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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (99)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

秀平(髙嶋政宏)が友人を家に呼んで、夜遅くまで飲んで騒ぐ。純子(山口智子)は、もも(藤山直美)が大阪には友だちもいなくて寂しいと言うので、遊びに来いと誘う。ももは、秀平の友だちの1人が、死んだ亭主の若い頃に似てる、と気になるが、その友だちには、結婚したばかりの奥さんがいて、ももはがっかりする。夜遅くまで騒いで、清原先生(浜村純)に迷惑だったと純子は気にするが、清原は気にする必要はない、と言い…。

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前回からまた随分空いてしまいました。せっかくNHKプラスで配信してるなら毎日配信してほしいよ。しかし、それでももう99回。

 

純ちゃん食堂

もも「純ちゃん、もうだ~いぶ慣れた頃やろ」

純子「うん、今までとあんまり変わらへんけど」

もも「いや、変わらんことないわらよ。何て言うても新婚やで。ええもんやな。うちかてな覚えあるもんな。部屋で2人きりになっただけで胸がドキドキすんねんな。顔が赤うなんの自分でも分かんねん」

 

純子「私はそんなことないけど」

もも「うそやうそや。あ、そうか。清原先生あるもんな。そがいにベタベタできんわな」

純子「ううん、普通にしてるよ」

もも「そやけど怖いろ、あの先生。純ちゃん偉いな。ようあんなうるさい先生引き取ったな。私やったら絶対お断りや」

純子「そんなことない。ほんまはものすごう優しい先生よ」

もも「あいでの?」

 

ももさん、誤解してる。店の前を清原先生が散歩だと言って通り過ぎた。今夜は秀平の友達が来るというので、秀平たちに出すものを店で仕込んでいる純子。ももは大阪に出てきて友達が少ないのが悩みだと言う。

 

もも「美山村やったらな、ばあちゃんや金太郎やあるんやけどな、ここおったらぬひさんとこと店行ったり来たりやろ。そいがちょ~っと寂しいんやらよう」

ばあちゃんや金太郎は家族じゃないか。そんなももの様子を見ていた純子はももを家に誘う。秀平の友達が若い男ばかりと聞いてももも行くことにした。

 

小野家

恭子が歌を歌い、あきがミシン台の前に座りながら聞いている。今日の歌は口パク? 何だか変な感じ。流しでは昭がひげをそっていた。

恭子「ああ、昭もひげをそるようになったんか」

昭「えやないか」

 

あきは丸越デパートへ品物を納めてくるという。

あき「ほんまに丸越さんにかわいがってもうてるさかい、なんとか食べていけてるけど。これで丸越さんの仕事がなくなったらどないしよな。時々、そんな夢見るんや」

恭子「あかんあかん。お母ちゃんが弱気になってどないすんの」

あき「そやけどな、このごろはミシン持ってはるおうちも増えてきたさかい、うちみたいなとこへ洋裁頼んでくれはるとこも少のうなってきたしな」

恭子「それはそやなあ…」

 

東京の西川さんからハガキが届いた。

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随分前のように思えるけど、10日ほど東京で勝負すると出かけていった。ハガキの文面を読み始めた昭からハガキをひったくり、あきの前で読み始める恭子。

 

「前略。皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。小生10日あまりのつもりで東京へ出てまいりましたが東京は大阪とは、また違った刺激のある町で、もうしばらくこちらで頑張ってみようかという気持ちになっているところです。先日は、浅草の観音様の境内でパントマイムの野外公演を行いましたが、およそ100人の人たちが熱心に見てくれました。ともかく元気です。 スティーブ西川」

 

恭子「西川さん、東京で頑張ってはるんやな。よし、私も頑張らんとあかんな」

また歌い始めるが、やっぱり今日は口パクっぽい。

 

純子たちの新居でももが外で魚を焼き、熱燗を作る。清原も帰ってきた。純子を呼んだももは秀平の友人たちの中に死んだ亭主によく似た人がいたと話す。青いシャツを着た人で亭主が死んだ頃と年の頃も似ている。純子はももも2階に上がるように言う。

 

青シャツの男性は平田満さんによく似てる。桂雀松(現・桂文之助)さん。調べたら今の顔も平田満さんに似ていた。年齢も平田さんが1953年生まれで桂さんが1956年生まれで大体同年代。

 

友人A「写真いうもんはな、僕が思うに時代の記録や」

秀平「そう。僕もそう思うんだ。カメラマンは時代の証言者だと思うな。つまりね、人が見る風景とか人はね動いてるわけだよ。流れの中にある。すると見えるべきものも見えてこない。しかし、写真はそれを静止した画像として切り取るわけだ。映画で言えばストップモーションだ。それにね、動いてる時には見えなかった何かが見えてくる」

青シャツ「うん、賛成や」

友人B「そやろかな。確かに写真ちゅうのは記録の一面もあるやろうけど僕は創作やと思てる。フィクションや」

友人A「う~ん、フィクションちゅうのはどやろな」

 

めんどくさそうな話だな。そこにももがやってきた。秀平は純子が美山村で疎開してた時にお世話になった牛山ももさんだと紹介した。ももは秀平の友人たちにお酌し、お目当ての青シャツ男性に話しかけた。

 

もも「あの…お宅さんはおいくつですか?」

青シャツ「27です」

もも「ほんまに…同じやなあ」

青シャツ「は?」

もも「いえ。お名前は何ちゅうんですか?」

青シャツは山岸だと名乗った。純子と秀平はニヤニヤしながら見守る。

 

もも「青いシャツ、よう似合うたあるのう」

山岸「そうですか? これね、うちの女房のお手製ですわ」

もも「奥さんあるんか?」

友人B「いや奥さんどころか子供がいてますよ」

もも「ほんまに…」

お目にかかんのもうちょっと早かったらよかったのになと笑うももに分かってない様子の山岸。あからさまに元気をなくして秀平にお酌する様子に純子もちょっと笑ってしまう。

 

秀平たちが肩を組んで大きな声で歌う。

♪雪の降る町を 雪の降る町を

思い出だけが通りすぎてゆく

雪の降る町を

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純子はそっと1階に下りてきて片付けをしようとしたが、大きく物音を出してしまい、清原が起きた。気にしなくて結構と言ってくれてるが「もう3時回ってるし、皆さんには引き取ってもらいますさかい」と謝る。いや~、夜中に大声で歌うんじゃねえ!

 

清原「いいじゃないか、友達が来てくれるような家庭。大いに結構。ご心配なく」と帰らせようとする純子を止めた。

 

朝、外で洗濯しながら秀平を注意する純子。怒っている純子に謝る秀平。

秀平「みんながね、君のこと、きれいな人だって言ってた」

純子「そんなこと言うてもあかん」

秀平「ほんとだよ」

しかしなんだかんだ許しちゃう純ちゃん。

 

秀平は家に入って清原に謝る。「何だったらここへカーテンつりましょうか」と提案。そんなの意味ないって。清原は「そんなに気を遣われるとかえって居づらくなる」とこのままでいいという。そして、今日は食事は結構だと純子に言う。

 

清原「今日は僕のたった一人の息子の命日でね」

純子「ほんまに」

清原「清原昌彦、38で死んだ。海軍中佐だ。駆逐艦の艦長だった。一年に一度、今日だけは僕は飯を抜くことにしている。本人は望んで海軍兵学校に行った。最後の出撃の前に手紙をくれてね。

『戦局、利あらざるといえども一身を挺して護国の鬼となり申す候。もとより我は武人なれば身命は鴻毛の軽きにあり。武人を選びたることに露ほどの後悔も御座なく候』。

死ぬことに露ほどの後悔もないと自分に言い聞かせて死んでいった息子が哀れだと思うんだよ。僕もまた息子に生きて帰るなと言った。あの時なぜひと言、死ぬるなよと私の正直な気持ちが伝えられなかったのかと悔やまれてね。今日は息子に詫びる日だ」

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夜、外に出た秀平と純子。今日一日、清原先生につきあって食べなかった。

純子「そやけど、一日中、じ~っと座って息子さんのこと思てはる先生見てたらひもじいなんてよう言わんわ」

秀平「そうだな。よし、明日の朝までの辛抱だ」

 

昭がけがをした正太夫と帰ってきた。僕のせいでけんかになったという昭。はあ~、ここで区切りじゃなくてよかったなー。

 

清原先生の息子は軍人であったか。15分でいろんなことが盛り込んであるなあ。