公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意
純子(山口智子)が正太夫(笑福亭鶴瓶)と駆け落ちした、と吹聴されてあき(伊藤榮子)はもも(藤山直美)に抗議するが、興園寺家では正太夫が純子の後を追いかけていったのではないか、という疑惑が生じる。純子は稲本専務(森下鉄朗)の帰りを会社で6時間待ち、父の体調が回復するまで2か月待ってくれ、と直接頼む。稲本は最初は断るが、純子の態度を意気に感じて、承諾する。正太夫は勝手に純子を外で待ち、体調を崩して…。
金太郎「ほんまに駆け落ちなんや!」
あき「お母ちゃんが見いはったんやて?」
正太夫と純子が手に手を取って駆け落ちしたと言い張る金太郎。あきは純子は家の用事で大阪に出かけたんだと言っても、金太郎は母の言葉を信じている。
昭「駆け落ちって何や?」
あき「子供はそんなこと知らんかってよろしい!」
陽一郎は純子が帰ってきたらすぐに分かると言うが、陽一郎の見舞いに来ていた久助は狭い村だからいっぺん妙な噂が立ったら打ち消すのが大変だと言う。
あきは金太郎によそで言い触らしたら困るというが、本当の事だと言って聞かない。あきは牛山家に行くと言い、久助もついていくと言うが、陽一郎はほっとけと相手にしない。
あき「いいえ。こういうことははっきりさせとかんと。嫁入り前の娘におかしなうわさでも立てられたらかないませんやろ」。秀平は帰ると言い、あきと久助は牛山家に向かった。
静尾のいる村役場で話す牛山うめ。かきは近所の奥さん方に「純子はあっけらかんと笑っていた」と少々話が大きくなり、あきはももに抗議するのだが「はいはい。分かりました」と返すが、なんていうか本当に反省してる感じじゃない。
もも「お母さんがそれほど言わはるんでしたら私の見間違いですやろ。えらいお騒がせしておおきにすんませんでした」。ももの母・きんもあきたちに頭を下げてくれ、あきが念を押すとももは「はいはい、よう分かりました。えらいすんませんでした」。頭は下げるんだけど微妙だな~。
興園寺家でも噂は伝わり、つやは純子は大阪に用事があったけど、正太夫と示し合わせてということもあるのか…と考えたが、清彦は「お兄ちゃんが勝手に純子ちゃんの後を追いかけていったちゅう可能性あるかも分からんよ」と、さすが大正解! 久助が駆け込んできて、正太夫の置き手紙を読んだ。つやと清彦に大きなことをやってみろと言う久助の言葉を真に受けたのだと言った。
東和生命前に座り込んで夏ミカンを食べる正太夫。純子が受付で待っていると、稲本専務は帰りは3時を回るかもしれないと言われ、このまま待たせてもらうと座って待つことにした。東和生命には就職させてほしいと言いに来るものがひっきりなしに来ていて純子は不安そうな表情を浮かべる。
小野家では、陽一郎があきに薬を飲ませてもらっていた。今夜は阿倍野に泊めてもらうことになっている純子。ぬいさん(字幕は”ぬひ”)が大阪に来た時はいつでも請け負ってくれた。知り合いかな? お店が繁盛している人らしい。
午後5時前、ようやく稲本専務との面会。陽一郎の手紙を読む稲本は「小野さんみたいな人に来てほしかったんやけど」と惜しんでくれたが、手紙の内容には納得してくれた。
しかし、純子はお願いがあると言って「父の就職、2か月待っていただけないでしょうか?」と直談判。「私の一存で申し上げてるんです。それを直接お願いしたくて今まで待たしていただきました。ほかにも就職を希望してはる方はようけいてはると思います。でももし専務さんのお力でなんとかなるんでしたらこの父の手紙はなかったことに…」
う~むというような稲本の表情。
純子「最初は父の手紙だけ渡して帰ろうかとも思ったんですけど…。でも本当は父もとても残念がってるんです」
稲本はそれはそんな簡単にはいかない、稲本以外にも重役は何人もいてみんな就職を頼まれている、それを陽一郎だけ待ってもらうわけにはいかないと言った。
分かりましたと頭を下げた純子は顔を上げると涙をそっとぬぐって、笑顔で「すいませんでした」と帰ろうとした。その健気さに打たれたのか、稲本が「何とかしてみましょ」と2か月後でいいから大阪に来てほしいと言ってくれた。お礼を何度も言って泣き出す純子。
純子が東和生命を出ると、正太夫が震えて膝を抱えていた。6時間も待ったと抗議する正太夫にここでさいならと言ったはずだと言う純子。正太夫は震えて座り込み、南方でやられたマラリア持ちだと言い、少し歩きだしたがまた座り込んだ。
薬屋でキニーネを買ってきてと頼んだ。「キニーネを飲んだらうそみたいに治るさか」。正太夫は目の前の旅館?で待っていると言うので、純子が薬を買いに走った。布団で震える正太夫。純子は歩き回ったが品薄だと言われたり見つけられなかった。
マラリアって再発するんだね。
ももさんというか牛山家は食えない一家だねえ。悪い人でもないけど、いい人でもないような。
純子はずっと待たされて疲れただろうに、正太夫に嫌な顔一つせずなんて聖人すぎる。