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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (32)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

執筆中の田河(愛川欽也)の元へ、マチ子(田中裕子)が描いた漫画を持ってきた。それを邪険に扱った出版社の太田(内山森彦)に対し、田河は執筆を辞めて困らせる。一方、マリ子(熊谷真実)は茜(島本須美)の画を描いていた。改めて画の良さを実感した茜はマリ子にライバル宣言をする。マリ子が帰宅すると、ふらっと信彦(森田順平)が訪ねてきて、絵画論を交わしたいと言う。信彦のキザな物言いに、マリ子はドギマギして…。

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マチ子が田河邸に漫画を持っていくと、編集者が原稿待ちをしていた。

水泡「あっ、紹介しておこう。こちらね磯野マチ子さん。山際高女の3年でね、今度僕のねお弟子さんになったの。こちらはね陽談社の太田君。ほかにね細谷君ってのがいるんだけど、それはまた今度来たら紹介しよう」

マチ子「はい、磯野マチ子です」

水泡「ああ、ついでだからね、その先にどうぞよろしくお願いしますって付け加えた方がいい」

マチ子「はい?」

水泡「陽談社はね『少年倶楽部』だけじゃなくてね『少女倶楽部』『幼年倶楽部』やいっぱいやってるんだから」

マチ子「はい、よろしくお願いします」

太田「お願いしたいのはね、こっちの方なんだ。お願いだからね、先生の邪魔をしないでくれないかな」

 

太田の意地悪な言い方が気に入らなかった水泡はマチ子に太田を玄関まで送るように言うので、太田は慌ててマチ子に謝罪した。それを見た水泡はマチ子にイチゴをごちそうして反省してもらいなさいとほほ笑んだ。

 

天下の田河先生は意地悪というより子供のようにいたずら好きな人でした。

 

茜の絵を描いているマリ子。茜はモデルに飽きて休憩に誘った。

茜「私自身のために描いてもらっているんですもんね。う~ん…だけど喜ぶべきか恐れるべきか。妹さんのことであなたの心配事が一つ消えたわけでしょう? となると絵に専心できるわけだし、私の強敵よ。大変なライバルだわ。でも私は負けないわよ。あなたにだけは絶対負けたくないの。分かる?」

マリ子「分からない」

茜「アハハハハッ! そうよね。そこがまたマリ子さんのいいところだわ。だから好きよ。フフッ」

マリ子「でもこの絵は本当にいい絵になりそう」

茜「私もそう思う」

マリ子「もう私だけの題名は決まってるんです」

茜「えっ?」

マリ子「『私の東京』。」

 

マリ子が帰ってくると、玄関に大造の草履があった。

大造「冗談じゃありませんよ、奥さん! 気は確かですか? そりゃあね、奥さんの気持ちはよ~く分かりますよ。分かりますけどね、やつらにはやつらの甲斐性ってものがあるんですよ。本当にてめえがひとかどの職人になりたいんだったらてめえの銭を使って国宝級でも何でも見てくりゃあいいんですよ」

はる「でも私、もう約束してしまいましたのよ」

大造「いや、構うことありませんよ。私がきっぱりと諦めさせます」

はる「そうはまいりませんわ」

大造「なぜです?」

はる「これはマリ子のためにアトリエを造ってくださった酒田さんへのお礼と、それからマチ子がお弟子入りしたことで皆さんが心からお祝いしてくださったことへ感謝の気持ちも含まれているんですの」

大造「あのね、奥さん。感謝は感謝。ありがとうございと本心から頭を一つ下げれば済むことでその度にいちいちあちこち物見遊山に連れてったら、それこそ倉がいくつあったって足りませんぜ」

はる「それはいちいちご一緒はできませんわ。それにこれは物見遊山ではございませんの」

大造「あのね奥さん…」

はる「私、上手下手でなくマリ子にもマチ子にも本物になってほしいと思っておりますの。ですから植辰さんたちにも是非本物に」

大造「駄目駄目駄目、そいつらそんな玉じゃありません」

はる「いいえ、可能性を信じなければいけませんわ」

大造「いえ、でしょうけどね、奥さんね…」

はる「どうぞもう決めてしまったことですので。ああそれにお金のことなんですけれども幸いと言っては何ですけれど、電話も今年のくじには外れてしまいましたので」

大造「電話!?」

 

そこにマリ子が顔を出した。

大造「ああ、マリ子さん。電話ってその…あんたたちまさか…!」

マリ子「はい、私が申し込みに行きました」

大造「何ですって!?」

マリ子「ほら、ヨウ子が迷子になったあの時です」

大造「あんたたち正気かね?」

マリ子「はい」

大造「『はい』って…電話はタダじゃ入らないんですよ?」

マリ子「もちろんそうです」

大造「500円かかるんですよ、500円! それに登記料が20円。当節520円あったらず~っと場末の方に行ったらこんなうち買えるんだ」

マリ子「はあ」

大造「ちょっとしっかりしてよ本当に」

はる「おかげさまでこのごろではヨウ子も迷子になる心配がなくなりましたし、ちょうどいいのでそのお金で京都に行ってまいりますの」

大造「ちょうどいいって…」

はる「どうぞもうそういうわけですのでご心配なく」

 

ぼんやりした様子で酒田燃料店に帰ってきた大造は妻のさよに大至急福岡の妹に手紙を書くように言った。中身は、磯野の奥さんに昔っからばらまき病があったかどうか問う。

 

磯野家では京都旅行について話す。棟梁は用事があるので、植辰、栄一、大工の乙松と粂吉とはるで明日の晩の夜行で出発し、3泊4日。マリ子はヨウ子のためにレコードを買いたいというとはるは快く了承。「庭の千草」は「おしん」で俊作あんちゃんがハーモニカで吹いて、後に子供おしんも吹いてた曲。

 

ヨウ子「写真屋さんに行ってもいい?」

はる「そうね、あんまりご迷惑をおかけしないようにね。それからお姉ちゃまたちに心配かけないなら行ってもいいわ」

ヨウ子「それならお母様も京都へ行っていいわ」

はる「まあ、ヨウ子ったら」

 

そんなとき、信彦が磯野家を訪ねてきた。川添画塾のロシア民謡さん!と目の前で言っちゃうマチ子。信彦のニコニコがどうも不自然に見えちゃう。カンカンはいつもクールな表情だったからかな。

 

クジラの天海朝男君を除いては、めったに若い男性が訪れることのない磯野家ではこういう場合、なぜか全員接待の形式が取られます。

 

信彦はたじたじになりながらマリ子の絵画論を拝聴する予定で、チョコレート持参で来た。ちゃんと手をついて頭を下げるマチ子、ヨウ子。信彦は茜との共同制作を気にしていて、マリ子は茜が話していないと知ると「だったら私も申し上げるわけにはいかないような気がします」といった。

 

それを聞いた信彦は、茜の言う通り、マリ子は素晴らしい。我々がとうに失ってしまった信頼を大切に持っている人だと笑った。「僕はあなたのその澄んだ目が羨ましいんだ」と言い、横浜を案内すると誘った。

 

それから1時間。信彦は取りとめのない話をして帰っていきました。

 

マリ子とマチ子は台所で片付けをしながら、信彦が訪れた理由を考えていた。ヨウ子からチョコレートをもらった2人。マチ子は、信彦はがマー姉ちゃんが好きなのだと断言。マリ子はポ〜ッとしてしまう。

 

本当に信彦は一体何をしに来たのでしょうか? 純情なマリ子の胸を苦しくさせるとはまことに罪な男でした。

 

いきなり家に来るとか昭和だな〜。はるさんの浪費も楽しく見てます。