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ドラマの感想など

【ネタバレ】 あしたからの恋 #27

TBS 1970年10月20日

 

あらすじ

茶店で葉子(范文雀)と楽しそうに話す直也(大出俊)を目撃した和枝(尾崎奈々)は、直也と口論になる。すぐに仲直りしたものの、翌日直也の家に行った和枝は、すでに来ていた葉子と鉢合わせてしまう。

2023.12.22 BS松竹東急録画。

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谷口福松:進藤英太郎…和菓子屋「菊久月(きくづき)」主人。

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谷口和枝:尾崎奈々…福松の長女。21歳。(字幕黄色)

野口勉:あおい輝彦…直也の弟。大学生。20歳。

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野口直也:大出俊…内科医。28歳。(字幕緑)

井沢正三:小坂一也…「菊久月」の職人。30歳。

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谷口修一:林隆三…福松の長男。25歳。(字幕水色)

三浦葉子:范文雀(ハンブンジャク)…直也の見合い相手。

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中川アヤ子:東山明美…トシ子の妹。

野口正弘:野々村潔…直也と勉の父。

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医師:花井緑太郎

看護師:坂田多恵子

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谷口常子:山岡久乃…福松の妻。46歳。

 

急遽延長が決まったせいなのか、26話で解決した問題をまたぶり返した感じになり、ちょっと今回はつまらなかったなあ。昨日はフリガナがついてなかったけど、今日はついてたハンブンジャク。

 

あたりも暗くなったころ、裏口から出た和枝は表通りに出て直也を待っていた。帰宅したアヤ子から直也を待っていたんだろうと言われ、お父さんが組合長さんとこ行ってまだ帰ってこないとごまかす。

 

アヤ子は中川文房具店の店番をするために今月いっぱいで退職することにした。トシ子は縁談でゴチャゴチャしてしまい、大阪に行っている。アヤ子は婚約なんて当てにならないと和枝に言い、不安な表情をする和枝。

 

常子が裏口から出てきて、直也から電話だと知らせた。大急ぎで家に入った和枝は直也と会話をする。直也さん、髪がさっぱりしているな。ドラマが終わりと思って散髪したのかな?

 

直也がいるのは喫茶店。葉子が席から手を振っている。

和枝「どこにいらっしゃるの? 病院じゃないんでしょ?」

直也「ああ、君のうちの割合近くなんだ。ほら、ジローって店。だから話切り上げてなるべく早く行くよ」

 

「あしたからの恋」の次は竹脇無我さん&栗原小巻さんの「二人の世界」で竹脇無我さんの役名が二郎。偶然? 

 

電話を切った和枝はイライラ。常子は患者さんのことだと言うが、和枝は柳通りの喫茶店にいるのだと話した。常子は「お前も行ってみたら?」と軽く言う。

和枝「手ごわい相手と話をしてるって言うのよ。誰だろう?」

常子「借金取りに追われてるのかしら。直也さんもお若いから」

和枝「冗談じゃないわよ」

 

婚約したんだから大丈夫だと常子に言われたものの、トシちゃんみたいにお断りすることもあると反論する和枝。トシ子のことが気になる常子は和枝から大阪へ行ったと聞き、修一に教えなくちゃと言う。

 

ジロー

おしゃれな内装で花がたくさん飾られてるけど菊なんだよね。時代を感じる。葉子の今度の見合い相手は三井という直也の知り合い。優等生で病院の後継者としては理想的だと直也が言うが、葉子は退屈な男だと言う。

 

葉子は見合い相手のことは知っていたが、直也と会いたいために口実として使った。「まだ諦めてないんですよ、わたくし」

直也「困りますよ、そんな…」

葉子「お会いしたかったわ」7時過ぎたのだから食事に誘ってほしいと言うが、直也は約束があるからこれでとそっけない。

 

しかし、コーヒーを飲ませてという葉子の言葉につきあい、席を立たない。ジローに来た和枝と目が合った葉子は会釈をし「きれいな人がみえたわよ」と直也に話しかけたものの、直也からすると後ろにいる和枝の姿が見えておらず「女なんかいちいち気にしていられますか」と無視。和枝は帰ってしまう。

 

葉子が和枝が来ていたことをバラし、直也はイライラ。葉子は和服を着てみようかしら?とか帰ると言った直也に菊久月までお送りしてさしあげますわと意に介さない。

 

どさん子

電話で話している修一。「大丈夫だよ。口にも顔にも出さないよ。俺より母さんこそ気をつけなきゃダメだよ。うっかりしゃべると余計こんがらがるぞ」

カウンターで話を聞いてる正三。「なんの話だかゴチャゴチャしちゃって」

 

和枝はいないと答えて受話器を置いた修一。正三は和枝と直也のゴチャゴチャと思い、恋愛してるときはケンカも楽しみのうちなんだからと話す。修一はゆうべか今朝、トシ子が大阪へ行ったと正三に話した。

正三「断りもなしにか。寂しいね、なんとなく」

修一「しかたないよ。俺とは関係ないことになってんだから」

正三「まあ、いいでしょう。修ちゃんは将来を楽しみに我慢すりゃいいんだから」

 

修一は改めて「すまない」と頭を下げた。今日の修一はもみあげすっきり。

正三「やめなよ。そう真っ正直に受け取られちゃ軽口もたたけなくなっちゃうよ」

 

客が帰っていき、修一は立ち上がって片づけをする。

 

正三「あ~あ、休みも善しあしだね。まったく体を持て余しちゃうよ」

修一「あれ? そろそろ田舎に見合いに行くはずじゃなかったのか?」

正三「うん。いざとなるとやっぱり気が乗らないよ」

修一「案外、いい子かもしんないぞ」

正三「調子いいこと言っちゃって。こっちはしみじみ秋だと思ってんのにさ。酒は静かに飲むべかりけり、か」

 

ムッとした表情の和枝が来店。「もう直也さんなんて知らない!」

 

修一も正三もあきれ気味。「結婚式までこぎ着けりゃいいけど」という正三の言葉にかみつく和枝。

 

谷口家の裏口には直也が来ていた。常子は家に上がるように言うが、ふと表通りに髪の長い女性が立っていたことに気付く。会釈をして去っていく女性。

 

電話が鳴り、常子は家の中へ。そのまま裏口に入った所で立って待っていた直也の所に和枝が駆け込んできた。すぐ言い合いになる2人。

和枝「でも楽しそうにニコニコしちゃって」

直也「ニコニコ? 誰が?」

ツーンと顔をそむける和枝。

直也「あっ、そうか。君、やいてんの? はは~ん」

和枝「とんでもない!」

 

言い争いの末、また出ていってしまった和枝、を追いかける直也。

 

ジロー

サンドイッチを頬張る直也。葉子もきれいだと言ってしまったことを謝る。

和枝「さんざん待たせて」

直也「大げさだね、君も。たった2時間だろ」

和枝「たった2時間? 彼女と何を話してたのかしら、2時間も」

直也「だから言ったろう。今度の彼女の見合いの相手が僕と大学時代に同期だから、その男のことを聞きに来たんだって」

 

直也は和枝と婚約していることを葉子に話していない。今度会うときに話すと言うと、またお会いになるの?と驚く和枝。そりゃそうだ。イライラとタバコを吸い始める直也に「怒ったの?」って。二人は葉子の話はやめようとお互い謝る。向かい合って座っていた直也が和枝の隣に座り直し、なんとか今年中に結婚できないかなと言う。春までなんて長すぎるという直也の言葉に和枝も同意する。

 

久月

ニコニコ開店準備をする和枝。店に商品を運んできた正三は今年中に結婚したいと言った和枝のことを福松が怒っていると報告。

和枝「あら、直也さんがそう言ってたって、お母さんに話しただけよ」

正三「とんでもないってガーガー言っちゃって旦那も気が短くなったね」

和枝「どうせお嫁にやるのなら早いほうがいいじゃないの、ねっ?」

正三「ふ~ん、これじゃ頭にもくるよ。ふ~ん」

和枝「変な正三さん」

 

谷口家の子供たちにとっての正三ってお兄さんのような不思議な立ち位置で面白いなあといつも思う。

 

作業場

早く結婚したいと思うのは当たり前だと常子が言うが、イライラしている福松。「早すぎますよ。なんだ、ついこの間、婚約したと思ったら、もうつけあがって。大体、あの男はずうずうしいんだ」

 

それだけ直也は和枝のことを思っているのだと常子は言うが、「直也さんだけじゃないからね。和枝さんだって相当ですよ。あの熱の上がり方は」と正三も同調する。

常子「そうよね。昨日だってお父さんの帰りの遅いことなんかちっとも心配してなかったわ」

福松「お前さんのしつけが悪いからですよ」

常子「私はね、親より自分の亭主のほうを大切にしてきたんですもの」

正三「ああ、そうですか、やっぱりね」

福松「バカ。昔は昔、今は今ですよ」

常子「子供は親に背くように出来てるのよ。でも年取れば、また自然に分かりますよ」

福松「こっちはそこまで待っちゃいられませんよ。なんだ、大事な娘をタダでもらっちゃうくせに」

正三「旦那も思い切りが悪いね。こういう舅がついてると思うと、俺も考えちゃうよ」

常子「ほんとよね」

福松「直也さんに言ってやれ。今年中なんてとんでもない。こっちとしてはね、せいぜい5~6年は…」

常子「まあ、バカバカしい、もう」作業場を出ていく。

福松「おい、常子! なんだ、話の途中に。あっ…おい、常子さん!」

せきばらいする正三。

 

福松「いや、母親のくせにね、あの人は情が薄いんですよ。ああいう態度だから子供はみんなやけっぱちをするんだ」

正三「でもさ、ここのうちも奥さんがいるんでもってるんじゃないの?」

福松「ヘヘッ。なあに、女房の1人や2人」

正三「女房を甘やかすとキリがないっていうからね」

福松「そうだよ。呼んだってろくに返事もしないんだから。おい!」

 

「なあに? お父さん」と作業場に来たのは和枝。

 

福松「ああ、いや、お前じゃないんだよ」

 

和枝「あっ、正三さん。あさっての紅白のおまんじゅう50個追加よ」

正三「ああ、高校の記念日のでしょ?」

和枝「間違えないでね」店に戻っていく。

正三「はい」

 

福松「なんだって、こう秋になると行事が多いんだろうね」

正三「おまけに結婚シーズンでしょ」

福松「うん」

正三「まったく独り者(もん)は頭にきちゃうよ」

 

茶の間

畳を拭いている常子に「直也さん午前中は忙しくてダメね」と電話の前に来た和枝が話しかけ、お仲人のことやお式のことを向こうのお父様と相談しなくていいの?とたたみかけた。しかし今は毎日特別の注文が多くて忙しい。来月になると少し落ち着くから夜分に伺うと言う常子にお母さん1人で行かなきゃダメよと念を押す和枝。

 

医局

外来が終わってもう1時。直也は同僚医師に電話してから行くと言うと「よく続くよ。毎日飽きもせず」とあきれられる。看護師からは今夜、お宅のほうでお待ちしてますと女性から電話があったと伝えられた。

 

直也「彼女かな?」

医師「決まってるよ。電話なんか今日はやめとけ。つけあがるぞ」

直也「君の奥さんとは違うよ」

医師「何言ってるんだ、こいつ」

直也「彼女、電話の声がまたいいんだ」

医師「やめろったら。飯、飯。医長回診に遅れるぞ」

直也「そうか、残念だな」と受話器を置いた。

 

昭和のドラマは好きだけど、昭和あるあるの女をしつけるとかつけあがらせるなみたいな言葉は大嫌いだけどね。

 

谷口家茶の間

和枝は病院に電話をかけていたが、直也は不在で切った。「かわいそうね、もう1時なのに」

福松「こっちもやっと飯にありついたところだ」

和枝「お父さんは朝ご飯、すご~く食べるんだもの。平気よ」

福松「働きが違うよ。医者なんて楽なもんだ」和枝に茶碗を差し出す。

和枝「あら、外来には何百人も押しかけるんです」茶碗にお茶を注ぐ。

福松「ああ、そうですか」

 

直也がまっすぐ帰ると聞き、直也のうちへ行くと常子に言う和枝。

 

福松「親子で顔見たがってんだから。たまにはまっすぐ帰ってもらいたいね。両方電話ばっかりかけてたまったもんじゃないよ」

正三「旦那。まだ食べてんですか? さっさと片づけてくださいよ。手順が狂っちゃうよ、人手がないのにさ」

福松「分かってるよ」

正三「旦那ときたら一度座り込むと立てねえんだから」

福松「うるさい!」

お茶を吹き出す正三。

 

野口家

走って帰ってきた直也。玄関には女物の草履。

キクは急に映画が観たくなったと不在で、真っ赤なセーターと前掛けを当てている勉。

直也「なんて格好してんだ、みっともない」

 

勉「兄さんも気が多いね」

直也「冗談じゃない。和枝さん一筋だよ」と客間へ。

 

正弘の向かいに座っていたのは和服の葉子だった。病院に電話をしたのも葉子。一旦、部屋を出た直也は台所にいた勉に文句を言う。正弘も台所に来て直也に事情を聞く。葉子の話し相手させられたお父さんがかわいそう。

 

直也は葉子のいる客間に行き、和枝と婚約していることをようやく話した。葉子はおめでとうと言ったものの結婚なさったのとは違いますからねと気にしてない。

 

野口家の玄関のブザーを和枝が押した。(つづく)

 

「あしたからの恋」が好評で延長したのか、はたまた事情があって「二人の世界」の撮影が遅れていたのか?と勘繰るほど、急遽作りましたというような、ちょっと不自然な話だったな。葉子のことはもういいでしょ。それよりトシちゃんと修ちゃんが見たいのよ。

 

「おやじ太鼓」の第一部も全39話だから途中で延長が決まったんだと思うけど、26話はイネさん初登場、お敏さん不在、子供たちも三郎と敬四郎のみ出演と最終回っぽくないな。それより30話は洋二の絵本が出来て、高円寺のおばちゃんも一緒になってみんなで「おやじ太鼓」を歌ってて、最終回っぽく見えるんだよね。

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と思ったけど全26話が多い木下恵介アワーで「おやじ太鼓」の前の「もがり笛」が全13話で終了していて、前倒し的に始まったのかなとも思える。

 

おお~! 総合でも追悼作品やるんだ! これも傑作。