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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (59)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

嫁姑問題と、休業中の美容室のことを心配したマリ子(熊谷真実)は三郷(山口崇)に手紙を出す。三郷は一人で磯野家を訪ね、元気な顔を見せてマリ子を安心させる。その後、菊池の新作の題名が「女性の戦い」になったと塚田(日下武史)が知らせにくる。ますます仕事に励むマリ子だが、記事を見た出版各社から仕事の依頼が殺到。電話番をしていたはる(藤田弓子)がすべて引き受けてしまう。それを聞いたマリ子は倒れてしまい…。

三郷智正がひとりで磯野家を訪ねてきた。

はる「まあまあ、ようこそおいでくださいました。さあ座布団をお当てになって」

 

お昼は済ませてきたと言う智正さん。分かってるな~。はるさんすぐごちそうしそうだもんね。酒田たちがやってきてにぎやかだったというはるにその日は雑用があって来れなかったという智正。

 

お茶を出したマリ子におめでとうと言い、手紙のお礼も言う。マリ子が手紙を出したことは、はるは知らなかった。マチ子は田河のところ、ヨウ子は学校で不在。

 

ヨウ子が留守の方が気が楽だという智正にヨウ子が悲しむというはる。

智正「はあ、まあ酒田さんからどのように伝わったかは存じませんが、あの、大丈夫なんです。そんなつまらないことで大事な仕事を控えたマリ子さんに心配をかけちゃいけないと思って、こうやって元気な顔を見せに伺ったわけですから」

マリ子「三郷さん…」

はる「よかったこと。あんなにいいお母様とお嫁さんの仲がうまくいかないはずがないと思っておりましたもの」

智正「いえ。全く私の不徳の致すところでした」

はる「いいえ。うわさなんて全く無責任極まりないものですから」

マリ子「でも酒田のおじ様だって気になさったからこそ心配でおっしゃったんだと思うわ」

智正「そうですね、そうです。私も感謝しなければと思っております」

はる「まあなんて広いお心なのでしょう。私などまだまだ修養が足りませんわ」

智正「いいえ、とんでもない。あの…皆様の積極的な生き方こそ、私、お手本にしなければと思っております」

はる「いいえ、私どものはいわば無手勝流の方でして」

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マリ子「それも号令をかけるだけ。夢中で飛んでいく私たちの身にもなってください」

はる「まあ、マチ子だけではなくこのごろはあなたも結構言うのね」

智正「頼もしい限りじゃありませんか」

はる「あらあら、三郷さんまで娘たちの味方?」

智正「さあ、どうでしょうか?」

 

そこに「ごめんください」の声。マリ子が玄関に出ると塚田が来ていた。

塚田「随分分かりにくい所だな」

菊池先生のとこの帰りだという塚田は無理しても商売道具なんだから電話を入れろという。仕事で来たんだから上がらせろという塚田と帰ろうとした智正が玄関で軽く会釈。

智正「いや、今のあなたにとっては仕事が一番ですから」

 

はるは塚田が部屋に来る前にお茶を出し、座布団を替え、塚田に「いらっしゃいませ」と頭を下げるとさっさと部屋を出て行った。

塚田「おい、お母さんだろ? それとも女中さん?」

はるはドラマ的には田河水泡にも会わないし、仕事関係の人とは話をしない主義?

 

塚田はマリ子が挿絵を描く菊池寛の新連載を持って来た。「女性の戦い」という作品であらましの筋と人物紹介をわざわざ書いてくれた。忙しい人だから本来こういう細かいことはしないが、マリ子の初仕事で巻頭グラビアで大々的に派手に飾ったから、マリ子に失敗させまいと気を遣ってくれた。本来なら涙流して感謝すべきところだが、マリ子は実感がわかずに涙が出ない。

 

新年号で山ほど仕事が待っているという塚田はマリ子に言うだけ言うと帰ろうとした。塚田より先に玄関に行ったはるは塚田に靴ベラを用意し「ご苦労様でございました」と頭を下げる。塚田も「これはどうも申し遅れました」と手をついて挨拶しようとするが、靴ベラを差し出した。

 

朝男から文学館の編集部から電話が入ったと言われた。夕方、マリ子が挿絵を描いていると今度は女性の友社からの電話。

 

菊池寛氏との顔合わせが「女性倶楽部」の巻頭を飾って以来、なぜか出版社、雑誌社からの電話が続々と魚朝の所にかかってきたのです。

 

台所仕事をするはるとマチ子。マリ子宛てにたびたび電話があってその度作業が中産されたのではかわいそうだというマチ子は用件を聞いとくだけだったら代わりの者が出たって構わないと、はるに電話にでるようにいう。

 

ところがえてして良策というものは裏目に出ることがままあります。はるが電話応対係となって4日目のことです。

 

マリ子「片っ端からお受けしたってまさか!?」

はる「ええ、片っ端から全部ですよ」

マチ子「全部って一体…」

はる「4口だったかしら? あっ、5口だったわ。皆さん、どうぞよろしくっておっしゃるもんだから快くかしこまりましたって申し上げたのよ」

マリ子「そんな…」

マチ子「誰が描くの、そんなに全部!」

はる「もちろんマリ子ですよ」

ヨウ子「それじゃマー姉ちゃんが大変すぎます」

マリ子「そうよ。私には手が2本しかないんですよ」

はる「大丈夫。順番に片付けていけば」

マチ子「順番といってもね、相手には締め切りってものがあるんですよ」

はる「そうですよ。締め切りは守らなくてはいけません」

マリ子「お母様…」

はる「まあ、こんな結構なお話なのになんて情けない顔をするの。オネスト神父のお言葉を忘れたの?」

マチ子「やめて。今、神父様の話は」

はる「いいえ。あなたたちも素直に感動したはずよ。『人間は自分の幸せをつくる鍛冶屋である』。トンテントンテン、自分の才能をたたき出して、どんどん描きまくりなさい。不可能に挑戦せずして何が生きがいがあると言えましょうか」

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フラ~ッと倒れたマリ子。

 

翌朝一番に訪ねた朝男。マチ子によると朝は39.5分あった。

はる「大丈夫ですよ。これは子供の知恵熱と同じなんですから」

朝男「しかしね、万が一、肺炎にでもなったらどうするんですかい!?」

はる「いいえ。これでも私はあの子を21年間、育てたんだから間違いはありまっしぇん。今は頑張るだけ頑張らせた方がいいんです」

朝男「しかし、あっしは知りませんよ」

はる「私が知っとるから構いませっしぇん」

マチ子「またそんなこと言って。もしものことがあったらお母様のせいよ」

はる「もちろんそうですよ」

 

マリ子は起きて仕事を始めていた。

 

「幸せとはトンテン、トンテン、自分をたたかなければ生まれてはこない」。その言葉が知恵熱40度の危機をマリ子に乗り切らせたのでしょう。

 

そして今日もまた「手のひらは小さなシャベル」タイム。

今週はずっとこんな感じなのね。

 

実際の毬子さんの挿絵、素敵だな。