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ドラマの感想など

【ネタバレ】白い恐怖

1945年 アメリ

 

あらすじ

イングリッド・バーグマングレゴリー・ペック共演、巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督のサイコ・サスペンスの名作。女医のコンスタンスが勤務する病院に、新院長としてエドワーズ博士が赴任して来た。コンスタンスはエドワーズに一目ぼれするが、彼には、白地に縞(しま)のある模様を見ると、精神が不安になる不可解な症状があった…。スペインの画家サルバドール・ダリが参加した夢の場面は圧巻。アカデミー作曲賞受賞。

2021.1.13 BSシネマ録画。

 

“過ちは我々の運命ではない。我々自身だ”ーシェークスピア

 

本作には精神分析が登場する。これは感情の問題を解決する現代医学の治療法である。分析医は患者から話を聞き出し、心の中にある鍵のかかった扉を開く。患者を苦しめていた問題が明らかにされ解釈されると、病気と混乱は消え患者の魂は解放される。

 

グリーンマナー精神科医

 

マリーという女性が親しげに男性に腕を絡めて歩く。女医のコンスタンスが診察を始める。「私は男なんて大嫌い」と言いながらも、コンスタンスに冷血女と暴言を浴びせて部屋を出て、入れ違いに入ってきたフルーロ医師には色目を使う。

 

フルーロはコンスタンスを口説く。パワハラ&セクハラ。しかし、マーチソン院長が部屋に入ってきて、フルーロは出て行った。マーチソンは20年勤めたが、後任の院長がやってくるため、挨拶に来た。

 

新しい院長は思ったより若い男性だった。医師や看護師が食事をとる食堂に新院長のエドワーズが来た。エドワーズの顔を見て一目惚れするコンスタンス。エドワーズは少々神経質なところあり!?

 

コンスタンスの患者のひとり、ガームズを診ていたエドワーズはコンスタンスを昼食に誘う。他の医師たち(全員男性)はエドワーズがコンスタンスを外に連れ出したことをチェックし、ガームズが暴れたと聞き戻ってきたコンスタンスのストッキングが破れているだの、指にカラシがついてるから昼食はソーセージだのチェックし出す。キモっ!

 

ここは医師も住み込み? 夜、コンスタンスはエドワーズの本を持ち、議論がしたいとエドワーズの部屋を訪れた。議論は言い訳だと、二人は抱き合いキス。しかし、エドワーズはコンスタンスの服の縞模様を見て動揺する。

 

エドワーズとコンスタンスは手術の手伝い?に行くが、急に廊下に電気をつけろ!などと大きな声を出して、部屋の隅に座らされた。

 

ベッドに寝かされたエドワーズ。コンスタンスは手紙の筆跡からエドワーズが別人だと気付く。目を覚ましたエドワーズは、エドワーズを殺して成りすましたと言うが他の事は記憶がない。

 

エドワーズのシガレットケースにJBと書かれていた。恐らくエドワーズと名乗る男の本名だが思い出せない。

 

「君を愛してる。だからこそ巻き込めない。しばらくの間ニューヨークのエンパイアステートホテルにいる。 JB」という置き手紙を残してエドワーズはいなくなっていた。

 

本物のエドワーズの秘書がやってきて、若い男はエドワーズではないと証言した。刑事たちがコンスタンスの部屋に来て事情を聞いた。コンスタンスは置き手紙をまだ読んでいなかったが、刑事たちは床に落ちていた置き手紙に気付かなかった。

 

エンパイアステートホテルにコンスタンスが行った。ロビーのソファーに座り、JBを捜す。しかし、ピッツバーグでは知られた男だというおっさんにしつこく絡まれる。そこから助けてくれたのはホテル専属の探偵だった。夫婦喧嘩をしたので仲直りがしたいが、部屋番号がわからず、偽名で泊まっていると説明すると、該当者は25人いると調べてくれた。

 

ジョン・ブラウンという名前の部屋に行くコンスタンス。まさかすんなり現れるとは! コンスタンスはJBに治療を試みる。JBは左手の甲に火傷のあとがあり、混乱するが覚えていなかった。部屋に夕刊をとっていたコンスタンスは新聞に自らの写真が載っていたため、慌ててJBとともに部屋を出た。

 

窓口に行けば何か思い出すのでは?と思ったコンスタンスがJBを窓口に立たせた。「ローマ」というので、ジョージア州のローマの切符を買ったが怪しまれたため、ロチェスターに向かう。

 

列車に乗るとコンスタンスが精神分析を始める。JBを医師と診断したコンスタンス。火傷をしてローマに向かったという見立てをした。

 

コンスタンスの恩師のブルロフの家に行くと、応接室には先客の男性が二人いた。ブルロフ博士が帰ってくると、先客は刑事で本物のエドワーズのことを聞いてきた。ブルロフはニューヨークでエドワーズと口論になったと言っていた。刑事たちが帰って行き、コンスタンスは結婚したと言ってジョン・ブラウンだと紹介した。

 

女性は優秀な分析医になれる。しかし、恋をすると変わる。最高の患者になる、とブルロフは言うが、今なら大問題。

 

コンスタンスはホテルは満室でブルロフの家に泊まりたいと言うと、一人暮らしのブルロフは歓迎してくれた。通された部屋の縞模様のベッドカバーにJBは動揺した。

 

JBは目を覚まし、ヒゲを剃ろうと剃刀を手にしたが、部屋にあるいろんなものを見てクラクラ。縞模様のベッドカバーをかけているコンスタンスに近付いたが、何もせず、部屋の外に出て起きていたブルロフに声をかけられた。早朝?

 

椅子でぐったりしているブルロフにコンスタンスが声をかけると寝ているだけだった。驚かすなよ。

 

JBはソファーに寝ていた。ブルロフは警察に電話をかけようとするが、今この状態で捕まったら悪化してしまう。数日でいいから治療させて欲しいと頼み込んだ。

 

ブルロフの睡眠薬で眠らされていたJBが目を覚ました。ブルロフが精神分析を始めた。フロイトの夢診断を始める。この映像が大きな目玉とかちょっと気持ち悪い。

peachredrum.hateblo.jp

 ↑この映画はフロイトの話だった。

 

JBは雪に恐怖を感じた。雪のあと、白い雪に黒い線。本物のエドワーズはスキーをして崖から落ちた!? JBは殺人と言い張り、自ら警察に電話しようとするが、コンスタンスは一緒に闘わせて欲しいとガブリエル・バレーに向かった。

 

二人で雪山を登り、スキーをする。二人並んで同じ速度で滑る合成映像。崖まであと少しという時、JBが幼い頃、家の前の手すりを滑っていたら前にいた弟を蹴る形になり、弟は押されて鉄柵に刺さった! ここで全てを思い出し、崖落下を回避。

 

本名はジョン・バランタイン。ジョンは兵士だったが、怪我で除隊し療養中にエドワーズと知り合い、スキーに誘われた。エドワーズが死んだことと弟の記憶がごっちゃになっていた。刑事が来て、ジョンはエドワーズを殺したと自白していたこともあり逮捕された。

 

マーチソン院長は続投。ブルロフもマーチソンもジョンを忘れろと言った。エドワーズとは面識があるが好きになれなかったとふと漏らしたマーチソンの言葉から、ジョンの夢診断の話をする。エドワーズを殺したのはマーチソンだった。

 

コンスタンスに銃を向けるマーチソン。1人殺すも2人殺すも同じだというマーチソンに、コンスタンスはエドワーズ1人なら精神耗弱で無罪だが、私を殺せば計画的殺人になると言いながら、警察に電話すると部屋を出て行った。コンスタンスに向けられていた銃はマーチソン自身に向き、銃声が響いた。

 

無事、釈放されたジョン。ジョンとコンスタンスは電車に乗ろうとしていた。見送りに来たブルロフは「コンスタンスの夫という事は私の夫ということだ」と笑顔で送り出し、改札係がギョッとする。ジョンは切符を渡し、コンスタンスとキスをする。(終)

 

弟の事は事故と言っても後味悪過ぎ〜。でも珍しく中年男性と若い女性という組み合わせじゃないんだね。美男美女でお似合いだったから、ジョンが犯人じゃなくてよかった〜。でも弟の事が…(無限ループ)。 

 


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