公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意
あぐり(田中美里)はチェリー(名取裕子)の計らいで、通常3年住み込みのところを2年で終わり、通いのお礼奉公が始まる。エイスケ(野村萬斎)は相変わらず、朝帰りの毎日で、淳之介を岡山から呼び寄せるのは不安なあぐり。住み込みの時は出来なかった、帰りの銀座のパーラー立ち寄りで、古いと、店の悪評を聞いてしまう。そこで斬新だという噂を聞いた、新進の石坂和子(高橋ひとみ)の美容室の様子を見に行ったあぐりは…。
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雨戸を開けるあぐり。庭には3羽の鶏。
そういえば、東北で生まれ育った私は雨戸というのものが珍しく(実家にももちろんありません)、東京のアパートでも長期不在の時にしか使用する事はありませんでした。アパートだと雨戸というより防犯シャッターという意味合いが強いかもしれないけど。
↑この回答の中で納得なのは「冬になったら雨戸が凍り付いて開かなくなる」でした。特にあぐりの家みたいな木製だったらね。確かにサッシすら開かなくなるのに、雨戸が明かなかったら冬の間、暗いし寒いし…と全く関係ない話題でした。
2年ぶりに迎える自宅での朝でした。 本来なら3年の住み込み修業をチェリー山岡の計らいで2年で終えたあぐり。今日から通いのお礼奉公が始まるのでした。なぜ住み込みが1年早く終わったのか、それは息子・淳之介と一緒に住まわせてやりたいというチェリーの好意からでした。しかし、その淳之介は、まだ岡山にいて東京へはやってきませんでした。
朝食を作るあぐり。それからエイスケを起こす。そっか、東京に来たばっかりの頃は朝食を作る前からエイスケを起こしてたね。バケツで起こすのは変わってないけど、あぐりの進歩だ。
おいしそうに朝食を食べるあぐりと眠そうなエイスケ。
あぐり「駄目ですよ、ちゃんと食べないと!」
エイスケ「言っとくけどね、帰ってきたの朝の5時だよ。寝たの6時」
あぐり「起きたの7時」
ここ、面白かった。あぐりとエイスケの会話が本当に好きだった。
今日から通いの修業だと念を押すあぐり。エイスケが淳之介の世話をすると言うので、これからは規則正しい生活をするようにあぐりは言うが、エイスケの規則正しい生活とは毎朝5時に起きて、6時に寝る。夕方起きて飲みに行く。そして朝5時にはきちんと帰って、また6時に寝る…。
エイスケ「あぐりは大船に乗ったつもりで美容師の修業に専念して下さい」
あぐり「『泥船』だったりして…」
あぐりはまた今日から通いの修業だという。あぐりは通いになったら、仕事の帰りに銀座のパーラーで寄り道がしたいという夢があった。エイスケに一緒に行ってくれるように言うと、そこは遊び好きのエイスケが「ついでに夜の銀ブラと洒落込みますか…」と頼もしさを見せた。さっすが!
あぐりは向かいのうめと春子に見送られて職場へ向かった。うめと春子は「でも変わった夫婦だよ。亭主が遊んでて女房が奉公に出るなんてさ」と噂し合った。
エイスケは縁側でぼんやり。「天に遊ぶは…雲。地に遊ぶは…鶏。人は…いずこで遊ぼうか…」
あぐりが店にかけこむ。辰子は「ちょっと…! 何か勘違いしてな~い? 通いになってもあなたは3年目に変わりはないのよ。4年目の私よりあとに来るってどういう事? ちょっとばかり先生に気に入られてるからっていい気になってんじゃないの。はい。さっさと着て! 掃除…! 早く!」。辰子さんが正論だし、さっぱりしてて嫌味っぽくないからいい。
チェリー不在の店内。雪は綾瀬伯爵のパーティーに招かれるような客を相手にしていた。そこに、洋髪洋装の若い女性が来店したのだが、雪が「予約がいっぱい」だと言ってその客を帰らせた。雪は「このお店にふさわしい客じゃないわ。ああいう人をこの店に入れたらこの店の気品がなくなるわ。いい? ここは上流階級の社交場でもあるの。分かったわね?」とあぐりに耳打ちした。
しかし、時子はそれに「あんまり気取ってばかりいたら新しい髪型は少しも世間に広がっていかへんのと違う? いつまでも上流階級のサロンじゃ先が見えてるわ」と反論。
休憩時間、あぐりが辰子に聞いたところ、チェリーの支店が横浜に出る事に正式に決まり、支店を雪か時子のどちらに任せるかでまたお互い意識しているということらしい。あのドロドロはまだ終わっていなかった。でも、「あぐり」界のは全然ドロドロとも思わないんだよな。
チェリーは世津子に支店の店長をどちらにするか相談をしていた。時子は新しさと技術はあるが、細かい気配りがない。雪は年上で従業員に人望もある。ついてる客が名前のある人ばかりで宣伝効果はあるが、新しい感性がない。こうなると、私だったら雪にはこのままチェリーの店で常連客をがっちりつかんだままの方がよく見えるね。常連の人の好む髪型をしてくれる方がいいもんね。
世津子は「婦人現代」で次の号からチェリーと新しい女性像を模索する婦人との対談を連載しようと考えていた。「チェリー山岡・現代婦人と語る」。最初の対談相手は石坂和子というフランス帰りの新進気鋭の美容師。おかっぱ頭の高橋ひとみさん。
断髪が売り物のお店で評判だが、チェリー的には下品だと思っていた。チェリーの微妙な態度に「この対談はやめようか?」という世津子だが、「これからの女性美を競い合って追求する…。こういうお二人の対談だったら読者にはうけると思うんだけどな」と煽る。世津ちゃん、大体こんな感じよね。チェリーは了承せざるを得なかった。
あぐりはさっそく仕事帰りの寄り道。エイスケは「しかし、あぐりは何でもおいしそうに食べるよねえ」と嬉しそう。エイスケのケーキを横取りしてまで食べる。
そこに若い女性の断髪が目に入った。それは昼間、雪が断った客でチェリーの店を「お客選ぶのよ、あそこ…。私たちには高級すぎるのよ」と友達に話していた。確かに年齢層高めではある。その客が石坂和子美容院で切ったと知り、あぐりはケーキも食べずにその女性たちの会話にくぎ付け。
カフェ・セ・ラ・ヴィで世津子に話を聞く。石坂和子はフランスで修業し、向こうで断髪の技術を学び、最近、日本橋の方に店を出して「レザーカットの天才」と言われ人気が出ていると聞き、あぐりはうっとり。エイスケは「かなり衝撃的だったみたいですよ。あぐりが2年間夢見てた洋菓子を食べずに見とれちゃったぐらいですからね」と世津子に報告。
翌日、客が断髪の写真が載った雑誌を雪に見せたが、雪は「こんなの奇をてらっただけです。女性の美しさを表現してませんわ。日本の女性の髪質だとこうはならないんです。技術的にも未熟です」と手厳しい。
しかし、石坂和子が気になったあぐりは店を抜け出して石坂和子美容院へ。和子の断髪の技術に見とれるあぐりだったが、客として呼ばれた。そして店に戻ると…断髪姿のあぐりに一同驚く。あぐりは満足そうな笑顔だが、チェリーは憮然としてるし、同僚たちも微妙…。
銀座のパーラーで寄り道は覚えてるけど、このボブカットのあぐりはあんまり覚えてなかった。あぐりが自分がいいと思ったものは空気を読まずにやっちゃうとこがいい。