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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(109)「カーテンコール」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

畑山(平泉成)が「上方文化」の廃刊を決めたことを町子(藤山直美)に告げる。そして娘の結婚式の招待状を渡す。一方、独演会を終えた笑楽亭米春(小島秀哉)が、健次郎(國村隼)の診療所を訪ねる。心おきなく入院する覚悟ができ、そして正直に病名を教えてもらったことを感謝する。また、目が悪くボヤを起こした実家の父のところへ帰っていた純子(いしだあゆみ)が、徳永家に戻り、父の様子を町子たちに報告するのだが…。

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「笑楽亭米春・独演会」

地鳴りのように笑いが響く

 今回の「らくだ」はこれまでの芸の神髄を極めた出来映えで、間違いなく笑楽亭米春の噺家としての句読点となる名演。満席の場内に地鳴りのように笑いが響いた。(評論家・山岸 徹)

 

茶の間

健次郎「『今回の『らくだ』は、これまでの芸の神髄を極めた出来栄えで、間違いなく笑楽亭米春の噺家としての句読点となる名演。満席の場内に地鳴りのように笑いが響いた』」

町子「落後の独演会?」

健次郎「うん? うん」

町子「何かこないだからものすごう落語のこと気にしてるみたいやけど何かあったの?」

健次郎「うん…うん、うん、うん」

町子「うん?」

健次郎「うん?」

 

リアルに昭和45(1970)年に作られたドラマだったら、健次郎は米春本人に告知しなかったかもしれないし、町子にも患者の情報をしゃべってたかもしれない。こういう所が2006(2007)年に作られたドラマだなと感じる。今と価値観が近い。昔はもっと緩い感じがする。

 

病気のことじゃないけど、今、「岸辺のアルバム」(1977年)の再放送を見ていて、割と個人情報を簡単にペラペラしゃべりまくってるから、余計そう感じる。まあ、でも今に価値観をさらに近づけたら健次郎さんはもっとこまめに家事を手伝う男になってかもしれないけどね。

 

応接間

畑山「あ~、すいませんね、忙しいのに」

町子「いいえ」

畑山「いや~、こないだは楽しかった。あそこの関東煮きうまいですね」

町子「あ~、喜んでいただけたらよかったです」

畑山「もっと早く呼んでくれればよかったんですよ」

町子「え?」

 

畑山「実はね、今日、あなたにお話があって来ました」

町子「はい」

畑山「『上方文化』廃刊決めました」

町子「!」

 

畑山「いろいろ当たってみたんですがね…残念ながら駄目でした。万策尽きました」

町子「ちょっと待ってください、畑山さん。何か方法が…」

畑山「いや…」

町子「いや、そやから何かいい方法を探して。ねっ」

 

畑山「花岡さんね…僕がなぜやめる決心ができたか分かりますか?」

町子「いいえ」

畑山「こないだの花岡さんです。若い時から知ってる花岡さんにここまで心配かけてると思ったら『あっ、今が潮時だな』って、ふと気付いたんです」

町子「え…」

 

畑山「あなたに呼び出された時ね、あなたが何を言おうとしてるのか分かりました。なかなか言いだせずにいるのも見てとれました」

町子「畑山さん…」

畑山「うれしかったし…あのね、喉から手が出るほど助けが欲しかったんですが、そうしてしまったら自分の中の大切な柱が崩れてしまうような気がしたんです」

 

町子「やめるて…亡くならはった奥さんと一生懸命作らはった雑誌やのに」

畑山、何度もうなずく。「まあ、しかしね、今が編集者としての引き際だと思ったんです」

町子「引き際?」

 

畑山「あなたのおかげでこんな気持ちになれました。ありがとう、花岡さん。あっ…。いや、それからね、再来月なんですが、娘の結婚式があるんですよ。よかったら是非出席していただけませんか?」

町子「畑山さん…」

畑山「ハハハハ!」

町子、うるんだ目で笑顔を見せる。

 

そして、その午後

 

診察室

米春「おかげさまで無事に終わることができまして、これで心おきのう入院する覚悟ができました。今日は私、先生にお礼を申し上げに参じたんです」

健次郎「お礼?」

 

米春「ほんまによかったと思っております。正直に病名教えてもろて…。いや、これが最後の高座になるかもしれへんと思て、腹をくくって上がることができましたんや。『らくだ』お客さんよう笑てくれはりましてね。お客さんと自分とのこの気持ちのやったりとったりがそら気持ちよかった! それでサゲが済んで囃子が聞こえてきた時に私思いましたんや。『これで終わりや』と思てたのに不思議なことですな。『いやいや、これで死んでたまるかいな』。ちゃんと病気を治してまた必ず高座へ上がらしてもらいます。まっ、こればっかりは神さん次第ですけどな」.

健次郎、笑顔。

 

米春「(立ち上がって)ほんとにありがとうございました。ほんまのこと教えてもろたこと感謝してます」頭を下げる。

健次郎「あ…いえ。あの…米春さん、明日ちゃんと病院行ってくださいね。私が今、最も信頼している外科医のいる大学病院の紹介状用意してますから」晴子のこと!?

米春、うなずく。

健次郎「聞きたかったです。僕も行ったらよかったな」

 

米春「(再び着席)また一門会へ来てください。うちの米三郎、最近、ようなってますね。見てやってください」

健次郎「へえ、米三郎君が…」

米春「あ、そや、聞いてまっせ」

健次郎「え?」

 

米春「先生とあいつお知り合いやったそうですな」

健次郎「あの鹿児島でね、子供時分に」

米春「あいつ…ほんまに落語が好きでね。いや、まだまだでっせ。けどまあ、素直なだけが取り柄ですわ」

健次郎「昔から素直な子です。釣りもね、初めは彼が一番下手くそやったんやけども、結局は一番上手になりました」

米春、感心したようにうなずき、笑う。

 

たこ芳

健次郎「結婚式の招待状か…」

町子「畑山さんね、娘さんに聞かはったんやって。『無職の父親でええか?』って。そしたら娘さんがね『間もなくおじいちゃんというやりがいのあるポストが待っていますから』て」

健次郎「言うねえ!」

 

町子「初孫の世話している畑山さんも見たいけどね…。『これからはね、自分の好きなことを書いていきます』って言うてはった」

健次郎「ほな、商売敵やがな」

町子「そうや! あら?」りんに笑いかける。

 

りん「あ、いらっしゃい!」

 

健次郎「おう…」

米三郎「こちらやと伺いましたもんで」

 

健次郎の隣に座る米三郎。「おかげさんで昨日から入院してます」

健次郎「で、具合どないや?」

米三郎「はい、やっぱりちょっと疲れが出たみたいで…。けど、先生にはほんまに感謝してました。ほんま、ありがとうございました」

健次郎「いえ」

 

米三郎「師匠ね、『必ずもういっぺん高座に上がるんや』て言うてくれはりまして、その時には見に来たってくれますか?」

健次郎「うん。もう、その時は是非」

米三郎「私もね、その時まで毎日毎日稽古つみます。師匠ね、私に昨日そばへ呼んで『来年、いっぺん「らくだ」やってみいへんか』て」

健次郎「え~っ!?」

町子「あの大ネタを?」

 

米三郎「『稽古つけてやる』て言うてくれはったんです」

健次郎「よかったな~!」

米三郎「はい!」

 

そして翌日の土曜

 

茶の間

健次郎が新聞、清志が本を読み、由利子が食事の支度をしている。

 

応接間

亜紀がマイクを持って自ら拍手して登場。健次郎たちはうれしそうに振り向いて拍手をする。

亜紀「♪花嫁は夜汽車にのって」

花嫁

花嫁

清志「お気に入りやな」

亜紀「♪とついでゆくの

あの人の 写真を胸に 海辺の街へ」

健次郎がそっと涙を拭いてるのを見た由利子は笑いをこらえる。

 

台所

由利子「泣くわ」

町子「え? 何が?」

由利子「お父ちゃん、私の結婚式の時、絶対泣くわ」

町子「心配せんでもね、おばちゃんも泣くわ」

由利子「え~っ? なあ。今日は大根だけ?」

 

町子は大根の皮をむいていて、輪切りの大根と皮がある。「何をぜいたくなこと言うてんの。お大根てね、捨てるとこがないねんよ。今日は、お大根1本使い切りメニューを由利子ちゃんに教えてあげましょう。よう覚えとかなあかんよ」

由利子「はい」

 

町子「これね、こうやって、お大根をね、ごっつく切りまして、こうやって面取りしたでしょ、こうやって。これをこのまま炊くんですよ」

由利子「何と炊くの?」

町子「今日はね、豚のバラ肉と炊きます。その前にこのお米のとぎ汁でこれをゆでます」

由利子「何でそんなんで炊くの?」

 

町子「お大根がものすごくやわらかくなるからですよ。だし汁の中にさっきのお大根入れまして、豚のバラ肉をこうやってね。で、そのあとに薄口のおしょうゆとみりんと、それからお塩とお酒とで味付けをしまして、1時間ほど落とし蓋をしてゆっくり煮込みます」

由利子「へえ~! なあ!」

町子「うん?」

由利子「大根の頭の部分は?」

 

町子「いつもはね、お大根おろしにするんやけど、そう…今日、サラダにしましょうか?」

由利子「私、やる!」

ボウルに細切りの大根。

町子「サラミソーセージとかいわれ大根足しまして、それにですね、はい、これもちょっと混ぜてって、お塩。はい、お塩。お塩をね、適量。はい、それからこしょうを入れます。よろしいですか。これぐらいかな。はい、それからレモン汁をそれにもう一つ足します。は~い、これでさっぱりとしたサラダの出来上がりです」

 

町子「大根の大阪漬けです」

由利子「へえ~!」

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町子「はい、これで大根1本使い切りました!」

由利子「すご~い!」

 

茶の間

テーブルに数々の大根料理が並ぶ。おいしそう。

健次郎「うん! この大根、うまい!」

由利子「私も一緒に作ってんよ!」

健次郎「へえ~!」

 

亜紀「お姉ちゃん、花嫁修業してんの?」

由利子「あんたどこでそんな言葉覚えたん?」

清志「亜紀もお見合いするか?」

聞かれた亜紀は、清志にピースサインで応答。かわいい。

健次郎「アホ! 早すぎるやろ、それは!」

 

純子「ただいま戻りました!」

町子「お帰りなさい!」

純子「すいません、お食事中」

健次郎「いえいえ」

 

純子「あの、先ほど帰ってまいりました。ご迷惑をおかけいたしました」

町子「で、お父さん、どないでした?」

純子「いや、それが行ったら何だか機嫌がよくて…。おかしいと思って、いろいろ問い詰めたらボヤも大したことなかったみたいなんです」

町子「は?」

 

純子「目の具合も聞いてたより悪くなくて…」

健次郎「うん? つまり、あんたに来てほしかったっていうわけや」

純子「はあ~、そういうことみたいでした」

町子「けど、よかったですね」

 

純子「でも、困った父です。で、何を思ったのか『お前は結婚しないのか?』とか『お見合いをするか?』とか言い始めて…」

町子「ふ~ん。やっぱり心配してはるんですね」

純子「『親に心配かけるな』なんて言うんですよ。自分がさんざん心配かけといて。先生たちにまで…。ほんとに申し訳ございませんでした」

町子「いえいえ。けど、何事もなくてよかったですね」

純子「はい」

 

鯛子「あの~」台所から登場。診察室と廊下でつながってるんだっけ?

町子「あら?」

健次郎「どないした? 鯛ちゃん?」

鯛子「診察室に忘れ物したんで取りに来ました。明日、映画見に行こと思てんのに前売券忘れて帰って」

 

健次郎「あ~、こないだ見合いした人と?」

鯛子「いえ…。あの人とはもうおつきあいしてません」

健次郎・町子「は?」

鯛子「ええ人やったんですけど、私とは合わへんことが分かったんで早めに切り上げました」

健次郎「切り上げ…」

鯛子「ほなお疲れ様でした。失礼します」

 

町子「あっ、鯛子ちゃん、お昼ごはんまだでしょ」

鯛子「はい」

町子「食べてったらどない?」

鯛子「ええんですか?」

町子「ええて。何、遠慮してんの? 食べていき。なっ。はよ、食べよ食べよ」

 

徳永医院

「本日休診」の札がかかる。

 

洗濯物を畳む町子と縁側で空を見上げる健次郎。

健次郎「『鞍馬より 牛若丸が出でまして 名も九郎判官』」

町子「『義経 義経』」

健次郎「今度、米春さんが舞台上がらはる時、2人で行こか?」

町子「連れてってね」

健次郎「うん」

 

来週は「ここに花咲く」

・晴子「由利子は長女やねんよ、徳永医院継いでもらわんと」

健次郎「あいつが『なりたい』て相談してきたら考えてもええな」

 

・純子「由利子ちゃん、成績いいですもんね」

 

・由利子「洋服のデザイナーとか」

「デザイナー!?」

デザイナー?は高田聖子さん。「やんちゃくれ」では小西美帆さんのお姉さん役。ドラマの内容は全然覚えてないんだけど、高田聖子さんは「やんちゃくれ」で知ったような気がする。

 

・タエ「エディー…」

エディ「ハロー」

エディーはチャド・マレーンさん。今はコンビ名がチャド・マレーン!? はあ?

 

・りん「ああ、びっくりした!」

 

・健次郎「分かってんのか?」

 

・町子「あんた、ええもん見つけたんやね!」

 

ミニ予告

徳永医院を出た健次郎。

「キャ~! エディー!」という若い女性に声に驚く。

 

うまくまとまるね~。鯛子さんも変化球で面白いね。モテるだろうしね。大根もおいしそう。当時ボロクソに言われたというネット記事を捜そうと思ったけど、意外と残ってないというか探しきれない。

 

設定は悪い意味で気になるけど見てみようと思います。