公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意
マリ子(熊谷真実)たちが、ヨウ子捜索に奔走している頃、当のヨウ子(平塚磨紀)は写真館の主人・三郷(山口崇)に助けてもらっていた。学校に問い合わせた大造(河原崎長一郎)が、一足違いでヨウ子の住所を聞きにきた者がいると知り、人さらいと勘違い。そこにヨウ子を連れた三郷が現れたので、飛びかかってしまう。かくして、ヨウ子行方不明事件は幕を下ろしたが、各々慌てふためいていた自分の行動に思うことがあり…。
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ヨウ子が迷子になりました。
マリ子はけがの手当てをウメにしてもらい、ウメと一緒に酒田燃料店を出た。
一方、ヨウ子は三郷写真館の前をウロウロして店主の三郷智正に声をかけられた。ヨウ子は思わず抱きついて泣きだす。智正が店に入らせて座らせると、母親のトセが顔を出した。
トセ「まあどうかしなさったのかえ、お嬢ちゃん?」
このドラマは現代ものだったけど、料亭で働く仲居頭さんだったから着物だったし、この役も着物だし、着物のイメージしかないね。
そうだ! 山口崇さんはこのドラマでは盲目の青年を演じてたんだ。
マリ子とウメ、植辰と栄一は写真館の前で会い、もちろんヨウ子がここにいることは分からないので、それぞれに分かれて捜す。
智正はヨウ子に色々尋ねる。
智正「じゃあ、あと…おうちはどこ?」
ヨウ子「分かんない」
智正「困りましたね。え~っとどこから来たのかな?」
ヨウ子「福岡から」
智正「福岡!?」
マリ子とウメが酒田燃料店に戻ると、大造から電話があった。大造が念のため、もういっぺん学校へ行くと、30前後の男がヨウ子のうちのことを聞いて帰っていった。
さよ「まさか人さらいじゃ!?」
ウメ「お黙り!」
マリ子「ヨウ子!」
学校に行って戻った来た智正はヨウ子の家が上野桜木町に家があることを聞いてきて、学校からの帰りに鶯谷の線路を渡る前にこっち側の角を曲がってしまったんだろうと推測。これから家に連れて行くとトセに話した。
磯野家には、はる、マリ子、マチ子、酒田親子がいた。
はる「ああ~…。私がいけないのよ。私がもっと気を付けてあげればよかった…」
マリ子「いいえ、私が悪いとです…」
マチ子「泣いてる場合じゃなかでっしょう! ヨウ子が今どんな気持ちでいるかと思ったら、とてもじっとなんてしていられまっしぇん!」
家を飛び出すマチ子の後をはるも追う。そこに現れたのは智正に手を引かれたヨウ子だった。
智正「いや~おうちの方ですか?」
マチ子「どこ行っとったと! もう! みんなば心配させて!」
大造がいきなり智正に殴りかかった。
はる「悪いのはこの方ではありまっしぇん! この私なんです!」
殴られた智正に駆け寄るヨウ子「大丈夫!? 大丈夫? おじちゃま! おじちゃま!」
家の中でヨウ子に傷の手当てをされる智正。
智正「あのこちらに電話がございましたらもっと早くお知らせができたんですが、一応小学校まで訪ねていったりしたもんですからすっかり手間取ってしまいまして、こちらこそご心配かけて申し訳ありませんでした」
はる「そんな、あなた…」
智正「いえいえ、初めはもう福岡まで親御さんを訪ねていかなければならないかとすっかり驚いてしまいました」
部屋の隅で小さくなっている大造とウメ。
酒田燃料店に戻った大造はウメに「全くそそっかしいったらありゃしないんだから。助けてくれた人をポカポカッと殴っちゃうなんてバカどこにあるんだよ!」と言われた。
栄一「ヘヘッ! でもよかったですよ、いい人だったから」
植辰「ああそのとおりだよ。俺だって大将とおんなじように思ってたんだから。もしものことがあったら生かしちゃおかなかったよ。ああ、その覚悟だったね、俺は」
大造「いや、まことに面目ない」
はるからもらったお酒を大造には今日は飲ませないよとウメ。
植辰「またばあさんに頭上がらなくなったね、大将。ええ?」
大造「まあな!」
ともかくヨウ子行方不明事件はこれにて一件落着。その夜はさすがの磯野一家もヨウ子をのぞいては悪夢のような勘違い事件を思い出してなかなか寝つかれないようでした。
教会
はる「私、昨日ほど自分が恥ずかしいと思ったことはございませんでしたわ」
鎌田夫人「でも、奥様…」
はる「いいえ。かねがね全ては神の御心、どうにもならない時は座して祈れば必ず道は開ける。そういう神の教えを信じてきたつもりでおりましたの。ところがあの騒ぎの間じゅう私の頭の中には娘のことしかございませんでしたの」
江田婦人「それは母親ですもの。当然のことじゃございませんの」
はる「でも私、神をお恨みさえ申し上げましたわ」
江田「まあ何てことを…」
はる「主人を召されて、この上、娘までもと私、半狂乱でしたの。ところが娘が帰ってまいりますと、もううれしさのあまりケロリとそんなことまで忘れてしまったんですの。全く私という人間は…」
オネスト「嘆くことはありません。神が与えたもうた試練と思いなさい」
はる「神の試練?」
鎌田「そうですわよ、奥様。伺えばその方は無抵抗でご近所の方に殴られていたんでしょう?」
はる「はい」
鎌田「でしたらもしや神がその方のお姿を借りてあなたの力を試されたのかもしれませんわ。恐ろしいことでしょうか? 神父様。こういう考え方は」
オネスト「ノー、それでいいのです。神が何と申せられましたか? 右の頬を打たれた時は?」
はる「はい、『なんじ左の頬も差し出せ』。それではあのお方は…」
オネスト「そうです。神の試練です。物事を悪く取ってはいけません。あなたにはこうして一緒に考えてくれるお友達もできました。ヨウ子さんにもそのお友達ができたのです。いつも前を向いて歩かなければいけません」
はる「本当ですわ。なんてすばらしいことなんでしょう!」
マリ子は家で手紙を書いていた。
「そういうわけでトミ子さん、今度という今度は私もつくづく痛感しました。私は長女であり、母がいない時はこの家の主婦なのです。マチ子にもさんざん叱られましたが、あの小憎らしいマチ子にとっても私は姉でした。もっともマチ子もヨウ子のことを心配してこの私にひどいことを言ったのですが…」
そろそろヨウ子が帰ってくる頃だと部屋を出ると、玄関からヨウ子の声がした。ヨウ子と一緒に智正の姿もあり、学校が1時間早く終わったから智正の店に寄っていたという。
智正「どうしても私のお店に寄りたい時には一旦おうちに帰ってお断りを言ってから寄ること。いいですね?」
ヨウ子「は~い」
マリ子が家に上がるように言うが、お店があると言って帰っていった。
マリ子「ヨウ子は好いとると? あのおじ様」
ヨウ子「好き、大好き。お友達なの!」
マリ子「本当? よかったね、よかお友達ができて」
そしてその夜のことでした。
はる「そういうことなら電話を引きましょう」
マリ子、マチ子は驚く。
はる「全ては神の御心です」
マリ子「ええ~?」
はる「私もね教会ですばらしいお友達にお目にかかったの。もうそれはいろいろと相談に乗ってくださってマリ子の絵の先生も紹介してくださったのよ。だから早速行ってお話を決めてきました」
またまた実行魔の実行ぶりが発揮されました。
はるのお友達が紹介してくれたのは本郷春日町の川添画塾。
マリ子「川添画塾!?」
はる「そう。川添正三先生の塾よ」
マリ子「すごい…すごかね、お母様。川添画塾といったら美術学校を受けようとする方がみんな行く所たい!」
実際は川端玉章がやっていた川端画学校という私立の美術学校に行っていた。
マリ子が塾へ行く日はマチ子がお台所の仕事。はるがやればいいと言われると、いる時はやるけど、できるだけ神父様の手伝いをしたいという。
はるの「瓢箪から駒」が出て、マリ子の大目的は向こうから一歩近づいてまいりました。
上流階級の奥様方が集まってる感じだったもんねえ。しかし電話は…商売やってるうちやはるの兄みたいにお役人だったら自宅にあったかもしれないけど、まだまだ庶民の家にはなかったころじゃないだろうか。戦後だけど純ちゃんの家にもまだ電話はない。
来週もどうなることやら。