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【ネタバレ】土曜ドラマ 山田太一シリーズ 男たちの旅路 第1部 第2話 路面電車

NHK 1976.3.6

 

あらすじ

島津悦子(桃井かおり)は、自殺しようとして吉岡警部補(鶴田浩二)に命を救われて、吉岡らが勤める警備会社のガードマンになります。悦子と柴田(森田健作)は吉岡に連れられてスーパーマーケットの警備に就き、万引きして逃げた女を捕まえます。ところが、悦子は女の身の上話を聞くうちに同情して逃がしてしまいます。犯罪を許さない吉岡は悦子から住所を聞き出して、女を警察につき出します。悦子と竜夫、陽平(水谷豊)は吉岡に反発して仕事を辞めると言い出します。

2023.5.12 BSプレミアム録画。

男たちの旅路

男たちの旅路

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スーパー

監視カメラで見ている後藤(前田吟)と聖子(五十嵐淳子)は勘定場に行かない女性を捕まえる。レジを勘定場という人初めて見た。

 

競馬場

杉本(水谷豊)は競馬に夢中。なんと柴田(森田健作)と競馬場の警備中だったのか! 杉本と柴田の前に悦子(桃井かおり)が現れた。母と吉岡にお礼を言いに来て、その後、杉本たちの元へ自主的に来た。

 

すき焼き屋で食事する杉本たち。悦子の母は錦糸町で男と暮らしていて、父親は他界している。食事せずタバコをスパスパの悦子。会社とアパートの行き来で嫌になってしまった。悦子は杉本たちにガードマンになれないか聞く。

 

柴田が吉岡に聞くが、悦子はガードマンに向かないとはっきり言う。

 

スーパー

支店長(庄司永建)からガードマンを入れてから万引き犯は多く捕まえられたが、損害額は増えていると指摘された。後藤の他の女性3人は制服を着てないガードマンだったのか。支店長にちゃんとボディーチェックしてるのかと疑われる。

 

仕事帰りの吉岡のアパートについてきた悦子。タイムスイッチで炊けたご飯をすすめる吉岡に悦子は家事をしているのかあれこれ質問する。なぜガードマンになりたいのかという吉岡の問いに吉岡ら男たちが必死になって自殺を止めてくれたことがよかったと話した。

 

吉岡は悦子がフニャフニャしていて向かないというが、1週間の研修を受けるようにいう。タメ口の悦子に注意し、男が食事の用意をしていたら、手伝いますや私がやりますと言えと言う。うーん、タメ口は仕方ないけど、後半は同意しかねる。勝手に招待しといてさ。

 

柴田のアパートに来ていた母(久我美子)にそれとなく吉岡のことを尋ねるが、覚えがないという。

 

昼間、悦子の研修を見に来た杉本、夜は休日の柴田が制服を着て悦子に会いにきた。吉岡も訪れ、次の職場に悦子と柴田を誘った。

 

スーパーで仕事の引き継ぎ。女性ガードマンの沢(木村有里)から後藤が一人制服姿だったことを突っ込まれるが、監視カメラを見ていることが多かったのと支店長から制服姿じゃないと警備員を雇ったように見えないと言われていたと返した。

 

監視カメラから万引き犯らしき女性を見つけた。聖子が行こうとするが止められ、悦子が私服に着替えて店内を歩く。こうして歩くところを見ると桃井かおりさんは他の女性たちより長身だな。吉岡にはギラギラしていて逆に怪しいとハラハラしながら見守られるが、だんだん上手くなってきた。

 

蝋人形展の警備をしていた杉本は子供を驚かせて泣かせたりして注意を受けた。翌日は聖子も警備につき、杉本は張り切るが、私は不真面目な人間は嫌いですと言われた。

 

悦子は万引き犯じゃない女性に声をかけてしまい、支店長から怒られた。支店長は客商売なので盗られた方がマシという考えで1,000円の菓子折りで済むかなと暗に金銭を要求した!?

 

吉岡は柴田をアパートに誘う。柴田が高卒で就職した時、大学に進学させたがっていた母はがっかりしていた。母が嫌いで一番堪えることをしてやろうと思ってやったと語る。なぜ母親が嫌いなのかという吉岡の問いに答えようとしなかったが、父が酒飲みで肝臓で亡くなったのは、母が父を愛してなかったからだと言って帰った。

 

スーパー

監視カメラを見ていた吉岡は悦子に休憩を打ち切って万引き犯を追うように指示する。かなり手慣れていて、レジで多少お金を払って出て行った。

 

悦子は店の外に出た万引き犯を追う。買い物袋抱えてるのに逃げ足早い。

 

追い詰められた万引き犯の昌子(結城美栄子)は人権問題だと騒ぐが、悦子は店まで来るように言い、歩いているうち、悦子はお茶に誘う。結城さんは桃井かおりさんが母方のいとこで親戚。へ〜。

 

茶店

夫、手取りで80,000円。昌子はパートで15,000円。スーパーに行けば2,000~3,000円すぐなくなってしまう。スーパーに行くぐらいしか楽しみがなく、子供は絶対連れて行かない。子供は1歳半でおばあちゃんに預けている。万引きが成功して帰ってくると、体がほぐれる。病気なのよねと自分で何度も言う。えらいことになっちゃった、母親が前科者なんて…と泣く昌子に悦子は一人で帰ってきた。

 

警備室

犯人を逃したと言う悦子に理由を聞く吉岡。腕を捻じ上げた時にこんなことできる柄かよと感じ、喫茶店で理由を聞くうち、逃してしまった。吉岡は悦子に聞いた住所の元へ行こうとするが、悦子も柴田も仕事を辞めると反発。「物事の善し悪しが分からないやつは辞めてもらおう」と吉岡は言う。

 

吉岡が昌子を警察に突き出した後、バーで荒れまくる悦子、柴田、杉本。杉本もガードマンを辞めると言い出す。

 

警備室

わざわざ吉岡の元に来て想像力がないと怒る杉本に恋人や親が殺されたらどうする? 想像力とやらで許してやると言うのか? お前らは自分が被害を受けない時だけ想像力とかなんとかぬかすんだ。周りでワイワイ騒いでいるだけだ。人を裁く勇気がないんだ。人に裁かせて裁いたやつを非難してるだけだ。お前ら程度の想像力なら持ち合わせている。本当に敵と立ち向かったことがない。人がいいだけでは社会は保っていかれないなどと言って聞かせるのだが、吉岡の言葉は杉本に届いておらず、出て行ってしまった。

 

路面電車に乗って帰った吉岡のアパートの前に柴田の母・裕子が「お久しゅうございます」と待っていた。

 

バーで腑抜けになっていた杉本たち。ファッショの中年の俗物の単純野郎のわからず屋の暴力野郎の…と杉本が言い、柴田が戦中派の説教好きのええ格好しいの特攻隊野郎などと話していると、隣のサラリーマンに俺、特攻隊野郎だよと絡まれ、店内乱闘。まだ戦中派がサラリーマンやってる時代か。鶴田浩二さんは当時51歳。

 

吉岡と裕子はアパートから歩いて路面電車を見ていた。(つづく)

 

吉岡の説教がズシーンと来る。昌子は病気だと言ってるんだから捕まってよかったと思うけどな。