徒然好きなもの

ドラマの感想など

【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (48)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

純子(山口智子)たちは清原(浜村純)のところへ、大阪へ引っ越すあいさつをしに行く。最後につや(白川由美)と話していて、純子は速水のことが好きかと聞かれ、わからない、と答える。昭(岩芝公治)と雄太(高岡俊広)の卒業式の日、あいさつに来た雜賀(桂枝雀)に、純子は陽一郎の形見のグローブを返すが、雜賀はグローブとミットは昭と雄太が持っていたほうがいい、と受け取らない。子どもたちは最後に皆で野球をして…。

純子が帰ると、阿倍野のぬひから電報が届いていた。

「イサイショウチ イエモ シゴトモ シンパイセント オオブネニノッタツモリデ オオサカニ キトクナハレヤ テラウチヌヒ」

方言丸出しの電報、面白い。ぬひの家は狭いが、小野家がみんなでお世話になる。

 

あしたは純子が休みなので、あき、純子、雄太で清原先生にご挨拶に行く。役場への届け出も正式に済ませたし、大阪へ行くことも報告する。

 

翌日、清原家へ。雄太たちの卒業式が終わったらすぐ大阪に行く。

清原「雄太君。人間にとって名前は大切なものだ。これから君は小野雄太として長い長い人生を送ることになる。いいかね。誰のためでもないのだ。自分自身のために名前を大切にしてくれ」

雄太「はい」

 

あきは清原にお礼を言う。私は何もしてないという清原が雄太に言葉を贈った。

清原「山は大きい。しかし、キリマンジャロはヒマラヤと会うことはできない。人間は小さくて弱い。しかし、時間さえかければ会いたい人に会うことができる。分かるかな? アフリカに伝わる言葉だ。人はね、人と出会うからすばらしい。覚えておいてくれ」

雄太「はい」

純子も復唱して感じ入っていた。

 

久助の部屋には正太夫が来て酒を飲んでいた。正太夫は小野家が大阪に行ってしまうことをそれでいいのかとしつこく聞いていた。怒り出す久助

 

小百合は昭と雄太に一つずつ小さな小箱を渡した。小百合のことが好きな金太郎は箱を一つ奪って小百合に箒を持って叩かれそうになる。それでも返さない金太郎に箒を持って追いかけ、思いがけず当たってしまう。「あっ、ごめん! 大丈夫?」って全然当てる気ないのがかわいい。雄太も昭も遠慮せずもらっとけ。

 

大きな杉林を歩くつやと純子。すごい場所だなあ。いつでも帰っておいでと言ってくれるつやは秀平のことを聞いてきた。

つや「純ちゃん、あんたすきなんやろ?」

純子「分かりません」

 

純子「ええでしょうね。結婚して子供産んで、その子を連れてここがお母ちゃんの一番好きな場所なんや言うてここへ連れてくるんです。杉の木のようにまっすぐに伸びなあかんよ。いっぱいに根を張らんとあかんよ。暑い日も寒い日もいつでも青々としてなあかんよって、そう言うてやりたいんです。そういう日が来るねんやろか」

つや「来るって。来るに決まってるって。なあ、純ちゃん。この杉な、これ500年はたってるやろと思うけど木の一生から比べたら人間の一生なんてもうほんのちっぽけなもんかも分からんな。いっときの別れなんてほんま小さなもんかも分からん」

純子「そうですね。でも清原先生が雄太に言わはったんです。山は大きいけど動けない。人は小さくて弱いけど会いたい人に会いに行くことができるって」

つや「会いたい人に会いに行くことができる…。ええ言葉や」

 

小百合から強奪した小箱を家族に見せる金太郎。昭と雄太が2人で1個、金太郎が1人で1個。なんでやろなと言いながら笑うももたち。昭も雄太も大阪に行くといってすねてる金太郎に、ももたちは小野家が大阪に行くことを知って驚く。

 

そして、卒業式。別れの日が来たのであります。

 

学校では室内は子供たちがみんな裸足。あきはいつも鳴らしていた鐘を久助に返した。大阪に行かれてもどうぞお元気でとあきに言い、あきがいなくなると涙ぐむ久助

 

あきが帰ると、純子の書きかけの手紙が目に入った。

「秀平さん、お元気ですか? 私達は、大阪へ移り住むことになりました。人生が少し變わると思ひます。どうなるかわかりませんが、父が言ひ残した”ナイスプレー”といふ言葉を信じて頑張りたいと思ひます」

字幕まで旧仮名遣いだったのが珍しい。

 

純子は鼻歌を歌って台所仕事をしていた。久助が陽一郎に手を合わせに来た。純子は陽一郎のグローブを久助に返そうとしたが、久助は昭と雄太のものにしてくださいと断った。押入れの中にしまっておくのはもったいない、その方がグローブも喜ぶ。

 

グラウンドでは子供たちが野球をしていた。純子は審判。雄太の打順で純子と交代。金太郎は大人が打つのは不公平だというが、金太郎のチームでも一回打つと言って、ホームランを放つ純子。金太郎チームでもホームランを打つ。すごいなー。

 

さようなら、美山村。純子は胸の中でそうつぶやいているのであります。

 

土曜日回で週の終わりにふさわしい終わり方。ツイッターでバブルの時代にこんな丁寧なドラマがあったとはみたいな感想を見かけて私も同じように思いました。バブルと言えば派手な生活をしてるトレンディドラマが全盛の時代だったし。私は当時からひねくれ者だったのであまりそういうドラマは見たことがありませんが。

 

何度も描いてるけど、山口智子さんと唐沢寿明さんが出てたという以外、あまり情報が出てこないドラマで…しかし考えてみれば、昭和の終わりはまだまだ戦争を体験した人も多くいたし、バブルという時代のおかげでロケがふんだんにできたのかもとも思えます。美しい和歌山の風景が見られなくなるのはちょっと寂しいかな。