徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】チロルの挽歌 前後編

1992年4月11日、18日  NHK

www2.nhk.or.jpあらすじ

(前編)「再会」

立石実郎(高倉健)は、東京で娘・亜紀(白島靖代)と二人暮らし。立石の妻・志津江(大原麗子)は、四年前に駆け落ちして行方不明だった。志津江が駆け落ちした相手は、立石が自殺を止めた菊川(杉浦直樹)で、菊川と志津江が暮らす北海道の田舎町に、建設予定のテーマパークの担当者として立石がやってくる。偶然、志津江の店の近くのビジネスホテルに投宿した立石に志津江は近づき、菊川は立石に近づくな、と命じるが…。

(後編)「旅立ち」 志津江(大原麗子)の父・喜八(佐野浅夫)が立石(高倉健)の様子を見に訪れて、志津江に置手紙をして帰っていくが、志津江は父を利用して、と怒る。町の周囲の人たちは、志津江が立石に入れあげているとうわさするようになり、テーマパークの問題解決と立石たちの三角関係の解決の話が並行して語られていく。用地買収解決の祝いの席に、志津江と菊川(杉浦直樹)と亜紀(白島靖代)も加わり、立石との話し合いの場が設けられ…。

2020年末に放送していたものを録画してました。山田太一脚本だった(歓喜)。

 

北海道。志津江の元に菊川が来て、あさってお前の亭主が来るぞと言い出した。菊川が今の夫で立石が元夫。

 

関東電鉄の立石は北海道のテーマパーク「チロリアンワールド」の責任者として北海道に赴任することになり、東京に娘を残すことを義父・喜八(佐野浅夫さん)にお願いした。

 

山縣市長(河原崎長三郎さん)が自ら迎えに来て、熱心に市のこれまでのことやチロリアンワールド建設の経緯を語る。地域振興課の種村は西岡徳馬さん。

 

立石が泊まったホテルの向かいの福屋という衣料品店に志津江がいた。志津江は菊川と駆け落ちして北海道に住んでいて、北海道赴任も志津江のいる町へ来たのも偶然。

 

チロリアンワールドはヨーロッパの街をイメージしたテーマパークで元は露天掘りの鉱山跡地。反対してるのは半田牧場の半田巌(岡田英次さん)。 

peachredrum.hateblo.jp

岡田英次さんはこの映画では若い先生だった。

 

菊川は元は 大手ゼネコンの資材部長だったが、会社の汚職事件の罪を被って服役。服役中に妻子が自殺。出所後、自殺しようとしたときに出会ったのが立石で、その縁で志津江と出会い駆け落ちしたという経緯があり、命の恩人を裏切ったので立石と顔を合わせたくなかった。商店会長の橘(金子信雄さん)と半田巌だけが菊川の過去を知っていた。

 

逃げも隠れもしないと立石と再会した志津江。人に見られてはまずいと別々に立石の部屋に入り、なぜ北海道に来たか語った。元々、牧場で働きたいと菊川が言って北海道に来たものの牧場は務まらないと言われ、おばあさんのやっていた洋品店を買い取った。菊川をこの部屋に呼ぶというが、立石が嫌がり、志津江は泣きながら帰って行った。

 

市長は連日の飲み会で体調を崩し、種村が立石に関東電鉄の考えを聞き出そうとした。立石の前任の神崎は広告代理店の社員で急死し、会社側がやる気をなくしてしまったんではと不安になっていたところに技術畑一筋の無口な立石がやってきてますます不安になった。立石は自ら希望したというが、なぜ希望したかは言わなかった。無口だ、しゃべれと言われまくるの辛い。

 

その夜、志津江がポットに入れたコーヒーを持って訪ねてきた。菊川が立石を恐れていること、菊川だけが悪いんじゃなく、立石は仕事一筋で家族をほったらかしにし、お前に何ができると常々志津江に言ってたらしく…モラハラ? 菊川は優しく、話も聞いてくれる。店も私で持ってると言うと、立石は枕を投げつけてきた。

 

志津江は立石の洗濯物を洗ったり、アイロンをかけたり、コーヒーの差し入れをしていた。菊川は気にするが、立石に会えばいいと言われてしまう。

 

チロリアンワールドの土地の一部を所有し、しかし建設に反対している半田の説得に難航し、市長は仲人もした商店会長にお願いするが、これまでの関係が崩れるからと断られ、立石が挨拶がてら行くと言って車に乗って出かけた。

 

雪道で立ち往生する菊川に偶然出会い、助けようとするが、これ以上助けないでくれと言い、言い合いになった。サービス業になったのは人と接して丸くなって人の気持ちがわかるようになりたいからだと立石が言い、女房を取り返してやるとも宣言。結局助けずに去って行った。ここまでが前編。

 

何度も挨拶に通うが半田は会ってくれない。とうとう話せたが、もみ合いになった。半田も立石の誠実さはわかった感じしたけどな。

 

志津江の父・喜八が立石の親戚のふりをして役場職員から情報を聞き出していた。立石は人妻に言い寄られていると言われ、それが志津江のことだと知り、驚いていた。立石だけに会い、志津江の家の勝手口に娘の写真と「人の道を知れ」というメモを残して帰って行った。駅まで走った志津江だが、喜八を見送った立石がいるだけだった。

 

今度は夜に半田を訪ねた立石。半田は外で一人いた。外で食事をする場所があって、家族で夕飯は食べていたんだろうけど、テレビを見に家の中に入って行き、妻(菅井きんさん)も相手にしてくれず、孤独だったせいか、大分立石に心を開いた様子。

 

ホテル暮らしからアパート暮らしになった立石を菊川が訪ねてきた。散らかってる部屋に片付けちゃいましょうとサッと洗い物をする菊川。うーん、こりゃ志津江が惚れるのも分かるな。菊川の話は立石にこの町を出て行って欲しいと言うが、簡単に東京に戻れないと言う。立石は一度3人で会って話し合おうと言った。

 

立石は酔っ払って道端に座り込んでいた。市長と種村が話しかけると、チロリアンワールドの開業を見届けられず残念です。一身上の都合でこの地を離れますと言った。

 

市長宅に運んで、一泊させ、改めて話を聞くが、町の噂になってる福屋のおかみさんのことではあるが、事情は話さなかった。

 

市長が福屋に行き、菊川と志津江から事情を聞きだした。市長は口が軽く、種村など職員に話し、立石に出て行って欲しくなく、二人が出て行くべきだと話した。半田が菊川をかばって市長に文句を言いにきた。そこに半田の家族が来て、市長と2000坪の土地の値段交渉に来た。家族にやり込められ、折れた半田。半田の息子は花畑牧場田中義剛さん。この頃から牧場経営者だったのね。

 

立石の元に娘の亜紀が訪ねてきた。仕事のことを話している立石に亜紀はしゃべるようになったと喜んでいた。

 

夜、市長と半田が飲んでいるところに誘われて、立石と亜紀が呼ばれ、商店会長が来て、菊川と志津江も呼ばれた。志津江達が来ると聞いて帰ろうとするが、市長は第三者の目があった方がいいと引き止めた。

 

市長仕切りで話し合いが始まる。志津江は立石は殻に閉じこもって向き合ってくれないが、菊川は本音を話してくれる。あの人も好きだし、この人も好き。3人で仲良く暮らせないか、これが志津江の本音だった。外野がブーブー言うが、とりあえず誰も出ていかない。

 

10ヶ月後、チロリアンワールド開園。チロリアンな格好をしている高倉健さんかわいい。今、志津江は立石と暮らし、菊川の店にパートに出ている。(終)

 

ええ〜、すごい世界だ。「澪つくし」ならかをるが吉武家で暮らし、昼間は入兆で醤油作りをする…うーむ。3人がよければいい…のか??

 

ドラマの布加野敷(ぬぷかのしけ)市は架空で撮影は芦別市チロリアンワールドのモデルになったカナディアンワールドがあった。チロリアンワールドは市長の説明によるとヨーロッパ、ハイジのイメージっぽいけど、カナディアンワールドは赤毛のアンのテーマパークだったみたいです。

www.canadian-world.com

志津江がはっきりすりゃあいい話かも。立石の世話を焼き始めた時点で立石を嫌悪してたりしないよねー! 菊川は優しいがちょっと頼りない。立石は男らしいが枕を投げつけたりするし、部屋も汚い。さああなたならどっち!? いや〜今ちょうど「澪つくし」でも2人の男の間で揺れる展開だから、こういうのも面白い。