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ドラマの感想など

【ネタバレ】傑作推理劇場 宮原昭夫の砂の密室(主演・市原悦子)

宮原昭夫「若葉照る」(「日本ベストミステリー選集12」所収)

1981年8月18日 テレ朝

 

あらすじ

隣人・鈴木早苗(辻本厚子)の死体の発見者・森香緒里(市原悦子)は、警察の事故死の判断に納得がいかなかった。香緒里は藤沢署の若い刑事加賀美を味方にして独自の捜査を開始し、急死した平山の身辺をあらってみることにした。

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片瀬婦人俳句会会場。「初鰹」という季語で俳句を考えている市原悦子さん演じる森。句会はお上品な奥様方ばかりでみんな言葉遣いがキレイ。幹事の鈴木さん欠席が話題になっていた。

 

風の強い日、森が帰り際に近所の鈴木宅に声をかけてみたものの音沙汰なし。一戸建ての住宅街が全部セットなのがすごい。

 

一旦、家に戻り、もう一度鈴木宅に行く。カーテンの隙間から脚が見え、昼寝してるの?と声をかけ、もう一度カーテンの隙間から覗き見ると鈴木が頭から血を流して死んでいた!

 

内側から鍵がかかっており、刑事達(その中の一人は荒井注さん)は、昼寝してる時に壺が落ちてきてそれが頭に当たった事故死と断定。同時期に近所の地主の平山という年配男性が亡くなり、鈴木の葬式と重なった。隣り合った平山家の葬式会場に句会のメンバーがいることに気づいた森が呼びに行った。

 

平山の葬式にはその刑事達も来ていて、森の人影を見たという証言に対して「勤め人の母ちゃん(妻)は暇だもんなぁ。テレビや週刊誌の見過ぎだ」と笑い飛ばし「嫁らしく働かないで昼寝したりTV見てるからろくなことが起きないんだ」と同調する男性(西村晃さん)もいて森が近くにいるのに気付かず話していた。

 

森は「私週刊誌見ません。昼寝もしません。TVも教育テレビしか見ませんわ」と思わず反論した。大学の法学部に通う娘にも名誉毀損、信用毀損、公務員法違反の罪に当たると言わせ、「告訴します!」と毅然とその場を去った。いいぞ、いいぞ。これで黙って我慢する展開なら嫌だった。西村晃さんがじっと見つめていた。怪しいな?

 

地主の平山家に集っていた人々は昔から地元に住んでる人で森はやっとマイホームを建てた新しい住人なんだね。森も鈴木も旦那さんは単身赴任している。告訴されては敵わないと刑事の若い部下が謝りに来た(田舎なのでみんな遠い親戚)。警察がきちんと捜査してくれるなら告訴は取り下げると言い、若い刑事と捜査することになった。それを見ている西村晃。やっぱり怪しい。

 

平山のじっちゃんの親友の松木オヤジ(西村晃さん)に聞いてみようという話になり、松木は慌てて半鐘?を鳴らす。その音を聞いた爺さん達は聞き込みをされないよう姿を消した。

 

ついに爺さん達の居場所を突き止め、松木の家に行き、話を聞いた。半農半漁で暮らしてきたが、どんどん息子世代が土地を売り、マンションを建てた。

 

街モンと付き合うなと言いながら、森の膝の間に手を入れてきた松木。キモい!! 森は慌てて家を飛び出して若い刑事と再会した。セクハラされたことを言うが、笑い飛ばし、下心はないんですよ。田舎の嫁はみんなやられてますっておい!! ふざけんな!

 

若い刑事もじいさんたちから有力な証言は得られなかった。平山のじっちゃんは松木オヤジの離れで心臓発作で亡くなったことを刑事から知らされた。

 

翌日は朝から若い刑事になりすました松木に呼び出されて江ノ島の稚児ケ淵に向かった。洞窟の中にあるたくさんの風車を見ているとロウソクを持った爺さん集団に囲まれた。

年寄りに優しかった鈴木を訪ねてきた平山がいきなり抱きつくなどのセクハラをし、大声を出されたため、鈴木を殺した。親友の松木のところで話していたときに心臓発作を起こした。余所者相手に大恥晒すわけにはいかず、平山を守るためジジイたちが団結して証拠隠滅した。

 

いよいよ殺されそうになったとき森がラジカセで大音量でビートルズを流した。若い刑事も音を聞いて洞穴を探し回る。ラジカセの止め方が分からず投げつけて止めた。都合よく録音になるラジカセ。松木が大声で平山が殺人を犯したことをしゃべったことが録音されていた。

 

若い刑事が話を聞こうとすると岩が崩れ、松木が森を庇って亡くなった。警官達が駆けつけ、松木はタンカで運ばれ、ジジイたちが後をついて行った。

 

みんな人恋しくて寂しかったのね…と森は助かって独り言を言っていたけど、あのねえ、それとセクハラは全然違うぞ! 鈴木さんはおじいさん子で優しい気持ちで接していたのにそれをあんな返し方するとはね! 気持ち悪いジジイ達の話だったな。今なら大大大炎上話だね。

 

舅から嫁へのセクハラは私も母から聞いたことがあり(母が被害者ではありません)、心底気持ち悪いと思っていたところに”田舎の嫁はみんなやられてる”って笑いながら言ってるのが衝撃だった。

 

市原悦子さんが犯人の話かと思ってたら全然違った。

 

そういえば、若い刑事役だった岡本富士太さんというと「中学生日記」で先生だったな…と熱心に見てたわけでもないのに覚えてた。1989年から1996年まで南浩平として出演してました。ドンピシャ中学生時代! なんで覚えてたんだろう。