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【ネタバレ】地獄の波止場

1956年 日本

 

あらすじ

霧が立ち込める製鉄所付近の波止場を舞台に繰り広げられる、大金の争奪戦。監督としても手腕を発揮する名優・小杉勇が主演兼メガホンをとり、細やかなディテール描写を重ねることで、実直な老人の揺れ動く心情をリアルに映す力作。定年間近の機関士の万造(小杉勇)は、助手の信介(三橋達也)の居ぬ間に、岸壁で二人が撃ち合い倒れるのを目撃し、現場から大金の詰まった鞄を出来心で持ち去るが、同時期に組合の金庫から3百万が紛失する事件が起こる。

2021.7.14 日本映画専門チャンネル録画。

 

監督、主演が小杉勇さん。1983年にお亡くなりになってるから流石にわからないなあ。吉行あぐりさんより3歳上。

 

工場のサイレンと映し出される工業地帯。蒸気機関車の機関士が小杉勇さん演じる田中万造。助手の岡野信介は、万造の娘・ふさ子と結婚予定。万造の許しをもらい、厚生資金を借りて部屋を借りる予定。ふさ子は夜勤の食堂で働いていて、結婚後は共稼ぎする。休憩時、万造はふさ子の働く食堂に信介を向かわせた。

 

万造は30年間無事故で働き続けて来たが、定年も間近。真面目に遊び一つせず働き続けた。

 

万造が一人、蒸気機関車付近にいると、突如銃声がした。人影がいなくなり、線路上に大金の詰まったバッグを見つけた。辺りを見回し、バッグを持ち去り、もう一度中身を確認し、布に包んで機関車に隠した。

 

信介が戻って来て機関車は走り出す。物陰で何者かが機関車を見つめていた。

 

朝になり、仕事を終えた万造はバッグを抱えて家路に向かう。しかし、赤ちゃんが産まれそうで出かけた同僚・相川に様子を見てほしいと頼まれたが、そのまま家に帰った。

 

貞江(北林谷栄さん)は妻だよな? ふさ子の下に小学生くらいの小さな子供がいるような母親に見えない。ひっつめ髪に割烹着のおばあちゃんスタイル。貞江はふさ子の結婚に反対。理由は、ふさ子の月給7000円が頼りで、その月給でやっと貯金ができるレベルだと万造を責め立てていると、製鉄所内で殺人が起こったと近所の人が言いに来た。

 

殺されたのは以前、製鉄所をクビになった不良の古沢謙で金庫から300万円を盗んで舟で逃げようとしたが、仲間割れしたらしい。

 

近所の奥さんに声をかけられて市村という元同僚の家に行った。今は寝たきりの市村は退職前に小商売でもやればよかった、退職金なんて2年も持たねえと愚痴を言われて、考え込む万造。

 

小料理屋に行っても、女将さんがお金のことで女給?の路子を引っ叩いてるところを見てしまい、お酒1杯飲んだだけで店を出た。

 

ふさ子は結婚を延ばして、飲み屋で働いてうんと稼ぐと万造に言い、泣き出した。家に帰り、信介が共稼ぎで仕送りをすると聞くと、貞江の態度はコロッと変わり、一転結婚準備を始めた。終戦後の売り食いのときにも売らなかったという着物をふさ子に着せた。

 

万造は道具を買いに行こうと貞江を誘うが、相川さんとこの子供がいつ産まれるか分からないから出かけられないと言って、万造とふさ子で花嫁道具を見に行った。相川さんとこまだ産まれないのか!

 

信介は借りようとしていた厚生資金が盗まれて借りられず、結婚を延期すると万造、貞江の前で話した。貞江がまた万造の稼ぎが悪いから〜とケンカになり、ふさ子の弟・正一が投げたボールが妹のすえ子のガラスの人形ケースに当だって割れ、すえ子は泣き、正一は貞江に怒られ、もうごちゃごちゃ。

 

信介とふさ子は万造が用意してくれるという花嫁道具はいいから、さっさと世帯を持とうと二人で話し合った。希望に満ちた二人が歌い出したが超うまい。BGMかと思ったよ。

 

ある夜、金を盗んだ男の片割れが信介に「金を横取りしやがって!」と殴りかかって来た。男は金の入ったバッグを機関車に持って乗り込んだ人影を信介だと思っていた。

 

信介と他の工員たちが男を追い詰めると、男は銃で信介を撃った。信介は軽症だったものの、刑事達は信介が金を欲しがっていたのでは?と怪しみ、万造にも事情を聞いた。二人が一緒の時に人影を見なかったか?と聞くが、万造は見なかったと答えた。

 

万造の真面目な人柄もあって、仲間の行員達も信介が金を横領したと思い始めた。蒸気機関車の機関士なら国鉄職員でそんなに生活が苦しいのか?と思ったけど、あの蒸気機関車は製鉄所内を走ってるだけ?

 

厚生委員に信介を調べ上げろと工員達は詰め寄り、食堂でも信介が横領したという話題で持ちきりになり、ふさ子もいたたまれない。

 

相川の赤ちゃんが産まれたが産着も買えず、貞江が買いに走った。そこまでお金ないなんて、酒飲んだりしてなかった?

 

ふさ子は泣きながら帰って来て、机に突っ伏して泣いた。信介が家に来て、ふさ子を励ます。家の中にいた万造は信介の声を聞いて、家から出て行ってしまった。信介はあの日から万造の様子がおかしいと外に万造を捜しに行き、ふさ子は貞江に事情を話した。

 

酔っ払った万造は小料理屋に入り、泣きながら路子に「カネはあるんだ」と抱きついた。信介は小料理屋から万造を連れ出し、万造を問い詰めた。万造は泣きながら「違う…」と言って信介から逃げ出した。

 

信介は万造を殴った。倒れた万造はもっと殴ってくれと泣き出した。300万円に手をつけてないという万造に信介が見つけたふりをして届ける、今夜11時に待ち合わせしようと約束した。

 

万造がバッグを持って出かけた。待ち合わせ場所に向かった時、犯人の笠井に銃を向けられた。銃声が響き、バッグを持って逃げた笠井を信介が追いかけた。笠井を追い詰める信介。仲間の工員達も追いかける。

 

警察官もたくさん。笠井はライトを銃で撃って、暗くなる中、銃撃戦になった。笠井は銃で撃たれながらもどんどん階段を登って行く。万造まで鉄塔を登る。フラフラの笠井がなおも笑いながら銃を撃つ。みんなの金だ!ともみ合う万造と笠井。

 

駆けつけた信介が笠井を突き飛ばす形になり、笠井は落下。万造は「遅れてすまん」と声をかけて、そのまま…。貞江やふさ子も駆けつけ、遺体にすがりついて泣いた。信介も泣きながら蒸気機関車の汽笛を何度も鳴らした。(終)

 

昔の日本映画って割とこういう苦しいまんま終わるというか、信介とふさ子の結婚式で終わりにはならないねー。しかし、毎日ちゃんと働いてるのにそれでもカツカツなんだな〜。ただし、この時代は酒代、タバコ代は普通にありそうに見えるんだよな。そこを削ればもうちょっと…なんてますます追い詰められるか。