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【ネタバレ】天国は待ってくれる

1943年 アメリ

 

あらすじ

年老いて死んだヘンリーは、地獄の入り口を前に、自分は天国にふさわしい人生を送らなかったと、自らの人生を語り始める…。多感な少年時代や最愛の妻マーサとの幸せな結婚生活、マーサが亡くなった後も他の女性に夢中になった晩年など、ヘンリーはプレーボーイだった女性遍歴を振り返るが…。洗練されたユーモアと心温まるストーリー、鮮やかな色彩の映像で描く巨匠エルンスト・ルビッチ監督の傑作ロマンチック・コメディー。 

 2020.12.3 BSシネマ録画。

 

オープニングの出演者やタイトルが刺繍された文字や図柄で凝ってる。

 

ヘンリー・ヴァン・クリーブは死後の天国行きは無理だと自覚。この世での一生を終えるとすぐ、多くの人から“落ちろ”と言われた場所へ向かった。

 

杖をついたおじいさんが地獄の受付にやってきた。受付の男は日本で言う閻魔様!? 閣下と呼ばれ、スーツに立派な髭を生やした紳士。ヘンリーは自分で天国には行けないだろうと自覚していたが、閣下は具体的な犯罪名などがないといけないと言った。そこに現れた婦人はヘンリーと顔見知りだったが、あっという間に床下に落とされた。一瞬だけど床下は燃えたぎる炎に見えた。

 

閣下はヘンリーの話を聞くことにした。ヘンリーは上流階級の生まれで生まれた時から母にも祖母にも可愛がられ取り合いになり、子供の頃からモテモテ。

 

ニューヨークの大きな屋敷に住むヘンリーの家にフランス人のイヴェットがメイドとして応募してきた。フランス語を習っていると言うヘンリーと会話させるが通じなかった。イヴェットはヘンリーとフランス語で会話すればすぐ上達すると言って自分を売り込み、週給20ドルで働くことになった。

 

ヘンリーはキスした女性と結婚することになったと言うが、イヴェットはキスくらいで結婚しなくていいと諭した。

 

ヘンリー15歳の誕生日。家にはたくさんのプレゼントが届いていたが、ヘンリーは寝込んでフランス語のうわごとを言っていた。イヴェットに「すごく気分が悪い、とても胃が痛い」と答えるが、祖父母、両親は何を言っているか分からない。

 

イヴェットと恋仲になったヘンリーが父親のスーツを着て酒を飲みに行っていたことが判明。イヴェットはクビになる前に辞めると出て行った。女癖の悪さは誰に似たんだろうと家族会議になった。

 

26歳のヘンリーは相変わらずのプレイボーイ。優秀ないとこのアルバートは婚約しているから、あなたも落ち着きなさいと母に言われた。母には未だにお小遣いをもらっている。

 

アルバートの婚約者が家族でやってきた。祖父は田舎からようこそと結構失礼。ヘンリーも両家顔合わせのパーティーに出席し、婚約者の顔を見た。婚約者のマーサとヘンリーは顔見知り。以前、偶然、ヘンリーは街で美しい女性に出会い、後をつけた。本屋に入ったマーサに本屋店員として近付き口説く。しかし、しつこくて店を出たところで警官に声をかけられ別れた。

 

クーパー夫人の歌の時、くしゃみが出そうで部屋から出て別の部屋に行くとヘンリーがいてキスされた。部屋を出るがくしゃみが出て、アルバートから入ってくるなとジェスチャーされ、またヘンリーのいる部屋に。アルバートを愛しているのか?と聞くヘンリーに泣き崩れたマーサはニューヨークに憧れてた、カンザスの両親にはウンザリと言う。

 

ヘンリーは駆け落ちを持ちかけ、みんながいる前で出て行った。アルバートは落ち着き、ヘンリーとマーサの両親を慰め、クーパー夫人へ非礼を詫びた。

 

10数年後、ニューヨークは古い建物が壊されたが、ヘンリーの家はそのままあった。さらに歳をとった祖父。髭を生やしたヘンリー。息子。母は生きているが、父は孫の誕生を見届けて亡くなっていた。祖母ももういない。

 

結婚して10年。マーサは「息子を後で迎えに来る」という電報を残していなくなっていた。カンザスのマーサの実家であるストレーブル邸。大きなお屋敷でメイドや執事が黒人なのは南部だから? マーサの両親は不仲で長いテーブルの端に座り、会話は執事を通してしていた。

 

ヴァン・クリーブが訪ねてくると聞き、追い出せ!と怒鳴る父だったが、母が家に入れた。来たのはヘンリーのいとこのアルバートでマーサを連れてきた。アルバートは席を外しましょうとすぐいなくなり、母はマーサを温かく迎え入れ、父もマーサの荷物を持って後に続いた。

 

マーサ親子が居間で寛いでいるところを外から見ているヘンリーと祖父。暖炉前にアルバートがいて驚く。

 

そろそろ休むと部屋を出たマーサにアルバートは今でも気持ちは変わらないと告白する。しかしマーサはこの10年のことは後悔してない様子。

 

執事がマーサの部屋にヘンリーをあげていた。しかし、ヘンリーには別れましょうとキッパリ言う。別れたくないヘンリーは結婚10周年の腕輪をプレゼントするが、マーサの怒っているのは腕輪だった。

 

ヘンリーの財布に500ドルと1万ドルの腕輪の請求書が入っていた。1万ドルの腕輪はマーサへのプレゼントとして、500ドルの腕輪は誰に!?と責めると祖父がもうこれまでだと登場。しかし、何やかんやありまして二人は2度目の駆け落ちをした。浮気はしてたらしいが。

 

その後、毎年誕生日にプレゼントをもらうヘンリー。ある年は夫婦でミュージカルを観に行った。舞台女優の一人に目がいくヘンリーはその舞台女優に直接会えた。舞台女優のナッシュは手紙のお礼を言うが、大昔の文章だと言った。心外そうなヘンリー。自分は年取ってないと思ってるんだよな。19世紀の女たらし術は通用しないと笑う。

 

しかし、ヘンリーの目的は息子についた悪い虫に手切れ金を払っていたのだった。知り合いじゃないとして何歳くらいに見える?とナッシュに聞いたヘンリー。50歳くらいと言われてショックを受ける。実際は何歳なの?と聞かれ、50歳と答えた。あー、ズバリ当てられるのもショックだな。

 

息子のジャックは今夜デートすると言われ、100ドル渡すヘンリー。ナッシュの話になり、飽きていて別れ話を切り出せずにいたが、やっと言うとあっさり承諾してくれたと報告した。別れたのならそろそろ良家のお嬢さんと結婚しなさいと言うが、ジャックはまたしても別の舞台女優が好きになったと出て行った。

 

結婚25周年パーティー。マーサは疲れて休んでいた。ヘンリーとマーサは26歳から50過ぎまで同じ俳優が演じているけど違和感ないなあ。

 

マーサあてに電話がかかってくるが、ヘンリーが聞いても愛人だとふざけて教えなかった。それどころかヤキモチを焼いてくれたと喜んだ。本当は病院に行っていたのだと白状し、ダンスを踊ったがそれが最後の結婚記念日になってしまった。

 

60歳の誕生パーティー。従兄弟は73歳。おばは81歳。アルバートは同じ歳くらいじゃないの?? 結局アルバートは独身だったのかな。

 

ヘンリーは息子のジャックに言わず、取締役会にボーナスの前借りを頼んでいた。息子にはいい加減夜遊びはやめなさいと叱られた。一人で家にいるのは寂しい、本を読んでいたいけど目が悪くなったと言い訳。ジャックも独身?

 

本棚に大昔、本屋でマーサが買おうとしていた「夫を幸せにする方法」を見つけ、無言になる親子。浮気相手が若すぎる、50歳くらいの教養のある女性にしたら?と言われてしょんぼり。

 

ベッドで寝込んでいるヘンリーは看護師の手を握る。見た目はかっこいいけど気持ち悪いな! ベテラン看護師から金髪の若い看護師が交代で入っていく。若く美しいネリー・ブラウンから体温計を入れられ体温が43度に上がり、死んだ…と言うのがヘンリーの人生だった。

 

閣下に地獄行きを断られ、過去に付き合った女性達やおじいさんが助けてくれるだろうと天国へ送り出した。(終)

 

日本で言えば昭和18年の映画だけど戦争の影もない。カラー映画だし。ヘンリー役の人が違和感なく晩年のおじいさん役までやっていてすごいし、女たらしだけど、確かにカッコイイ。19世紀末くらいの上流階級ということで服装も美しく、思っていたより面白い映画だった。

 


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ヘンリー役のドン・アメチーの出演作を調べたら、知ってる映画はエディ・マーフィー主演の「星の王子ニューヨークへ行く」でした。その前に同じくエディ・マーフィー主演の「大逆転」という映画にも出演していたそうです。「大逆転」では金持ちの人種差別者。しかし「星の王子~」では同じ役でホームレス役だそうです。この動画だと最後にエディ・マーフィーとタクシーに乗ってる右側のおじいさんかな?