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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (30)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

夜遅く速水(髙嶋政宏)は帰ってきて、話は本当だった、と北川(細川俊之)に謝る。速水が次の日曜日に出国する話をすると、純子(山口智子)は胸が痛い。嫌なこともあった、という日本の思い出話の中で、いい思い出は純子と知り合ったこと、と言われると少しうれしい。翌日、つや(白川由美)は北川に対する恋心を純子に話す。帰り支度をする速水に北川は、純子は速水が好きだ、と言うが、速水は自分には関係無い、と答え…。

和歌山まで出かけた秀平は9時近くになっても帰ってきません。で、帰るに帰れない純子なのであります。

 

そこに戻ってきた秀平。北川に「すいませんでした」と頭を下げ、がっちり握手した。純子はつやに報告に行った。

 

そういえば、この間、こんなランキングが発表され、山口智子さんが2位だった。

ranking.goo.ne.jp

山口智子さんは顔も小さいし、モデルだし、普通に長身と思ってたから驚きはしないけど、山口智子さんと立って並んだ白川由美さんが結構長身だなと思いました。

 

北川に「疑ってすいませんでした」と頭を下げるつやと純子。「いや、疑われて当然です」とさらりとかわした。

 

事務所にいた秀平に「よかった」と話しかける純子。

秀平「これで安心してアメリカへ帰れるよ」

 

純子の胸の奥がキュンとうずくような秀平の言葉でありました。

 

秀平「和歌山に行ったついでに兄貴から送ってきた旅費を受け取ってきた」

純子「旅費?」

秀平「ああ。兄貴がね日本に来た進駐軍の友達に旅費を言づけてくれてたんだ」

純子「そう。それやったらもういつでも向こうへ帰れるんやね。いつアメリカへ?」

秀平「今度の日曜日」

純子「日曜日? 昭や雄太ががっかりするやろね。せっかく野球教えてもろたりしてたのに」

秀平「ああ…残念だけどね。しかし、日本に来てよかった」

純子「ほんまに?」

秀平「ああ。まあ僕が子供の頃からアメリカで想像してた日本とはだいぶん違ってたけど」

純子「そう?」

秀平「パパが話してくれた日本というのはそりゃあ理想的な国だった。人情味があって人はみんな親切で礼儀正しくて控えめで。美しい山と川と。でも、それはパパの理想だったんだろうな。僕はパパが話してくれた幻の日本を見にやって来たのかもしれない。多分そうだ」

純子「日本にがっかりしはった?」

秀平「正直に言えばがっかりしたよ。人はみんな自分のことしか考えてないよ。泥棒、闇市。この村は平和だけど僕には何か冷たく感じられるし」

純子「そやろか…。それは戦争に負けたさかい秀平さんの思てはる美しいもんはみんな壊れてしもたかもしれんけど、せやけど秀平さんが日本はそんな国や思てアメリカに帰らはるのんは何や悲しいわ」

秀平「いや、何から何までがっかりしたってわけじゃないさ。やっぱり日本に来てよかった。例えば…」

純子「例えば?」

秀平「君と知り合った。興園寺の奥さんにも口では言えないくらいお世話になった。東京で味わった嫌な記憶はこれで帳消しになったかもしれない。最後に美山村に来て本当によかった。そう思ってるよ」

純子「そんでも帰らなあかんのやね?」

秀平「ああ。(やや間があって)お幸せに。正太夫さんと結婚するんでしょ?」

純子「秀平さんまでそないなこと…」

秀平「違うの?」

純子「違います。そんなんうわさだけや。そんなこと信じてはったん?」

秀平「そう…違ってたのか。しかし、僕にはどっちでもいいんだ。どっちみちここからいなくなる人間だし。じゃあ」

 

秀平がいなくなって、ずっと話を聞いていた北川が純子の前に現れた。左手に現れて右肩をポンと叩く。

北川「秀平君、日本に失望したと言ってたね」

純子「聞いてはったんですか?」

北川「僕のせいかもしれないな。日本の事情を知らないことをいいことに詐欺の片棒を担がせた。お父さんの遺髪の入っているカバンを取り戻したことを恩に着せて嫌がる彼を無理やりに引っ張り込んだんだ」

純子「失礼します」

北川「純子さん。君、いつか僕に『あなたは詐欺師ですか?』と聞いたね。君はいつもまっすぐに人の目を見て、はっきり物を言う人だと思ってた。その君でも何も言えない時があるんだね」

純子「何のことですか?」

北川「ん? いいんだ。多分まだその時期じゃないんだろう」

口笛を吹いて去って行った。

 

翌日。つやが純子に恋バナをする。純子よりちょっと若い頃、純子の父に熱を上げたと言った。四十過ぎたらもう胸がドキドキするようなことなんてないと思ってたけど、五十近くになっても胸がときめくことがあるんやなと笑う。

つや「でもおかしいやろ? こんなおばあちゃんが娘みたいなこと言うて」

40代の人がおばあちゃんと言っても驚かない。

peachredrum.hateblo.jp

この映画では43の女性が自ら”おばあ”と言ってたし、周りにも”デブばあさん”とか言われてからな。

 

つや「いや、うそや。うそ、うそ。アハハ、みんな、うそ。アハハハハ」

 

小野家。陽一郎の肩もみをする純子。

恭子「なあお父ちゃん、来年の4月までには大阪に帰れるやろか?」

陽一郎「う~ん、そういうことになるやろなあ。お父ちゃんの体の具合もだいぶええようやし。10月になったら就職のことで一遍大阪に行ってみようと思うとるのや」

あき「10月やなんて言わんと今年いっぱい休んではったらええやないの」

純子「そうや。うちが頑張って働くさかい」

陽一郎「いやいや、そうも言うてられへんやろ。純子かてしたいこともあるやろうし」

純子「ないない。うちは何もないもん。うちは働いてたらそれでええんや。家の役に立ってる言われんのが一番うれしい。せやからお父ちゃん安心して体を治してや。なっ?」

陽一郎「おおきに。おおきに」

 

雄太から秀平がアメリカに帰るのか?と聞かれて、今度の日曜だと答えた純子。何となく様子のおかしい純子を見ている陽一郎。

 

いよいよ秀平の出国も明日に迫った。

北川は「いろいろとごめん」と謝った。またシカゴに行きたいとつぶやく。

 

北川「君は気付いてるのか? (英語で)純子って娘は君が好きだぞ」

秀平「(英語で)今の僕には関係のないことですよ」

 

そして日曜日。いよいよ秀平が美山村を去る日であります。秀平が乗る御坊発大阪行きの列車は12時24分。秀平は大阪経由で東京に向かいます。

 

東京からは小さな貨客船に乗り、ハワイまで9日。積み荷を降ろしたりするのに2日ほど停泊してサンフランシスコにもう4日。

 

校庭でノックをする秀平。フライを取りに行った雄太はボールを探すふりをして二人きりにした。秀平はそろそろ時間だと言ってカメラを取り出し、純子の写真を撮った。純子にも秀平の写真を撮るように言ったが、ボールを見つけたふりをして2ショット写真を撮ってあげる雄太。何て気の回る子だ!

 

別れの時に胸の内の100分の1も話せない純子でありました。

 

ナレーションがいいね~。