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【ネタバレ】土曜ドラマ 山田太一シリーズ 男たちの旅路 第2部 第2話 冬の樹

NHK 1977.2.12

 

あらすじ

女子高生の平山美子(竹井みどり)はテレビ局の駐車場でロックグループ(ゴダイゴ)に殺到したファンに押し倒されて意識を失います。軽い脳震とうのため吉岡(鶴田浩二)たちが自宅まで送ると、美子の父親(滝田裕介)は吉岡たちを非難します。翌日、吉岡は改めて謝罪に訪れますが、一方的に責任を押しつける父親を叱りつけてしまい、停職処分を受けます。ある日の夜遅く、美子は年上の男と酒を飲んだ帰りに吉岡を訪ねます。吉岡にいろいろと詮索されて、父にはない何かを感じます。

2023.5.19 BSプレミアム録画。

男たちの旅路

男たちの旅路

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テレビ局で警備をしている陽平(水谷豊)はテレビ局前にいる女の子たちからゴダイゴを待っていると言われ、ゴダイゴのことが分からない。吉岡も加わり、出待ちの女の子からゴダイゴのメンバーを警備する。

 

そんな中、1人の女の子が倒れてしまい、吉岡がお姫様抱っこで楽屋まで運ぶ。悦子(桃井かおり)も転んで手をついてケガをして、陽平や壮十郎(柴俊夫)が心配する。

 

目を覚ました美子は泣き出し、吉岡と壮十郎で自宅まで送る。美子の父・修一は怒っていて、吉岡が美子を軽い脳震盪だと説明しても信じず、別の病院へ行こうと言い出す。

 

レストランで待ち合わせていた陽平、悦子、吉岡、壮十郎。悦子は骨にヒビが入っていた。

 

小田社長(池部良)に呼び出された吉岡は、修一へと封筒を渡された。中身は3万円。修一はお金や果物の詰め合わせではなく、吉岡に誠意が見えないと怒っていた。吉岡は娘さんを叱りましたか?と娘さんに悪いところは一つもありませんか?と説教モード。巻き込まれた人にも責任がある。吉岡は警備士としてではなく個人として娘さんを叱りなさいと厳しく言う。

 

吉岡が美子の家を出ると、美子が走って追いかけてきた。助手席に乗り、あんたは悪くないと言って車を降りて行った。

 

吉岡の行動が問題となり、改めて社長と大沢司令補(橋爪功)が修一の会社近くの喫茶店に謝りに行ったものの、お金を受け取ってもらえず、吉岡を処分しろの一点張りで10日の停職となってしまった。

 

橋爪功さんは、その後「青春家族」(1989年)という朝ドラでやっとブレイクしたらしい。「はね駒」(1986年)の小林稔侍さんなどヒロインの父役などで中年以降に朝ドラでブレイクするパターンもまあまああるんだね。 

 

買い物をしている吉岡は大根を半分にして売ってもらえないかと八百屋に話しかけているが、断られた。昔は一人暮らしには厳しいなあ。悦子が吉岡のアパートを訪ねた。悦子のタメ口を注意する吉岡だが、悦子は平等だとか何とか言って変わらない。

 

美子もアパートを訪ねてきた。吉岡に謝り、父親の背中を蹴ってやったとすぐ帰ろうとしたが、悦子が悪いと思ってるなら、何か作ってよと追いかけた。カレーに上手い下手があるのねと笑う悦子。吉岡はたしなめながらもカレーを食べている。

 

美子を送る悦子は親に甘やかされている、親は子供に言い返されると自信がない、その点、吉岡は自信があると吉岡の魅力を語る。

 

陽平の勤務先に行ってしゃべる悦子。美子に恋人がいると言うと、陽平は男がいる奴が追っかけするわけないだろうと笑う。

 

スナックで待ち合わせた悦子、陽平、壮十郎。マスターの草野大悟さんは「岸辺のアルバム」では産婦人科医だった。

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悦子は美子に世界が広がるから遊びにおいでと誘ったが、美子は来なかった。陽子には袴田という年上の恋人がいて、スナックに行こうと誘うが、デート中に他の人に会うなんてとアパートのある西大久保に行こうとする。

 

美子が訪ねたのは吉岡のアパート。美子が酒臭いことを指摘し、バーに連れて行くのは年上の男だと指摘した。高校生同士ならスナックへ行くこともあるようなことを言っていて、「二人の世界」でもスナックは喫茶店風の店という位置付けみたい。私のイメージするスナックとは何か違うんだよな。

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吉岡の目の前で私服から制服に着替えた美子をタクシーで送った。正直に話しなさいと吉岡に言われた美子だったが、両親に叱られた美子は勉強してたと嘘の理由を言う。

 

翌日、美子の家に行った吉岡は母の京子(川口敦子)に美子が男と付き合っていること、迷っているから止めてやってほしいと話して帰った。

 

その夜、修一にバーに行くなんてスケバンと変わらない、真面目に勉強しないなら高校なんて辞めちまえと怒鳴られ、京子も高校だってタダじゃないんだしと2人で美子を責めた。

 

翌日、吉岡のアパートを訪ねた修一。美子が学校へ行かずに家出したと告げると、吉岡は家に行こうと言う。両親はお互い責任をなすりつけ合い、ケンカを始めた。吉岡は陽平たちに力を貸してくれるよう頼んだ。いいけど…と言い淀む陽平に俺が頭を下げて頼んだことがあるか!と逆ギレする吉岡。時々こういうとこあるね。

 

吉岡は美子の友人から男の住所を聞き出し、電話帳で調べた。うわ〜、今じゃできないね。西大久保のアパートを訪ねると、袴田が部屋を飛び出して逃げた。大乱闘に警察に捕まる吉岡たち。袴田は女子高生を十数人、売春させていて警察に張り込まれていて、袴田の部屋に美子はいなかった。

 

美子の家にいる吉岡たち。吉岡は美子が帰ってきたらどういう態度をするか修一に尋ねた。「頭から非難したかと思うと、たちまち卑屈な顔になる。生き方が決まっとらんから娘を満足に叱ることもできんでどなったり甘やかすことしかできんのだ」という言葉に壮十郎も陽平も思わず止める。

 

しかし、吉岡はこんなのが親だというのが我慢ならんと止まらない。叱ってやらなきゃいかん、抱きしめてやらなきゃいかんと言うが、こちらに失礼だと壮十郎が止める。昔のドラマは突っ込む人がいるのがいいね。

 

テレビ局の警備をしている陽平。ゴダイゴの歌唱シーンがたっぷり。美子はテレビの公開収録に来ていた。修一たちも連絡を受け、テレビ局のロビーで待つ。

 

収録が終わり、スタジオのひな壇に一人で座っている吉岡。悦子たちが来て、美子たちが泣きながら帰ったと報告した。ああいう娘さんが欲しかったんでしょ、今からでも結婚すれば?という悦子を止める壮十郎たち。(終)

 

吉岡に説教される親は40過ぎとすると昭和10年代生まれくらい? 「岸辺のアルバム」の謙作、則子くらいの年代か。戦争は経験してるけど子供だった世代。バリバリ兵隊に行ってた世代からすると、子供に甘く見えたのかもね。

 

しかし、若者たちは吉岡を古臭いと言いつつ、尊敬もして、しかし、盲信的ではないところがいいね。

冬の樹

冬の樹