぐらい…」

客「7万円とちょっとや」

純子「7万円!」

客「いや、着いてすぐ帳場に預けたらよかったんやけど、ちょっと入り用があったさかい」

いつも純子がいる電話があって、伝票整理してる部屋が帳場というのかな。前に金庫に貴重品しまうシーンもあったね。

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純子「申し訳ございません」

頭をかく客。

 

秀平「おじいちゃんは玄関からは誰も入ってない、昼からずっと自分がいたからって言ってるけどね」

ヨシ子「あっ!」

純子「どないしたん?」

ヨシ子「菊江さん!」

純子「菊江さん?」

 

ヨシ子「へえ。陽子ちゃん連れて梅の間へ」

あき「いつ?」

ヨシ子「えっと30分ほど前かな。『お嬢ちゃん、お客さんの部屋、入ったらあきませんで』言うて」

純子「陽子、あんた何か知ってる?」

あき「陽子に分かるわけないやんか」

 

純子「菊江さん、今、たばこ買いに行くて言うてたな」

客「そんなことよりすぐ警察に知らせた方が」

純子「すんません。すぐに帰ってくるやろと思いますさかい聞いてみます」

 

あき「逃げたんと違うやろな」

秀平「まさか。菊江さん、そんなことする人じゃ…。たばこ屋? そこの角だろ」

純子「遅いんと違う?」

秀平「ちょっと見てくる」

 

純子「ほんまにすんません」

 

着物に着替えた純子が梅の間へ。「失礼します」

客「どうぞ」

机の上に書類を広げて仕事中のお客様。やっぱりビジネス客が多いね。

 

客「どないなりました?」

純子「やっぱり仲居頭の人が盗んだんやと思います。警察の人ももうどっかに逃げてるに違いない言わはって」

客「こまるやないか。あんたとこはやね、ぬすっとを従業員に置いてんのか」

純子「すんません。あの、それで…。とりあえず、うちとこで弁償さしてもらいますよって、どうぞ堪忍してください。(机の下に封筒を差し出す)8万円入ってます。ご気分が悪いやろとは思いますけど、どうぞこれで…。ほんまにすんませんでした」

頭を下げる純子。

 

純子の一軒家理論は、庭のある一戸建てで、人を雇いながら、子供をのびのび育てることだったらしいけど、純子の仕事を肩代わりできるような仲居頭を雇った上に子守の人も雇うくらいなら、旅館で子守の人を雇った方がええのと違う? 雇われたら、子供の世話もついてくるなんて、菊江にしても聞いてないよ~状態じゃないの? 最初からそういう目的だったなら別に関係ないか。旅館関係の人、あんまりいい人出てこないのね(^-^;