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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (53)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

磯野家の新居が世田谷新町に決まった。植辰(江戸家猫八)親子や朝男(前田吟)たちと引っ越しをしていると、大家のウララ(楠田薫)とマドカ(斉藤美和)も差し入れを持ってやってくる。そんな矢先、近所の年子(北川智繪)にこの家がいわくつきだと聞かされたウメ(鈴木光枝)は卒倒する。だが、当のマリ子(熊谷真実)たちは承知の上と言う。一方、粋なご祝儀で門出を祝う三郷(山口崇)は、画を続けるようマリ子を激励し…。

またしてもあれよあれよという間に磯野一家の新居は世田谷・新町へと決まってしまいました。

上野桜木町からだと出版社は近い。しかし、世田谷・新町から田河先生の家がある荻窪には近くなった。

 

朝男と智正、植辰親子、均、ウメ、三吉とたくさんの人が手伝いに来ていた。これは、はるのばらまきのおかげであるとも思うから、過去の朝ドラの飲んだくれおやじと一緒にされるのはやっぱり抵抗があるな。

 

ごめんあそばせと大家のウララ、マドカ姉妹もフリフリのエプロンでやって来た。

マドカ「おにぎやかなお引っ越しで本当にすてきでございますわ」

はる「まあ、お騒がせして申し訳ございません」

ウララ「とんでもございません。私どもお手伝いすることがないかと思いまして伺いましたのよ」

マドカ「伺いましたのよ」

マリ子「あ~、あの…手は足りておりますので、どうもありがとうございます」

ウララ「そうですか。それでは皆様に召し上がっていただこうとアップルパイを焼きましたの」

ウメ「ア…アップルペって何ですか…そりゃあ…」

はる「リンゴのお菓子ですのよ。まあ、それはありがとうございます」

マドカ「いいえ、ほんのお口汚しでございますのよ」

オホホホホ…という笑い声に男たちの表情は複雑。

 

アップルパイを食べるのにお箸でいいですね、と探したマリ子だったが、ウメが表の箱の中だと言って外に取りに行った。ウメと三吉が箸を見つけると、近所の住人の年子が声をかけてきた。3年前に首つりがあり、夜になると誰かのすすり泣きが聞こえる、あまりこの辺を通らないなどというので、ウメは卒倒してしまう。現に通ってるくせに余計なこと言うんじゃねーよ!と思ってしまう。

 

ウメは「なんまいだぶ、なんまいだぶ…。何の酔狂でこんなうちへ引っ越しする気になったんだろうね…。ううっ、なんまいだぶ…」と寝かされていた。

マチ子は「幽霊なんかこの世の中にいないんだから」というが、ウメは芝居で見たと言って幽霊のまねをする。マリ子は幽霊だってもともとは人間だと言い、均も人間の方がよっぽど怖いと田河先生も言っていた、朝男も隣ですすり泣きなんか一度も聞いたことないとみんなしてウメを励ました。

 

栄一「そら、あんたみたいな人ん所にはあちらさんもちょっと出にくいよね」

植辰「違えねえや」

均「(笑)」

 

マチ子は私たちなんの因縁もない、怖がるいわれがないと言い、均が泊まり込みで来てもいいと言って、朝男にそっちの方がよっぽど怖いとまたにらみ合い。

 

車が来て、植辰親子、三吉がウメを送っていくことになり、ウメは夜になっても電気はつけっぱなしの方がいい、枕元にほうきと物差しを置くなどの注意をした。

 

こうして植辰親子に連れられてウメと三吉が帰っていったあと

 

マリ子は2階にいた智正と話をした。

智正「やあ。2階からの眺めはすばらしいですね。気分が清々しますよ」

マリ子「どうもありがとうございます。三郷さん」

智正「いや~それにしてもいわくつきのおうちであることを承知の上で引っ越しなさったとは、いや、あなた方の度胸に改めて感心させられました」

マリ子「ぜいたく言ってる余裕はないし、それに私もこの2階からの眺めが一目で気に入ってしまったんです」

智正「武蔵野の雑木林なんです。ほら、あの辺り、完全にその面影を残してるでしょう」

マリ子「武蔵野の雑木林ですか」

智正「ええ、学生時代、この雑木林の風景が大好きでしてね、この辺りから府中の方まで歩いたもんですよ。この辺はね足の便はちょっと不自由ですが、絵をなさるにはとてもよい環境だと僕は思います」

マリ子「はい」

智正「空気がおいしいって気がするでしょう?」

マリ子「福岡は海でした。福岡の家の2階からですと、すぐその前が松林で浜辺でした。百道の海岸っていって砂は白く松はあくまでも緑で本当に心が洗われました…と言ってもその本当のよさが分かるのはそこを離れてからなんですね」

智正「うん。そういうことかもしれませんね」

 

マリ子は話があると聞いていて、智正は忘れるところでしたと引っ越し祝いと蓄音機の代金を渡した。

マリ子「でも、あれは…」

智正「大丈夫です。すぐ売れますから」

マリ子「本当にすいません」

智正「とんでもないですよ。私たちの方こそさんざん面倒見ていただいて本来だったらこれは奥様にお渡ししなければいけないんですけれどもね」

マリ子「でもそれは…」

智正「いいえ。私たちがいい気になって甘えてばかりいた結果だと本当申し訳なく思ってるんです」

マリ子「そんなことありません。あれは母の病気なんですから」

智正「マリ子さん、そんなふうにおっしゃっちゃいけないな」

マリ子「はい。考えてみたら私たちもうかつだったんです。通帳が空になったよって言われるまで全くそれまでうちにはどれくらいお金があったのか考えてみたこともなかったんですもの」

智正「ハハハッ、無理もありませんよ。お母様のあのなさり方を見ていたら誰だってつい安心してしまいます」

マリ子「そのとおりなんです。子供たちより神様の方が大事なのかしらって恵まれない人たちに次から次へと大切なものを運ぶ時なんか、正直言ってマチ子と文句言ったこともありましたけど母のすることだからと思って信用してたっていうか、あの人任せだったんですよね。本当にいい勉強になりました」

智正「いい言葉ですね」

マリ子「えっ?」

智正「いえ、私なんかもね、この年になってもまだ勉強ばかりです。痛い思いをしないと身にしみて覚えない方のたちなんですね。悔しいこと、情けないこともありました。でもね、これが勉強だと思うと前へ進むことができるんです」

マリ子「はい」

智正「あっ、いえいえいえ! 今のは私が私自身に対する言葉なんですよ。でもね、あなた方は本当にすばらしいですよ」

マリ子「いいえ、自分でも変なのばっかりそろったと思っておりますもの」

智正「それでいいんですよ。それでいいんです。既成の考え方にとらわれないで独自の生き方を見つけていかなければ自分がなくなってしまう。そんな時代になるでしょうからね。あっ、正直言ってね私はあなた方が羨ましいんです」

マリ子「羨ましいって私たちのどこがですか?」

智正「そうですね、え~、例えばですね、このいわくつきのおうちでもご自分の現状次第では何の抵抗も感じてらっしゃらない。そこへいくと私たちは世間の常識から逃れることはできないんです」

マリ子「でもあまり褒められたことじゃないでしょう。お家賃の安さに釣られただなんて」

智正「いえ、その実質主義で行くべきです。そこへいくとそのお母様はとっても偉いと思うんです。頑張ってください」

マリ子「はい」

智正「まあ当分、あなたは挿絵をなさると思うんですが、必ずチャンスを見つけて立派な絵を描いてくださいね。あなたの成功はですね、私の夢でもあるんですから」

マリ子「まあ」

智正「アハハハハッ! いや、自分の夢を他人に託しちゃもうおしまいですね。いや、私も頑張ります」

マリ子「ウフフッ、はい。でも、おばさんに伺いましたけど今度おじさまの会社では写真出版もなさるんですってね」

智正「はい。畑違いですが、同じ出版関係です。負けませんぞ!」

マリ子「はい!」

 

暗くなり、均と智正、タマと朝男も帰っていった。

 

みんなが帰るや、マリ子とマチ子は早速に仕事です。「皇国の興廃、この一戦にあり」。とにかく、磯野家の命運は2人のこの細腕にしっかりとかかってきていたのです。

peachredrum.hateblo.jp

「皇国の興廃、この一戦にあり」は「澪つくし」でも出てきたけど、最後にポンと書いてあって、どういう流れで出てきたのか思い出せない(^-^;

 

ヨウ子がマリ子とマチ子にお茶を持って来た。はるは明日の支度。

マチ子「どうやら心を入れ替えたらしいね」

マリ子「マチ子」

マチ子「だって娘2人が稼ぐんだもの。それぐらいのことは母親として当然の務めでしょ」

マリ子「もっとほかに言い方ないの?」

マチ子「ない。一片の同情もないくらいにない」

 

マリ子はヨウ子の学校が遠くなったことを謝った。ヨウ子は2階のある家が福岡の家みたいで好きだという。

 

さて、一家はこの家でどんな暮らしを始めるのでしょうか?

 

三郷智正さんの立ち位置がよく分からなくなってきた。ヨウ子と仲良しのおじさんかと思いきや、マリ子に夢を託すような事を言ったり…。