1944年 アメリカ
あらすじ
イングリッド・バーグマンがアカデミー主演女優賞を受賞した、傑作サスペンス。叔母を何者かに殺されて傷心のポーラは住み慣れたロンドンを離れ、イタリアで暮らすことに。やがて月日が流れ、結婚したポーラは、夫と共に相続した叔母の家で新婚生活を始める。ところが、ロンドンに戻ったとたん、次々と不可解なことが起こり、ポーラは精神的に追い詰められてしまう…。監督は名匠ジョージ・キューカー。アカデミー美術賞も受賞。
2021.2.18 BSプレミアムシネマ録画。
意外と見ているイングリッド・バーグマン。
1875年のロンドン。意外と1940年代の映画って、ちょっと昔の話が多いね。日本でいう時代劇みたいな感じ? “ソーントン広場の絞殺事件、未だ未解決”という新聞記事を読む人。叔母 アリス・アルクイストが殺されたポーラはイタリアに留学し、オペラ歌手になるべくグアルディに歌を習うが恋をしたため、歌に身が入らない。「幸福は芸術より尊いよ」とポーラの恋を許すグアルディ。ポーラの恋の相手はレッスンの時にピアノを弾いていたグレゴリー・アントン。
自分を見つめ直すため、ポーラはコモ湖へひとり向かう。汽車の中でミステリー好きの中年女性・ベッシーと知り合う。ベッシーはソーントン広場の近くに住んでいて殺人事件のことをあれこれ話し始める。ポーラはあまりその話をしたくなく、目的地に着き先に降りた。ホームにグレゴリーが待っていて、ベッシーが見ている前でキス。ベッシー驚く。
グレゴリーはいつかロンドンで暮らしたいとポーラに話した。ポーラは母がお産で亡くなり、父の顔も知らず、母親代わりの叔母(母の妹)が殺されて以来、空き家になっているソーントン9番地に家があるからそこで暮らしましょうとグレゴリーに言った。
9番地の水道の開栓がされたことをベッシーがめざとく見つけて、中を見てみたいと興味津々。ポーラもちょうど来て挨拶した。
10年前、叔母が何者かに首を絞められたことを目撃したポーラは家に入ったもののやっぱりここには住めないと言うが、グレゴリーは叔母に関わるものは捨ててしまえばいいと言った。なんか怪しいな?
ベッシーはポーラの家の料理人のエリザベスにそれとなく様子を尋ねるが、奥様は体調がすぐれなくて誰も家に招かないと言われた。エリザベスは高齢で耳が遠い。もうひとり若いナンシーをメイドとして雇う。
ポーラとグレゴリーは3ヶ月前に結婚し、今日は正装して舞台を見に行くが、ポーラはブローチがなくなっていることに気付き、外に出た。
ナンシーは奥様は元気そうだけど本当に病気なの?とエリザベスに聞くが、エリザベスも旦那様が病気と言っていただけだと、ちょっと疑ってる?
ポーラがポーチに入れていたブローチがなくなっていたことをグレゴリーに話す。グレゴリーの母のブローチをプレゼントされたものだったがグレゴリーは気にしないように言う。
ポーラが住んでいるアルクイスト邸を見ている若い男性にあの家が殺人のあった家だと話しかけるベッシー。アントンは外国人で謎めいていて、ポーラは滅多に外出しないと、ベッシーは常に監視してるんだね。
ベッシーと話していた男はブライアンというロンドン警視庁総監の助手でアリス・アルクイストの事件に関心を持っていた。ポーラがアリスと瓜二つで美しいことも興味を引いた。ベッシーからナンシーが男に色目を使うと聞いて独身警官をアルクイスト邸付近の担当に変えた。
グレゴリーはベッシーが訪ねてきても居留守を使うようナンシーに言った。ポーラはベッシーと話したい気持ちもあったのに、グレゴリーの言う通りにした。閉じ込められてグレゴリーのいうことだけを聞いているポーラ。
グレゴリーが劇場に連れて行くと言うだけでポーラは大喜びするが、グレゴリーははしゃいでいるポーラの前で壁から外された絵を元に戻して欲しいという。ポーラに身に覚えのないことだが、エリザベスやナンシーに聞いたり、不安定なポーラをますます不安にさせる。
ポーラはこの家にいるのが怖いと言うが、グレゴリーは仕事に出かけて行った。泣きながら眠っていて、目を覚まし天井の明かりをじっと見ていた。
ダルロイ邸の音楽の夕べに招かれたブライアンはポーラが来るかも?と期待を抱いて参加した。席は自由だがアントン夫人の隣に座りたいとダルロイ夫人に話す。しかし、アントンからポーラは体調不良で欠席すると断りの手紙が来ていた。
ポーラは正装し、出かけようとしていた。グレゴリーが断ったと言っても、昔お世話になった人だから1人でも行きたいと出かけようとしたが、グレゴリーも一緒に行くことになった。ナンシーは予定が台無しになったとポーラの前でも不機嫌そうな顔をした。
ピアノ演奏に聴き入るポーラにグレゴリーを見つめるブライアン。突然、グレゴリーが懐中時計がないと話しかけ、ポーラのポーチに懐中時計が入っていた。自分の無意識の行動だと思い泣き出すポーラ。結局途中退席した。家に帰ったアントンはポーラを責めた。
ゼルギウス・バウアーの手紙が楽譜から見つかって変になったというグレゴリーはそんな手紙はなかった。そこから妄想が始まったとさらに責める。医者に聞くとポーラの母も同じ症状だったと言った。演奏会でポーラを見つめていたブライアンを昔の男だろうとなじり、追い詰める。
ポーラは照明の明かりが小さくなることや上から物音がすることを気にしていたが、耳の遠いエリザベスは聞こえず、同意してもらえなかった。
ブライアンはナンシーと仲のいい警官からポーラが長く不在になると聞き、警官にナンシーを呼び出してもらい、ポーラと会うことにした。ブライアンが訪ねると応対したのはエリザベスだったが、ポーラの味方だと言って半ば無理矢理対面した。
ブライアンはアリスにもらったという手袋をポーラに渡した。ブライアンの目の前で明かりが暗くなり、ポーラはやっと話せる人がいたと喜ぶ。ポーラの部屋の上から物音がするというので確かめに行くと、その部屋はアリス・アルクイストの所持品が置かれていて、ブライアンの推理では空き家から屋根つたいにグレゴリーが入っている。
ブライアンがグレゴリーの部屋のライティングデスクをこじ開けると、拳銃が消え、ポーラの妄想の産物だと言っていたバウアーの手紙が見つかった。バウアーはアリスのプラハ公演の伴奏者でグレゴリー・アントンと同一人物だった。
グレゴリーは部屋でアリスの宝石のたくさんついたドレスを見つけた。宝石をいくつか持ち帰り、ライティングデスクに隠そうとするとこじ開けられているのが分かり、ポーラを部屋に呼んで責めた。ブライアンが来たと話すが、エリザベスは誰も通してないと言い張り、ポーラはいよいよ自分がおかしくなったのだと思う。
そこにブライアンがグレゴリーと同じく空き家から入ってきてアリスのドレスを持っていた。ブライアンとグレゴリーはもみ合いになり、エリザベスが外にいた警官を呼ぶ。グレゴリーはブライアンに椅子に縛り付けられていた。
夫と話をさせてと2人きりで話をする。グレゴリーはブライアンがポーラを好きだから嘘をついていると、近くに寄って目を見るよう指示し、ナイフで縄を切るように言う。正気じゃないと言われ続けたポーラだが、ポーラの母も正気を失っていたというのは嘘だというグレゴリーの言葉に自分自身を取り戻し、ブライアンにそのまま引き渡した。グレゴリーは宝石に魅せられていたとポーラに話して連行されて行った。
ブライアンは逮捕され、「長い夜ね」とつぶやいたポーラに「あなたにも朝は来ますよ」とブライアンと向き合ったところを目撃したベッシーが「おやまあ」と嬉しそうな顔したところで終わり。
まあ出会ったときからグレゴリーが怪しすぎるよね。この時代からモラハラ夫(というのか?)っていたんだね。毎日毎日お前は頭がおかしいと言われて外に出してもらえない状態が続いたらそりゃおかしくなるよ。ブライアンとくっつきそうな感じで終わるのが好き。
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