1973年 アメリカ
あらすじ
今作でアカデミー賞助演女優賞を受賞、最年少受賞記録を塗り替えた少女役のテイタム・オニール。聖書を売りつけて稼ぐ詐欺師と、母親を亡くし独りぼっちになった少女との交流を描くロードムービー。
母親を亡くした少女アディを親戚の家まで送り届けることになった詐欺師のモーゼ。はじめは渋々引き受けたが、大人顔負けの聡明なアディを詐欺の相棒にして旅行を続けることになる。やがてふたりの間には……。
2024.3.13 BS松竹東急録画。
吹替版でも字幕ついててありがとう、BS松竹東急!
1973年公開の割にクラシックなオープニングだと思ったら1935年設定の話。全編白黒。
母を亡くしたアディをミズーリ州の死んだママのお姉さん(伯母さん)の所へ送り届けることになったモーゼはアディの母の慰謝料200ドルをせしめ、車を買い換え、アディを一人で汽車に乗せようとした。
モーゼ・プレイ:ライアン・オニール…字幕黄色
アディ・ロギンス:テータム・オニール…字幕緑
ライアン・オニールは「バリー・リンドン」を観て、かっこいいと思った人だ。そして、本物の親子なのね。
アディはモーゼに私の200ドル返してちょうだいとしつこく迫る。モーゼのことは近所のおばさんがアディの父親であると噂していて、アゴが似ていると言う。必死で否定するモーゼ。アディの母とはバーで知り合った。
モーゼは詐欺師で新聞の死亡記事を見ては、亡くなった夫がデラックス版に金文字で妻の名前を書いた聖書を注文していたと妻に話して、前金の1ドルを返し、8ドルの聖書を買わせるという手法を取っていた。ある時、妻の他に保安官もいたが、アディの気転で助かった。
アディに一緒に仕事をしないかと誘うモーゼ。アディは訪れた家の経済状況を見て、子沢山なら全額受け取っているとそのまま聖書をあげ、お金持ちそうな婦人には24ドルをふっかけた。モーゼは一律8ドルで売っていたので、値段を勝手に決めるなとアディとケンカになる。
道中、釣り銭詐欺も行う。聖書詐欺も酷いが、全く悪くない店員が責められる展開になるのは嫌だなあ。
モーゼは途中からトリクシーとメイドを車に乗せて走る。デライトは美人の白人女性、メイドのイモジンは15歳の黒人女性。
トリクシー・デライト:マデリーン・カーン…字幕水色
15歳のイモジンと9歳のアディの喫煙シーン!
アディはトリクシーが来たことで後部座席に座らされるのが気に入らない。今は仕事を辞めてバケーション中だと言うモーゼ。車に乗ることを拒否するアディにトリクシーは男の人と長く続いたことはないので今だけだと何とかアディを説得した。
運転席のモーゼと助手席のトリクシーがくだらない話で盛り上がる。
ホテルに到着。アディはトリクシーに別の男をあてがって追い出そうとし、イモジンにも協力したら、お金を払うと約束した。アディは稼いだ金の中から何枚か封筒に入れ、アディに渡し、トリクシーに気がある受付の男にトリクシーの部屋に行くように言う。
そして、モーゼにはトリクシーの部屋へノックしないで開けるように言う。イモジンはモーゼが2人を殺しちゃうんじゃないかしら?と心配する。
モーゼはアディを連れてホテルを出た。助手席に座るアディ。
これもまたなかなか酷い手法だな。
2か月も仕事をしていないモーゼ。有り金も減ってきたところで酒の密売してるところを偶然見つけた。納屋は酒でいっぱいで、そこから盗み出した酒を適当な場所に置き、密売人に625ドルで売った。もうすぐ全財産が1000ドルになると言うアディだったが、すぐ保安官に追いかけられた。
ハーディン保安官に止められ、事情を聞かれる。家畜の仲買人だとごまかしたモーゼだったが、酒の一滴でも運べば罪になる。モーゼの隣に座るアディが自分のこめかみあたりをさする。モーゼがよく見るとアディの帽子にお金が隠されていた。
保安官に調べられてもお金は出てこない。アディはトイレに行きたいと言い、パパついてきてとモーゼも廊下に出した。急にアディは走り出し、モーゼと共に車で逃走。
モーゼは前を走っていたトラクターを無理やり追い越して何とか逃れ、森の中へ。近くの家に行き、家人に車とトラックを交換して欲しいと頼んだ。中から男がゾロゾロ出てきて検分するが、荷物が積めない車はいらないと言われる。
モーゼは男に勝負を挑み、相手が勝ち、男たちは喜んでモーゼの車を手に入れた。
モーゼたちはトラックで移動。ミズーリ州に入った。ホテルできれいな格好に着替えたモーゼとアディは30分後に待ち合わせて、先にモーゼがホテルを出た。ホテルの前にハーディン保安官がいて、走って逃げるモーゼ。
待ち合わせの場所でアディはモーゼを待っていた。モーゼはボコボコに殴られ、お金も全て取られた。これからも詐欺を続ければ、お金を稼げると励ますアディだったが、モーゼは当初の目的通り、アディを伯母さんの家へ送り届けた。
最後にモーゼに父でないのか確かめるアディ。父親候補は他に2人いるが、どちらもアゴが似ていない。玄関まで送り届けてくれないの?というアディを置いてトラックで走り出したモーゼ。
アディが伯母さんの家を訪ねると、伯母さんは優しく迎え入れた。
モーゼの手にはアディの写真が残された。
伯母さんは手紙を書いたり、電報を出したり心配していたらしい。
そろそろ走り出そうとしたモーゼの前にアディが走ってきて「まだ200ドルの貸しがある」と言い、上り坂に止めたトラックが後退し、モーゼとアディは走って追いかけた。遠くを走るトラックで終わり。
吹替
モーゼ…津嘉山正種
アディ…冨永みーな
トリクシー…小原乃梨子
ハーディン保安官…石田太郎
イモジン…青木和代
1984年5月19日にTBSで放送された吹替版でありDVD版でもある。こういう当時の吹替版はなかなか観る機会がないので、こういうのなら観たい。
本当の親子と思うと、やり取りは息が合ってて面白かった。でも、詐欺にいいも悪いもないけど、アディの考えだす手法が結構酷い。トリクシーに対してやったことは、いくら男好きでお金さえくれれば…というタイプの女性であってもドン引き。