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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (114)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

昭和21年秋。人の役に立つことに目覚めたマリ子(熊谷真実)は、はる(藤田弓子)が引き受けた裁縫の仕事など、手当たり次第に飛びつく。そんな中、空襲の時に避難してきた昌枝(中西妙子)と、その夫の森田(高原駿雄)がお礼にやってきた。近々東京に引っ越す予定の森田は、従弟も東京で出版の仕事をしていると伝えて帰っていく。数日後、朝刊には塚田から磯野姉妹宛てに、仕事の依頼をしたいという広告が載っており…。

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マチ子は漫画を描き、マリ子も何か作業している。マチ子の電気スタンドでマリ子の手元が隠れてる演出、うまいな。

 

昭和21年・秋

サザエさん」好評のうちに約半年がたちました。

 

マリ子は青い布地に型紙を当て、「あら、こっちか」などと独り言を言いながらやっている。マチ子はそんなマリ子の様子が気になる。

 

マリ子「あっ、しまった!」と大きな声を出すので、マチ子が近寄ると、裁ち間違えたと慌てていた。

マチ子「知らないわよ、人様が大事に大事に取ってた布地じゃないの。それを…」

マリ子「あっ! これでよかったんだ!」

マチ子「えっ?」

マリ子「ごめん、私の勘違い! あ~、助かった! 勘違いの勘違いでへんてこりんに裁ち直さなくてよかった。そう、これでいいんだわ。そうそう…これでいいのよ。うん!」と一人納得し、♪赤いリンゴに唇よせて~と歌いだす。

 

マチ子がまた作業に戻ろうとすると、「あっ!」とまた大声のマリ子。「アハハハハッ! バカね~、私って。お袖は2枚あるんですものね。重ねて裁てばいいものをご丁寧に一枚ずつ裁ってたわ。フフフフッ、嫌になっちゃう! ウフフフフッ!」

 

マチ子はたまらず退散。

マリ子「凝り性のくせに意外と根気がないのね、あの子」

 

1階に下りてきたマチ子を横目にお茶を飲むはる「また始まったのね」。

マチ子「えっ?」

はる「またまた大難産のようですね。でも期日だけは…」

マチ子「いえいえいえ。あさっての分の案を考えているところです」

はる「まあ、それは手回しのいいこと」

マチ子「とんでもない。マー姉ちゃんと一緒にいると仕事にも何にもなりません。第一心臓に悪いです」

はる「なんて大げさなんでしょう」

 

急な大声は苦手だから大げさとは思わない。

 

マチ子「だって考えてよ。当節、闇市に行ったって純毛の布地なんか手に入らないじゃないの。誰かが大事に大事にしまっておいたものかそれを大変なお金で譲り受けた品でしょう。『洋裁引き受けます』なんてどうしてお母様反対なさらなかったの?」

はる「だってマリ子がやりたいって言うんですもの」

マチ子「だからって洋裁学校なんか行ってないんですよ、マー姉ちゃんは」

 

はる「でもほら、この間、大村さんのワンピースとっても喜んでいただけたじゃないの」

マチ子「あれは奇跡よ。無事にお袖が2本ついてたこと自体まさに奇跡です」

はる「変な子ね。腕は2本あるんですからね。袖が2つあるのは当たり前じゃありませんか」

マチ子「そんなこと言ってるんじゃないの」

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マリ子は東京に来てすぐ、三郷さんに手配してもらってミシンを購入して、自分でブルーズを作ったりもしてるからまるっきり心得がないわけじゃないけどね。

 

はる「いいじゃありませんか。あの子は何かをやってることが好きなんだから」

マチ子「だって程度の問題でしょう。何でもかんでも手当たり次第、飛びつくなんて」

はる「それは言い過ぎですよ、品の悪い」

マチ子「だって…」

 

千代「いいえ。うちには分かるような気がします」

マチ子「お千代ねえや…」

千代「マリ子お嬢様は昔っから走ることが大好きでした。あっという間に走り出しよんしゃったですよ」

はる「ええ」

 

千代「ヨウ子お嬢ちゃまのお体もよくなられたし、マチ子お嬢ちゃまも立派なお仕事をお持ちだし、ホッとした途端、何か夢中で走り続ける道がのうなってしまったんじゃないかしら」

マチ子「だってそれならそれでいいじゃないの。今更ジタバタすることはないのよ」

千代「ばってん、毎日言いよんしゃるですよ。無性に何かしたか何か体ごとぶつかっていくことをしたかって」

 

はる「それはその時が来れば神がお与えくださるってちゃんと言い聞かせてあるのに」

マチ子「貧乏性なのか働き好きなのか」

はる「少しはマチ子と分け合ったらいいのにね」

マチ子「えっ?」

 

磯野家を訪ねる者がいた。

森田「あの、私、森田と申します。奥様はご在宅でしょうか?」

 

後で思えば、見知らぬこの夫婦の来訪がまたまたマー姉ちゃんの人生に大きな転機を与えることになるのですが…

 

はる「さあさあ、どうぞお当てになってくださいませ。さあどうぞ。それでは頂戴いたします。まあ、さようでございましたか。それではあの時の」

昌枝「はい、お言葉に甘えて3晩もごやっかいになりましたとですよ」

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多分頭に血のにじんだ包帯を巻いていた女性で、お産の時はお湯を沸かすのを手伝ってくれた。

 

はる「いいえ。もう何せごった返しておりまして不行き届きで申し訳ございませんでした」

昌枝「とんでもございません。まあ、けがをしてひどい格好でこの辺まで逃げてきました時にはもう生きた心地もなかったとです。こちらで声ばかけていただいた時には本当に地獄で仏に出会った思いがいたしました」

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このドラマでも時々出てくるけど、「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」が正しい表現らしい。

 

はる「いいえ。焼け残った者には当然の務めでございますわ」

森田「いえ、当時、私、台湾におったとです。福岡がさんざんやられたというニュースにこれのことは半分はもう諦めとったとですよ」

はる「まあ…」

森田「去年の暮れに無事帰国してきましたところ、まあうちは焼けちょりましたが家内が元気でいてくれて、もう空襲ん時にお宅にえらいお世話になったことを聞きましたもんで」

はる「いいえ。決してそのようなことは…」

 

森田「いやいや…家内はご恩は一日も忘れたことはなかと言うとりますけん。しかし、私が帰国してからすぐにお礼に伺う余裕がなかったもんですけんね」

はる「それはしかたございませんわ。その日その日のことで精いっぱいで私どももあちらこちらに不義理を重ねているのでございます」

昌枝「そしたら、ほれ、あの『夕刊フクオカ』に『サザエさん』ば描いとんなさる磯野マチ子さんいうんは、もしやこちらのお嬢さんではなかとやろかと新聞社に伺いましたところ」

まあ、昔はそれで住所名前が簡単に分かるよね。

 

はる「はあ、何やら未熟なものでお目を汚してるようでございます」

昌枝「いいえ、もう大変な人気でございますとよ。それでまあお祝いを兼ねて是非あん時のお礼に伺わねば私ども一生恩知らずで通すことになりますけん」

はる「まあそれでわざわざ」

2人「はい」

 

森田「実は近々東京に引っ越しますもんで」

はる「はあ、東京へですか」

森田「はい。もしもあちらの方へおいでの節は、今度は私どもがお役に立たんといかんですけんね。あっ、住所は?」

昌枝「はい」

森田「(昌枝から受け取った紙を広げて)あの…ここですばい。私は機械の方をやっとりますが、私のいとこがですね、出版関係におりますもんで」

はる「はあ、出版ですか」

 

森田「はい。お嬢様が絵ばおやりになるそうですけん、紙のことなどでお役に立てるかもしれません」

はる「はい。もしそのような時はどうぞよろしゅうお願いいたします」

森田「はい。もう、こん男は私が随分と面倒ば見てきましたけん、私らがお世話になった方だと言えば、もう嫌とは言えんはずですばい」

はる「はい」

 

千代がお茶を入れているところにマリ子が来た。

千代「どうやら空襲ん時にお世話した方らしいんですよ。ご夫婦おそろいで」

マリ子「へえ~、ご丁寧な方なのね」マリ子がお茶を持っていくことに。

 

昌枝「そげんいえば、あん時、ここでお産をなさったごりょんさん、その後、元気でおりんしゃるですか?」

はる「はい」

昌枝「まあそれは」

 

マリ子がお茶を出しながら「トミ子さんなら元気です。赤ちゃんもそろそろつかまり立ち始めている頃ですし」

昌枝「そげんいえば、あん空襲からもう1年になるとですね。まるで死んだごとあったうちがあんお産でほんなこつ元気づけられたとです」

マリ子「本当にそうでしたわね。トミ子さんも頑張ったし、お産婆さんのおばあちゃまも皆さんも本当に一生懸命力を合わせて…」

昌枝「はい。あん産声ば聞いた時には、どげんしても生きていかないかん。そう思ったとです。あっ、まあこれはその節はほんなこつお世話になりました」

 

マリ子「いいえ、とんでもございません。『袖すり合うもこの世の縁』と申しますでしょう?」

はる「まあ…それを言うなら『他生の縁』と言うんですよ」

マリ子「ええ、そうですよ」

 

昌枝役の中西妙子さんはwikiを見ると、声優として有名な方で「小公女セーラ」のミンチン院長…えー! セーラの島本須美さんも出演してたし、「マー姉ちゃん」すごいや! つながりはないけど東京で会うことないかな。

 

さて、森田夫婦の訪問があった数日後の朝です。

 

家の前を掃いているマリ子。散歩から帰ってきたはるとヨウ子。

はる「まあ、近頃はヨウ子の足がすっかり速くなってしまって、お母様の方が息が切れるくらい」

マリ子「しかたありませんでしょう、お年ですもの」

はる「まあ!」

 

新聞少年「おはようございます!」

マリ子「おはよう! 今日も元気で陽気に生き生きとまいりましょう!」

新聞少年「はい!」

はるたちは新聞を受け取って家に入っていき、マリ子は「あ~あ、今日は一体どんな生き生きとしたことが会いに来てくれることやら」と掃除をしていると、家の中からマチ子の「マー姉ちゃん!」という声が聞こえた。

 

マチ子「大変! 早く来て、マー姉ちゃん!」という声に慌てて家へ。マチ子が新聞を読み上げた。

 

磯野マリ子さん

磯野マチ子さん

 仕事を依頼したし 

 至急連絡を乞う

  陽談社

   塚田編集長

 

マリ子はまた大きな声で騒ぎ、マチ子と抱き合って喜びを分かち合う。

マチ子「すごいじゃないの、マー姉ちゃん!」

マリ子「すごいの何のってマチ子、もう重大事件よ!」

マチ子「もちろんよ!」

マリ子「おお~、東京は磯野マチ子、磯野マリ子を必要としていたのである!」

マチ子「そうなのである!」

マリ子「東京に我が磯野きょうだいなくして東京の出版社はやっていけるわけがなかったのである!」

 

何たる怪気炎。

 

マチ子「どうする? マー姉ちゃん

マリ子「もちろん決まってるじゃないよ!」

と突然踊りだす。ええ~!? これが結構長いんだ。あきれるはるに千代も踊りましょうと言いだす。何だこれは!? はると千代も手を取って踊りだす。

 

114話は1979年8月11日(土)の放送。お盆で子供たちも楽しくって感じ? 玉音放送が流れた106話は8月2日(木)。大体夏休み辺りにそういうのを持ってくるんだね。

 

はる「そうですとも! 目指すは首都・再び東京です!」

マリ子大喜び。

 

マチ子「もう…このうちはめちゃくちゃだ~!」

はる「(まだ踊りながら)まあまあ情けないことね。こんなことでね、しっかりしなくちゃいけませんよ。弱音を吐いててはいけません。まずは体が資本ですよ」

 

踊っているはるを見ている三姉妹。

マチ子「何たる怪気炎!」

ヨウ子「参りました!」

マリ子「お母様にはかないませんわ」

 

いや~、今日はどうした!?ってくらいうるさかったな。「長谷川町子物語」でも新聞で編集者からの記事を見つけるシーンがあったから、これ「マー姉ちゃん」でやるなら塚田さんかな、細谷さんかなと秘かに楽しみにしてました。塚田さんは無事として、細谷さん、どうしてるかなあ?

 

昔のドラマ好きですが、以前BSトゥエルビで「ムー」の再放送があるというので、見たことなかったから、どういうものか録画したんだけど、肌に合わずに1話の最後まで見られなかった。

 

やっぱり笑いって時代が出るから普通のドラマより厳しかった。岸本加世子さんがどつかれるシーンが何度も出てきてなんかイヤだったような。時代的には大体「マー姉ちゃん」と一緒くらい。ドタバタギャーギャーが受けてたんだろうね。