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【ネタバレ】日曜劇場 #14 乙姫先生(脚本/山田洋次・高田三郎)

1976年6月13日 TBS

 

あらすじ

北海道の小さな港町。都会でピアノの演奏家を夢見ていたが挫折し、高校の音楽教師をしている「乙姫先生」こと田鶴子(吉永小百合)。ある日、反抗的な態度をとる登(赤塚真人)に対し、田鶴子は怒りのあまり教室から追い出してしまうが、直後に登の母親が急死し、登は弟妹たちを養うために学校をやめることになる。山田洋次高田三郎の脚本によるHBC北海道放送創立二十周年記念ドラマ。

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北海道のローカル番組に川島広志(小野武彦さん! 若いっ!)という新進ピアニストが出演してインタビューされている。

 

小野武彦さんキリリとした感じだけど、この役はヅラ? ちょっぴり不自然な頭髪。

 

それを見ていた女性(吉永小百合さん)はテレビを消す。女性は「乙姫先生」とあだ名される音楽教師の田鶴子。

 

田鶴子の実家に川島が訪ねてくるが、田鶴子は高校の音楽教師になったと田鶴子の母親から聞かされた。

 

生徒の中にはやたらと反抗的な男子生徒・菊池(赤塚真人さん)がいた。

 

高校に母親から電話が来て、田鶴子の実家に川島が来たことを知らされ電話を替わる。

 

今は岩内に住んでいて、実家のある札幌まで汽車で2時間ほどかけて川島には会いに行くが、実家に寄らずに帰ってきた。

 

再び音楽の授業でふざけて茶化すようなことばかり言う菊池を教室から追い出した。しかし、その直後、菊池の母が危篤だという知らせが入った。

 

父親を3年前にアル中で亡くしており、母親の腕一つで育てられたが、その無理がたたったせいだった。通夜に参列した田鶴子に菊池は「昼間はすみませんでした」と頭を下げた。

 

幼い弟妹がいるため、高校を中退して漁師として働き始めた菊池の家に寄った田鶴子は、弟妹と夕食の支度を手伝う。

 

菊池が高校でふざけて歌っていたのは、キャンディーズの「年下の男の子」、弟が田鶴子の前で歌ったのは「東村山音頭」。そんな時代なんだね。

 

田鶴子の家には母親がお見合い話を持ってきた。女ってのは平凡でも結婚して子供を産むのが幸せなのよ〜だとさ。

 

このあと当時のCMがそのまま流れました。東芝のジューサー・ミキサーJIM(19,800円)、東芝乾式電子複写機(コピー)レオドライ(718,000円!)。そうそう日曜劇場といえば東芝だね。レオドライは白黒コピーが1分間で10枚。両面印刷できます、だって。

 

田鶴子が高校から帰ると菊池の弟・ススムがいた。長万部のおじさん(太宰久雄さん=タコ社長!)が来ていた。菊池兄弟の父親の妹と所帯を持ったものの、子供がいないまま妻は亡くなり、後添いと子供達4人と暮らしている。親戚との話し合いで引き取ることになった。みなしごとか厄介ごとを引き受けるのは自分とか子供の前で言うな。

 

田鶴子が独身か聞いて、もったいないなぁとかとにかくおじさん早口でまくし立てる。そして昼間からビール飲んでる。

 

川島から「明日ウィーンに発つ」という手紙をもらっていた。川島は結婚する相手がいるとか言ってたけど、お互い想いあっていたのかな。

 

夜、菊池が田鶴子の家を訪ねてきた。菊池は、弟妹を食わせていく自信がなく、おじさんの言う通り長万部に行くと話して泣きながら帰って行く。田鶴子も自分は何もできなかったと一人涙する。

 

出発の日、田鶴子は子供達にそれぞれプレゼントを渡す。菊池には授業中、散々からかわれた第九のレコードを渡した。

 

妹が「行きたくない」と田鶴子に言うが、菊池に引っ張られて汽車に乗って行ってしまった。うーん、切ない。

 

とにかく吉永小百合さんの美しいことと言ったら!

 

昭和のハンサムみたいな自虐があるけど、あんなの嘘! 昔の映画の俳優なんてみんなどの時代に存在しても充分美しい。

 

しかし、今の時代、1時間のドラマ枠があったらいい感じにまとまるハッピーエンドの話にするような気がする。でもこの日曜劇場は切ない感じが多いのねぇ。