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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (48)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

トミ子からの結婚報告の手紙がきて、早速マリ子(熊谷真実)はお祝いにトミ子の肖像画を、マチ子(田中裕子)は漫画を、描いて贈ることに。そこへ、朝男(前田吟)がやってきて、トミ子たちを東京に呼べばいい、と提案する。さらに、いつ召集されるかわからない自分にも、一枚くらい画を描いてほしい、とぼやく。その夜、はる(藤田弓子)は長女のマリ子だけを呼び出し、磯野家の貯金がついに底を尽きたと白状して…。

うちじゅうがパッと華やかになったトミ子結婚の手紙が来て5~6日が過ぎました。

 

マリ子はトミ子の肖像画、マチ子は漫画を描いていた。トミ子はマチ子の漫画が連載されている「少女倶楽部」を毎月買ってくれてるファンだから漫画で祝ってあげたい。

 

マリ子は肖像画のイメージが湧かない。マチ子はヨウ子をモデルにした絵の顔だけ描き直したらいいと提案するが、間に合わせみたいでいやだという。しかし、マチ子はトミ子との友情の出発点がセーラー服なのだから、飾りたてたおかしな絵をもらうよりその方がトミ子さんだって喜ぶという。

 

マチ子「イメージが湧かないのは当たり前よ。だってマー姉ちゃんのおなかの中で考えてんのは昔のまんまのトミ子さんなんだもん」

マリ子「そっか…」

マチ子「そうよ」

マリ子「そうよね。マチ子もたまにはいいことを言う」

マチ子「やっとその気になれた?」

マリ子「なれた。マチ子の言うとおり筑前高女のセーラー服にしよう!」

 

マチ子の描いてる漫画は、トミ子はお尻が大きかったので次々子供が生まれる。威勢のいいごりょんさんという構想。当たり前のように結婚して子供が生まれるという図は今はちょっとデリケートな部分かな。

マチ子「我ながらなかなかいいアイデアである」

マリ子「そっか。じゃあ未来図はマチ子に任せて、私は古きよき時代のトミ子さんといくか」

 

マチ子は天満宮に行った思い出を語る。

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橋の向こうで笑って待っていたマチ子とヨウ子。

 

そこに天海朝男が訪ねてきた。

マチ子「お姉ちゃん、おざぶ」

朝男「いや要らねえ要らねえ。魚臭えからな、座布団は無用だよ」

おざぶ=座布団

 

朝男ははるがおとなしくしてると聞いたからご機嫌伺いに寄った。はるが結婚式の買い物に出かけたと言うと焦った。しかし、トミ子と聞くと安堵。

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朝男「ああ、ああ! 分かった、分かった。あのトミ子さんか。見合いの席でワンってほえて縁談ぶち壊したっていう船問屋の娘さんだ」

 

是非きて欲しいと言う誘いに福岡に行くつもりのマリ子。お千代ねえやや石井先生にも会いたい。マチ子も行きたいと言うと、10日でも15日でも行ってくればいいと朝男がいう。キャーと抱きつく勢いのマリ子に体をそらす朝男の無言の芝居が面白い。

 

朝男はいつだって誰がどうやったら喜ぶか考えている。

朝男「まあ言わしてもらえば天使だな、うん」

マチ子「ひげ面の天使? マー姉ちゃん、今度描かせてもらったら?」

 

マリ子は男性は石こう以外描いたことないというと、お望みとあればふんどし一丁、いつだって裸になってやるという朝男。

マリ子「わあ、露出狂!」

マチ子「ヘヘヘッ、毛むくじゃらなんか見たくない」

 

しかし、朝男はちょっぴり本気。いつ召集が来るか分からないからそういう絵が一枚くらいあったっていい。わざわざ思い出させるみたいに描かなくていいとマチ子はいう。

 

朝男はお千代ねえやが東京に来たらオート三輪でみんなで弁当作って東京見物に連れて行こうと提案。今日のお土産は大森のさつま屋のはんぺん。

 

酒田燃料店ではウメがマリ子に連れられて福岡に行こうと決心。一瞬、何で?と思ったけど、お隣の加津子さんはウメばあさんの娘でした。

ウメ「マリ子さんのね、足手まといになるかもしれないんだけど、こんな時でもなきゃ加津子の顔、見ることはできないだろ?」

大造「たまげて喜ぶぜ。何年なんだい? ええ? 会うのは。あいつもばあさんになってるだろうな」

ウメ「そりゃ、お前が鏡見りゃ一番よく分かるよ」

大造「えっ?」

ウメ「兄貴なんだからさ、加津子がばばあならお前はじじいだよ」

 

毒舌いまだ健在なり。このおばあちゃんと一緒にマリ子も楽しい旅ができるはずだったのですが…

 

磯野家ではマリ子だけはるに呼び出されていた。

はる「ちょっと困ったことがあるのよ」

マリ子「何でしょう、一体?」

はる「お金が終わってしまったの」

マリ子「何のお金が?」

はる「うちのお金」

マリ子「うちの?」

はる「蓄えがもうみんな終わってしまったの」

お千代ねえやを連れてきてもいいけど、またいろいろ心配するんじゃないかと気にするはる。

 

マリ子「するともう暮らせなくなるの?」

はる「それは心掛け次第よ。暮らしていなければしょうがないじゃないの」

 

結婚式に行ってもいいが、席は三等で我慢してねとはる。福岡に行くぐらいは残ってる。

はる「なにもそんなに深刻になることはないわ。『明日は思い煩うことなかれ』でしょう」

マリ子「そんな…お金がないのにどうして福岡に行けるんです!」

はる「大きい声出すんじゃないの。マチ子やヨウ子が心配するじゃないの」

マリ子「私だって心配です」

はる「あなたは心配する権利があるのよ。長女なんだから」

 

これまでの蓄え

・磯野ワイヤーの権利を譲ったお金

・福岡のお家賃5年分

・お父様のお貯金

東京ではアパートが2軒くらい建つ金額を役4年で使い切り、マチ子の原稿料ももちろん献金した。

 

マリ子「どうして? あれはマチ子のお金でしょ!?」

はる「いいえ、神のお恵みですよ。ろくに学校に行かれない子どもたちがいることを考えなさい。好きな漫画を描いていられるというだけで幸せなんです。あのお金がなかったからって暮らしていけないわけではないでしょう。だから恵まれない子供たちのために使っていただいたのよ」

 

いずれにせよ全てを分かち合うことを良心としてきたはるです。遅まきながらマリ子に思い当たることは東に泣いている人あらば走っていって与え、西で困っている人あらば行って惜しみなく助けた結果がこれだったのでしょう。

 

マリ子がこれから一体どうしたらいいのかと問う。

はる「『座して祈れ』と御言葉があるでしょう。祈っていれば必ずや道は開けますよ」

マリ子「みんな一体何に座して祈ればいいんです?」

はる「マリ子、神様を信じてまっとうに暮らしていれば、やもめとみなしごの家の粉は尽きることはない。そう『聖書』に書いてありますよ。私たちはこれまでまっとうに暮らしてきたんですもの。必ずや道は開けます」

 

廊下で聞いてしまうヨウ子。マリ子は福岡行きを断念し、生活の道を考えるという。

はる「ほらご覧なさい」

マリ子「何がですか?」

はる「言うとるそばから希望が湧いてくるじゃないの」

 

マチ子とヨウ子にはないしょにしてほしいというマリ子に「あなたが長女だからお母様もあなたにだけ打ち明けたんですからね」というはる。

 

貯金ゼロ宣言はマリ子にとってまさに晴天のへきれきというほかはなかったでしょう。とはいうものの舶来の絵の具を惜しみなく塗らせてもらった身としては今更にして後悔の「臍を噛む」ばかり。生まれて初めてお金のないという事態に直面してマリ子はいきなり踏みしめていた大地が消え去ったような不安を感じたのでした。

 

はるさんが宗教活動を心置きなくするために東京に出てきたみたい。うるさいお千代ねえやや村田さんが近くにいなくなるからね。こんな時ばかり長女と言わないでみんなに言った方がいいと思う。