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【ネタバレ】チャップリンの殺人狂時代

1947年 アメリ

 

あらすじ

フランス。ヴェルドゥは30年間、銀行員として真面目に働いてきたが、不況のために解雇されてしまう。車椅子に乗った妻や幼い息子がいるヴェルドゥは、生活費に困って追い詰められ、裕福な女性と結婚した後に相手を殺害し、その資産を奪うことを繰り返すようになる。次々と名前を変えてはアナベラら女性たちを誘惑するヴェルドゥ。しかし、女性たちの家族から事情を聞いた警察は、ヴェルドゥを摘発すべく準備を進めることに……。

アンリ・ヴェルドゥは1930年まで30年間に渡って銀行家だったが、世界大恐慌で解雇され、それ以降は裕福な女性と結婚しては殺すことを生業としていた。

 

家族がイライラしてケンカしてるけど、この中にチャップリンはいない。この家族のテルマという女性と出会って2週間で結婚したのがヴェルドゥ(チャップリン)。白髪混じりの頭になってる。

 

ヴェルドゥはフランスでテルマ名義の預金を受け取っていた。テルマの家族が警察に行くと3年間で12人も同じように女性が行方不明になっていた。家を見に来たご婦人に再婚を迫るヴェルドゥ。ご婦人はドン引きし、帰って行った。

 

お金が足りなくなると、リディアという中年女性を訪ねた。リディアは3ヶ月も音沙汰なしのヴェルドゥを怒っている。銀行に行き、リディアに全財産をおろさせ手元に置かせた。

 

全財産を持って自室に入ったリディアの後に部屋に入り、また犯行を重ねた。ヴェルドゥにはまだ幼い子供と車椅子の女性がいた。女性はヴェルドゥの妻で結婚して10年だという。

 

友人夫婦を夕食に招待し、夕食が肉料理なのを菜食主義だと嫌がるヴェルドゥ。息子のピーターが猫のしっぽで遊んでいると、乱暴はやめろと注意した。やっぱり動物好き?

 

船長のフリをして別のお金持ち女性に会いに行く。浪費癖のあるボヌール夫人はギャンブルや買い物に浪費してしまう。クロロホルムを入手したが、昼間夫人が解雇したメイドが夜遅くどこに行くところがないと入ってきたため、その日は実行せず。

 

街で偶然家を見に来た女性と再会し、女性の住所と名前が分かったので、花屋で花束を定期的に贈るよう手配した。

 

死んでも体に残らない薬の研究をしていたヴェルドゥは雨の日に子猫を抱いた若い女性と出会った。借りたタイプライターを質に入れて3ヶ月刑務所に入っていたという女性を薬の実験台にしようと食事とワインを出した。

 

戦争で障害者になった夫が服役中に亡くなったという話を聞いたヴェルドゥは薬が入ったワインをコルクのカスが入ってると言って、グラスを取り替え、お金を握らせて帰そうとした。あまりの大金に女性は驚き、泣き出した。

 

2週間尾行していた刑事が重婚と14人殺害容疑でヴェルドゥの元にやってきた。ワインを一杯飲み、一緒に汽車に乗った。眠り込む刑事との手錠を外し、財布をあさり、何食わぬ顔で席を離れる。刑事は心臓マヒで死んでいた。

 

街でお金を渡した若い女性に会うが、今度は冷たく突き放した。

 

またボヌール夫人の家へ。洗面台でワインに薬を入れようとしたが、コルク抜きがなくてその場を離れた。その間にメイドが薬の瓶を割ってしまい、洗面台にあった脱色剤の瓶とすり替えた。1本飲んでも平気なボヌール夫人と夫人のワインを間違えて飲んで大騒ぎするヴェルドゥ。胃洗浄し、女性と静養を勧められた。

 

小さなボートで釣りをする間、スカーフやロープで殺害を試みるが、ことごとく失敗。逆にヴェルドゥがボートから落ちて溺れかけた。

 

花を贈り続けたご婦人に花屋から電話をして熱烈な愛の告白。家に招待され、ついに結婚へ。そこに偶然ボヌール夫人が友人に連れられ来ていた。特徴的な笑い声でボヌール夫人に気づいたヴェルドゥは逃げ回って、ついに結婚式から逃げた。

 

家族で警察に訴えたご婦人と家族。不況はますます酷くなり、ヴェルドゥは破産。「ナチスがスペインを空爆」という新聞記事を読んだヴェルドゥは車に乗った女性に声をかけられた。雨の日に出会った女性は軍需工場の経営者と出会って、お金持ちになっていた。

ja.wikipedia.org

ゲルニカ爆撃は1937年4月26日

 

恐慌後、妻子を亡くしたヴェルドゥは女性に励まされた。女性が連れてきた高級レストラン?に偶然、テルマの家族が訪れ、ヴェルドゥを見つけた。ヴェルドゥも気付き、テルマの家族を部屋に閉じ込め、女性の車には乗らず、そのまま別れた。

 

警察に捕まり、裁判で有罪となったヴェルドゥ。「(戦争に比べて)大量殺人において私は素人だ」「一人殺せば殺人、100万人殺せば英雄」などという言葉を残して、落ち着いた態度でラム酒を飲んで、死刑台に歩いて行った。(終)

 

タイトルから想像できるけど、割とシビアな話だった。1947年公開だけど、話は1930年代で、殺人しまくる主人公だけど、残酷な描写は全くなし。女性たちにも多少しつこさはあっても暴力的でも威圧的でもない。猫にも優しい。

 

だけど私は愉快なチャップリンが見たかった。でもまあコメディでも刑務所に入る展開は割と多いね。