徒然好きなもの

ドラマの感想など

【連続テレビ小説】芋たこなんきん(28)「すれちがい」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

健次郎(國村隼)の次男、登(神保守)が運動会のフォークダンスの練習で、女の子と手をつなぎたくないと訴える。一方、映画館の大崎俊平(櫻木健一)と佐和子(瀬戸カトリーヌ)が夫婦ゲンカを起こす。女の子と手をつなぎたくない登の話と俊平・佐和子夫婦のケンカの話題から、町子(藤山直美)や健次郎の周りの大人の間で、男と女の話で盛り上がる。そんななか、町子と健次郎は俊平・佐和子のケンカの原因と解決を探るのだが…。

子供部屋で取っ組み合いのけんかをしている清志と登。

健次郎「コラ、コラ、コラ、コラ。やめんか! ほれ。登、はいはい、はいはい…」2人を引き離して座らせ、間に座る。「はい、何があったんや?」

清志「登が悪いねん!」

登「兄ちゃんが言いつけるからやろ!」口を押える。

健次郎「何したんや?」

清志「廊下で立たされてたこと由利子姉ちゃんにしゃべっただけや」

登「もう言うな!」

健次郎「お前、何して立たされたんや?」

廊下で立って見ていた町子と顔を見合わせる健次郎。

 

茶の間に戻ってきた健次郎と町子。

町子「けど、フォークダンスの練習で女の子と手、つながれへんていうぐらいのことでね、立たされたりすんのかな? そんな嫌なんかな?」

健次郎「あの年頃いうのは、そういうのが恥ずかしいもんなんやて」

町子「ふ~ん」

健次郎「で、後になってから『しもた。もったいないことした』と思いよんね」

 

町子「何『もったいない』って?」

健次郎「もうちょっと大きなってしもたらな、いっぺんに20人も違う女の子の手を握る機会なんかなくなる。あれは小学生にだけ許された特権や」

町子「けどね、それをそのまま登君に言うたところで話は通じませんよ」

健次郎「まあ、ほっといたらええねんて。『本番では握る』て言うてんのやから」

町子「けど、懐かしいな~。フォークダンスかあ…。♪タラ ラララララ タラ ラララララ タラ ランラン ララララ ランランラン」と食器を下げながらオクラホマミキサーを口ずさむ。昨日のミニ予告。

 

健次郎「どや? それ終わったらちょこっと行こか?」

町子「は~い」

 

たこ芳

貞男「フォークダンスなあ。初恋のマサコちゃんと手、つないだ時はドキドキしたなあ」

俊平「どうせ不細工な子やろ?」

貞男「アホ! 目のパッチリしたかわいらしい子やったんや」

町子「ねえ、お酒飲んで大丈夫なんですか?」

俊平「消毒、消毒」

健次郎「夜中に痛くなっても知らんぞ」

 

りん「何でけんかしたん?」

俊平「いや、もう、ささいなことですわ。男の気持ちなんて全然、分かってへんね」

りん「へえ。駆け落ちした仲やのに?」

町子「駆け落ち? 駆け落ちて俊平さんとこ駆け落ちしはったんですか?」

俊平「そんな大層なもんやあらへんねけど…。いや…、年が離れすぎてるいうて嫁はんの親に反対されたよってに、もう無理やりトランクに着替えだけ詰めて京都から逃げてきましてん」

町子「うわ、何か映画みた~い」

 

貞男「その顔で」

俊平「あ~、この顔で。ほっといて!」

健次郎「そうまでした嫁はん、大事にしたらなあかんがな」

俊平「まあ、そう思て、こないだの休みの日に神戸へでも行こかと思てたんや。ところが支度してる最中にけんかになってしもて」

貞男「ああ、こないだ、うち来て『休みがどうやこうや』言うたな」

俊平「女も所帯ずれするとかわいげがなくなるな。フォークダンスしてた頃が懐かしいわ」

町子「!?」

 

貞男「ほんま」

健次郎「ほんま」

りんもムッとする。

俊平「おりんさん、お酒、お代わり」

りん「もう売り切れ!」

俊平「え?」

 

帰り道

町子「俊平さんの奥さん、寂しいのと違うやろか」

健次郎「え? そうか? みゆき館で奥さん、もぎりで、あいつロビーの仕切りやって毎日一緒やで」

町子「毎日、一緒にいてても女て寂しいなあと思う時があるのよ。男の人には分からへんやろね」

健次郎「分かりまへんな。何で女の人は文句、多いのやろな。好きな男と一緒になって、毎日、話ができて楽しい。そうシンプルにはいきまへんか?」

 

町子「ちゃんと心が通じてたらね。やっぱり男は素直が一番」

健次郎「ハハッ! この男はあんまり素直そうやないな」ポケットから映画観賞券2枚を取り出す。「一緒に行こか」

エル・ドラド ジョン・ウェイン主演

 

町子「ジョン・ウェインや。わ~。けど…私には時間がないわ」

健次郎「ああ、そう。あ~あ、そうか。時間がないか…」家に入っていく。

 

みゆき館

佐和子「はい。はい、どうぞ」と受付にいるが、今度は売店へ。「まあ、ええねえ。お父さんと一緒?」

健次郎「ほかのやつは、どうも西部劇、苦手みたいやからな」

登「おばちゃん、ポップコーン頂戴!」

佐和子「うん」

 

俊平「おっ、おっ、おっ!」奥から出てくる。

健次郎「どうも。券、ありがとう」

俊平「いえいえいえ。ちょうどよかったやないかいな。いや、アメリカは挨拶代わりにチューですやろ。それに比べたらダンスぐらい抵抗なくなりますわ」

 

徳永家

登・隆「バンバンバン! バンバン! バンバンバン!」

2人は銃を撃ち合うまね事をしている。

登「西部の男には女はいらねえぜ! (近くで本を読んでいる亜紀を大げさに避ける)男に気安く触るんじゃねえ!」

 

茶の間で見ていた町子と健次郎。

町子「逆効果やったね」

健次郎「最後にな、ジョン・ウェインが恋人と結ばれるのが気に入らん言うとる」

町子「ええ?」

 

由利子「ただいま」

町子「あっ、お帰りなさい」

健次郎「お帰り」

 

由利子「はあ~、しんど!」台所でお弁当を置く。

町子「今日も練習やったの?」

由利子「毎日、タイム上がってんねんで。絶対うちの組が優勝や!」

町子「そらええわ」

 

健次郎「隆、お前は何すんね?」

隆「組み体操」

健次郎「ふ~ん」

由利子「ピラミッドの上、乗れんの?」

隆「まだ決まってへん」

 

町子「ねえ、清志君は玉入れでしょ?」

清志「うん。あれは父兄対先生の玉入れの玉。僕らは騎馬戦」

町子「父兄、玉入れできんの? ねえ、ほな、私も午後からやったら行けるから。ねっ」

peachredrum.hateblo.jp

あぐり」で”父兄”とセリフでは言ってるのに、字幕は”父母”と出た時があったな。そんな配慮いらんよ。

 

健次郎「去年な、僕、パン食い競争で2着やねん」

町子「えっ! 私ね、綱引き得意なんやけれどもね」

隆「おばちゃん、絶対来てや! 僕、一番上乗れるように頑張るから!」

町子「よっしゃ!」

 

佐和子「ごめんください」

町子「は~い!」

 

玄関へ

町子「あら、佐和子さん」

佐和子「すんません。うちの来てませんか?」

町子「ええ。俊平さんは来てはりませんけど」

佐和子は玄関になだれ込むように座る。

町子「大丈夫ですか? ねえ」

佐和子、泣き出す。

町子「奥さん…」

 

町子は泣いてる佐和子を茶の間に連れてくる。

健次郎「どないしたん? お前ら、部屋、行っとき」

子供たち「は~い」

 

健次郎「何や、酒、飲んでんのかいな?」

佐和子の泣き声

健次郎「奥さん、どないしたん?」

いっそう泣き声が大きくなる。

 

俊平「ごめんください」

 

玄関

俊平「あ…。あの…」

健次郎「来てるで」

俊平「あ、そう」

 

町子「ねえ、泣いてはるよ」

俊平「はあ。それ…」

町子「上がって、話、しましょ」

健次郎「あかん、あかん。今は会わん方がええて」

 

町子「何でよ? 話、せなあかんやないの」

健次郎「あの状態で話、してみ。感情的になるだけやろ」

町子「分からへんでしょ?」

健次郎「何を言うてん。話、こじれるだけやて」

 

俊平「何や?」

健次郎「たこ芳でも行っとき。落ち着いたらちゃんと送ってく」

町子「ちょっと。奥さん泣いてはる。あなた、帰るつもりですか?」

俊平「いや、そやから、あの…」

町子「上がって、ちゃんと話、してちょうだいって。ねえ」

 

健次郎「あのな、女がヒステリックになってる時、話なんかでけへんの」

町子「女、女て何ですか? 話してみんことには分からへんでしょ?」

俊平「いや、そやからあの…」

 

健次郎「分からんやつやなあ。そやから言うてるやないか。酒も入ってるし、まともな話になるわけないやろ」

町子「俊平さん、顔見せへんかったら佐和子さんの気が収まらへんやないですか。来てちょうだい。話してみ。話しい!」

外へ出ていかそうとする健次郎と中へ入れようとする町子。先週末の予告はこれかあ。

 

イシ「あの~、通してもらえますやろか? ええ大人が何を子供のけんかみたいなことしてはんのですか。玄関先で…」

家に入っていくイシと出ていこうとする佐和子がぶつかった。

佐和子・イシ「あっ!」

町子「お母さん、大丈夫ですか? お母さん」

イシ「大丈夫…」

 

俊平「大丈夫ですか? すんません。佐和子、お前、何してんねん! よそさんに迷惑かけて!」

佐和子「あんたこそ、何やの?」

町子「せっかく迎えに来てくれてはんのに!」

佐和子「話の途中で勝手に出ていって今頃、ノコノコと!」

俊平「何やな…」

佐和子「もう結構です。しばらく帰ってこんといてください」

 

佐和子は玄関を出る。「お邪魔しました」

町子「奥さん!」

俊平「おい!」

 

廊下で見ていた子供たち。

登「女て怖いな」ここも先週末の予告で見た。

 

たこ芳

健次郎「誤解? 誤解て何や?」

俊平「はあ…まあ、ちょっとね。あのね…女はロマンチックが分かりませんな」

健次郎「ロマンチック?」

俊平「いや、先生とこへもね、声かけようと思てたんですわ」

健次郎「え?」

俊平「もう、こないなったらどっちゃでもよろしいわ!」

 

仕事部屋

町子が原稿を書いている。戸が開く音が聞こえて、誰かがトイレに入った。町子は慌てて部屋を飛び出し、トイレの前へ。

町子「お帰り。さっきはごめんなさい。私もついカ~ッとしてしもて。けど、あの、奥さんの方も素直やないよね。あかんよね。せっかく旦那さん迎えに来てくれたのにね、あんなことではね。私、やっぱり夫婦っていうのは何でも話し合わなあかんと思てるの。そやからこれから私たちも何かあったら絶対に隠し事なしで話し合おうよね。ねっ。聞いてんの? ねっ。何でも話し合おう。ねっ」

 

廊下の奥から健次郎が歩いてきた。

町子「ねえ? ねえ、何で? 何で何も言うてくれへんの? もう私と話、すんの嫌になったん? ねえ? 何で健次郎さん…。ねえ、何か言うてよ。私、一生懸命ね、2人のこと考えなあかんと思てんの。そやからね…ねえ、何か言うてって。ねえ、健次郎さん」

健次郎「何してんねん?」

トイレからは水を流す音。町子は健次郎が後ろにいてびっくり。

トイレから出てきたイシ「うん、素直が一番。おやすみなさい」

 

町子「おやすみなさい」

健次郎「何のこっちゃ?」

町子、泣き出す。

健次郎「何で泣いてんの?」

 

茶の間

町子「誤解?」

健次郎「うん。詳しい話は、しよれへんのやけどな。『女はロマンチックが分からんなあ』やて」

町子「え~、女、ロマンチック大好きですよ」

健次郎「いや~、好きかしらんけど…もともとロマンチックにできてるのは男の方やで」

町子「え?」

 

健次郎「考えてみ。女は結婚してしもたら、子供の弁当やとか家計簿やとかものすごく現実的になるがな」

町子「ううん。男は結婚するまでに甘い言葉連発して釣った魚にエサやらへんでしょ?」

健次郎「何を言うてんねん。亭主は毎日毎日働いて、そのエサのもとを稼いできますがな」

町子「女のエサというのはロマンなんです」

 

健次郎「ロマンは男のもんです。ジョン・ウェイン見てみいな。好きな女への思いを胸に秘め、一人、戦うやろ」

町子「胸に秘めてくれて誰も頼んでへんでしょ。素直やないねんから」

健次郎「あのな、ロマンに生きようと思たら、その素直さが時には邪魔になるんや」

町子「そんなことありませんよ。ちゃんと2つ両立したらええやないですか」

 

健次郎「それがでけへん不器用さが男のかわいさやないかい」

町子「その言い方が素直やないて、私、何べん言うたら分かるんですか!」

健次郎「どっちが!」

町子「あ!」

 

しかし、笑い合う2人。

町子「フフフフフ…」

健次郎「あ~あ、よその夫婦のけんかでこっちがもめんのアホらしいな」

町子「ほんま。…で、俊平さん帰らはったんかな?」

 

みゆき館のロビーで一人、グラスを傾ける俊平。

 

朝、徳永家

茶の間で朝食中。

町子「はい、どうぞ」

健次郎「はい、ありがとう」

 

イシ「これ! もっとゆっくり食べんと」

由利子「はよ行って、また、リレーの練習やねん。バトン渡しが難しいから」

町子「あれ、難しいでしょ? あれね、渡すよりももらう方が難しい。そやからね、息が合わなあかんねん。パッと渡されたらホッ! パッ、ホッ! 手首がクッ、クッ、クッと」←ここも予告で見た。箸を持ったまま手首をくるくる。「このバトン…」

健次郎「おはし」

町子「あっ、すいません」

 

清志「登もダンスの練習、しっかりやれよ」

登「うるさい!」

清志「手、つながれへんかったら、かっこ悪いで」

登「本番ではつなぐ!」

 

電話が鳴る。

町子「あら。はい、もしもし、徳永でございます。あ、どうも。ええ、花岡です。はい。いいえ、とんでもないです。あ、そうですか、原稿。あっ、はい、はい、はい。ええ。あ、あの日曜日のサイン会でしょ? はい。えっ!?」

 

仕事部屋

封筒を漁る町子。「違うやろ…。ちょっと…これかいな。これや。あった! 日曜日…大阪と違うのや。どないしよう…」

 

プリント

花岡町子さん講演会・サイン会

 

◎日時 10月22日(日)

 

◎場所 神戸市立 御鏡会館

    (兵庫県神戸市中央区中山手通2-24-7)

 

11時30分 昼食休憩

12時 サイン会

13時 終了

 お疲れさまです。

住所の場所はNHKがあるのか~、面白い。

 

結婚して初めての子供たちの運動会。間に合うかどうかギリギリのスケジュールに町子は気付いたのでした。

 

ミニ予告

町子「ない…」

 

毎日何かしらありながら毎日進んでいく。ホームドラマに飢えてる私にはうれしいドラマ。