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【ネタバレ】土曜ドラマ 山田太一シリーズ 男たちの旅路 第1部 第1話 非常階段

NHK 1976.2.28

 

あらすじ

吉岡晋太郎(鶴田浩二)は特攻隊の生き残りで、若者が好きではありません。いまは警備会社でガードマンをしています。司令補である吉岡の下に柴田竜夫(森田健作)と杉本陽平(水谷豊)の2人の新人が配属されます。3人が警備するビルは自殺の名所として有名な高層ビルでした。ある夜、自殺しようと若い女がビルに侵入しますが、吉岡に止められます。吉岡は死に損なった女と2人の新人を前にして、ギリギリに生き抜いてきた戦時中のことを語り始めます。

2023.5.12 BSプレミアム録画。

 

鐘が鳴って、夜の銀座の電光掲示板に“土曜ドラマ”の文字が流れる。

 

高層ビルから飛び降りる若い女性と競技場を走っている男女。

男たちの旅路

男たちの旅路

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サントラがあった。

 

警備士の訓練のために走ってたんだね。制服に着替えている間にケンカになる杉本と柴田。水谷豊さん演じる杉本陽平が字幕緑で森田健作演じる柴田竜夫が水色。

 

ドラマが始まって10分近く経って主人公の鶴田浩二さん演じる吉岡晋太郎登場。字幕黄色。

 

研修を受ける杉本たち。指導役の後藤士長は前田吟さん。ま〜、よく見るね。全然顔も変わらない。

 

研修中に吉岡が来て、杉本や柴田など6人に自分を取り押さえるように言う。ナメてかかった杉本だが、吉岡はかなり強く、杉本たちはコテンパンにやられて医務室で後藤士長に文句を言いまくる。吉岡は普段はおとなしいのだが、時々人が変わったように暴れる、以前も5人に同じことをして辞めさせた、若い人が嫌いなんだと後藤は言う。しかし、杉本も柴田も辞めなかった。

 

あるビルに配属された杉本は監視カメラで後藤や斎藤司令補(中条静夫)から見られているのも知らず、雨の中の警備中、タバコを吸ったり、立ちションしたり…。

 

一方、柴田は巡察指導していた吉岡に褒められるほど真面目に仕事していた。敬礼も照れもなくやれているという吉岡の言葉に兵隊ごっこみたいだと返す柴田。吉岡は柴田が母一人子一人であることを知っていて母を気遣う。雨の中、警備をする柴田の姿から雨の学徒出陣の映像が流れる。

 

完成して4ヶ月足らずのエンペラービルに配属された柴田と杉本。配属先には吉岡がいて屋上で説明を受けた。自殺者が3人も出ているので、夜、自殺者が出ないように見張りをする。

 

夜、警備室にいる吉岡と杉本。お調子者の杉本の軽口に怒る吉岡。

 

5日目。仮眠している柴田にしつこく話しかける杉本。柴田は起きて、杉本からタバコをもらって話し始め、制服着たり、敬礼したりが気持ちがいいと語る。

 

雨の夜。杉本が「こんな夜に自殺する奴はいないだろう」と大きな独り言を言っていると、人影が…吉岡が姿を現し、杉本はびっくりする。

 

吉岡の仮眠中、柴田が紅茶を出した。警備室の外から「こら! 待ちなさい!」という杉本の声。慌てて警備室を飛び出すと杉本の狂言で吉岡に殴られた。

 

杉本は自殺する人なんていないと巡回も適当でいいと言い出し、また吉岡を怒らせる。柴田が自殺する人を止めるといつになく真剣なので「死のうとしたことがあるのか?」と聞く杉本。吉岡も「死のうとしたのはお母さんじゃないのか?」と尋ねる。

 

ビルの階段を女性(桃井かおり)を上がっていた。杉本はまた吉岡だと思い、警備室に怒鳴り込むが、吉岡も柴田も部屋を出ておらず、三手に分かれて探す。杉本が25階に女性を発見し、大声で吉岡たちを呼んだ。「若い女! 大柄!」と杉本が言うので、桃井かおりさんの身長を調べたら162cm。何となく桃井かおりさんは平均身長くらいかと思ってた。

 

32階で女の靴発見。吉岡と柴田は屋上へ。後藤も応援に来た。

 

吉岡が窓拭きのゴンドラに腰掛けている女を発見。桃井かおりさん演じる島津悦子はゴンドラを動かして電源を入れるように吉岡に言う。「死ぬ時ぐらいおとなしく死にたくないの!」と叫ぶ悦子。吉岡は説得を試みる。若い女性だと「恋愛かな?」と言うの、今もかな?

 

死にたいと言い続ける悦子に30年前の戦争では…と言いかけ、杉本に今の人間にそんなこと言うなと反発される。柴田は死にたければ死ね!とキレるが、吉岡は人助けのためじゃなく、このビルで自殺者を出さないという契約で仕事だとはっきり言う。

 

ゴンドラから落ちかけた悦子をゴンドラの中へ引き入れた吉岡は悦子を何度も殴る。ひー! 中年男に何度も殴られたくない。

 

悦子は他の警備員に引き渡し、吉岡は杉本と柴田に自分が経験した戦時中の体験を語り始めた。明日確実に死ぬという特攻隊と過ごした日。俺は若い奴が嫌いだと繰り返し言う。明日、勤務を変えてやろうという吉岡に杉本も柴田も拒否。杉本は、あんたのことは嫌いじゃない、中年にしては歯応えがあると上から目線で語る。

 

勤務に戻った柴田が締めのナレーション。柴田の母と吉岡は何か関係があるらしいことや杉本の過去、悦子との再会を匂わせるなと次への繋ぎが上手いね。

peachredrum.hateblo.jp

山田太一さんと鶴田浩二さんというと「シャツの店」もよかった。

 

まとめて3話の放送だけど1話ずつ見ていこう。