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【連続テレビ小説】あぐり (65)「噂の断髪(ショートヘア)」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

人数が減って1か月以上がたち、毎日慌ただしい。石坂和子(高橋ひとみ)が挨拶と言いながら様子を見にやってきたが、あぐり田中美里)ははったりで圧倒し、チェリー(名取裕子)も感心する。あぐりはもらった給金を全部、淳之介(鎌田佳祐)を預かってくれている隣家の春子(川俣しのぶ)に渡す。淳之介は軽い肺炎で入院するが、世津子(草笛光子)たちの助けも借りて、あぐりはチェリーにそのことを告げずに、仕事に打ち込む。

雪と和代が去り、時子と花枝が横浜の支店へ行って、1か月以上がたちました。

 

チェリーに「毛先、切ってちょうだい」と言われたあぐりだったが、練習はたくさんしたものの実践は無理だった。

 

そこに石坂和子が訪ねてきた。雪と和代が石坂の店に来たことの挨拶だった。この時、チェリーは「雪さんは一からうちで育てた大切な人です」と言っていた。一から”洋髪”を仕込んだってことだよね!? まだこだわるか。

 

石坂「雪さんがいなくてだいぶお困りのようですわね」

チェリー「何せうちには有能な新人がたくさんおりますから…」という話からお茶を出しに行ったあぐりを見て「有能な新人」ってこの方…?と石坂。

あぐり「私、先生に断髪していただいてから先生の技術は完全に分かりましたから…。あっ、先生の技術を超えたといってもいいです。…はい」とはったりをかます。やるなぁ~。

 

閉店後、チェリーから内弟子3人に給料10円ずつ支払われた。

 

当時の10円とは現在にするとおよそ3万円ぐらいの価値でした。あぐりも辰子も通いとはいえ修業の身でしたから、10円の給金は決して少ない方ではありませんでした。

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3万円!? ↑これを読むと昭和2年 女子賃金が15~21円となっていて、やっぱり安くないか??となる。千代子みたいに普段は給金の出ない内弟子が10円もらうのはちょっとしたボーナスっぽくて嬉しいかもしれないけどね。そしていつの間にか辰子も通いに…。今、山岡家にいるのは千代子だけか。そうなるとやっぱり250円の保証金と20円の食費って高くない?

 

そのもらったお金を全部お隣の家に渡す。遠慮する春子にあぐりが生活費は岡山の仕送りがあるから…は今の感覚だと、稼げるようになったらサッサと仕送りやめてもらったら!?になるのかもしれないけど、エイスケの本にもあったよ。

―妾(※わたしと読みます)たちいまはパパからお金もらって生活しているでしょう。それなのに君は小説家志望でいつになったらお銭(あし)がとれるようになるかわかんないでしょう。だから妾、発奮して美容術を習って二、三年後になって君と妾だけの生活の道をつくっておきたいと思ったので、じつは丸の内の山根さんのところへ二年間内弟子にしてもらうことに決めたわ。

―やあだが、承知するが、パパは君が美容術をやることは反対するね。

―ママが泣いちゃう!

 

これは創作物だから実話じゃないかもしれないけどね。でも、お世話になってるお隣さんに礼を欠かさないのはいいよね。

 

うめからちょっと熱っぽい感じだからお風呂はやめといた方がいいと聞き、あぐりは淳之介を連れて家に帰った。うめと春子はエイスケの噂話をする。春子が「どうしてあんな風来坊に惚れちゃったのかね?」と言えばうめが「女っていうのはね、ああいう危ない男にひかれるもんなんだよ。私だって10若けりゃね、本気で惚れてたよ!」と返す。

 

ここのところ、エイスケは新しい小説を書きだしたようで家に帰ってくる事はごくまれでした。今のあぐりにはエイスケが一体どこへ行っているのかそんな事を考える余裕もなかったのです。

 

世津子が来店し、婦人現代に載せるチェリー山岡の新しい髪型を撮らせてほしいというが、チェリーは外に出られる状態ではなく、翌日も予約がいっぱいだと断ろうとしたが、あぐりが撮影は店でやって、あとは自分たちで何とかすると言った。

 

その日の夜、あぐりは病院へ。淳之介が昼頃から元気がなくなり、夕方ぐったり…軽い肺炎にかかっていて、春子が病院に連れてきていて、そのまま1週間の入院となった。あぐりはカフェ・セ・ラ・ヴィに電話して、エイスケが今どこにいるか聞いたが最近は店にも来ていなかった。

 

店にいた燐太郎が来てくれて、あぐりに家に帰って休むよう言った。そこに入ってきた看護師は燐太郎を父親と勘違い。しかし、父親ではないと言われると「そうだったの。そういう事情がおありなのね」と勝手に察して「私は全然気にしないわよ」だって。

 

翌日、撮影が行われ世津子がチェリーに淳之介が入院していることを知らせた。「ねえ、あなたに話さないあの子の気持ち分かってあげて。どんなにつらい事があっても仕事に集中しようとしているの。一人前の美容師になるために。あの子ね、自分の力でさなぎから脱皮しようとしているの。知らないふりしてあげるのも親心じゃない? もうすぐちょうちょになるわ」。いやー、だったらチェリーに言わないでよ、世津子さん―って今日は思ってしまった。

 

それにしても世津子さんがあの時代から抜け出たような美しさで、返す返す「澪つくし」のとねさんみたいな役よく引き受けたなーって思ってしまう。とねさんみたいな豪快な役も確かにハマってたし、普通のおっかさんもやる人だけど、クレージーキャッツの昭和30年代後半の映画でもバーのママとかきれいな役が多いイメージがあるんだよねー。「結婚できない男」でも上品なご婦人の役だったし。

美しい。