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【ネタバレ】思秋期

2014年にWOWOWで録画した映画を観ています。 

思秋期 [DVD]

思秋期 [DVD]

  • 発売日: 2013/05/02
  • メディア: DVD
 

2011年 イギリス

 

あらすじ

中年のジョセフは、失業中の男やもめ。しかも毎日のように酒を飲んでは大暴れし、そんな自分をどうすることもできず心身共に疲弊していた。そんなある日、いざこざの末に駆け込んだ店で、従業員のハンナと出会う。彼女はジョセフを徐々に癒していくが……。

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映画『思秋期』予告編

これは以前も一度観ていて割と物語としては好きで残していたんだと思います。しかし内容は全く覚えていませんでした。

 

※犬に対する暴力的なシーンが何度も出てきます。予告動画を見ると全くそのシーンがなくてずるい。本編を観てショックを受けます。

 

改めて観ると、冒頭からジョセフという中年男はいら立ちで当たり散らし、自分の飼っていた犬すら蹴り殺してしまいます。そういう描写が今は耐えられないほど嫌になってしまいました。もっと昔の映画ならもっと過激な描写になってたかもしれないけど、そこはさすがに直接蹴る描写はありません。でも、あの犬の怯えたような鳴き声だけでも嫌。

 

バーでビールを飲んでいると、ビリヤードをしている若者たちが騒いでいる。うるさいと怒鳴りつけ、ビリヤードのキューを持って若者たちを店から追い出す。

 

イライラしながら向かった先は、洋服や雑貨を売ってる店で従業員のハンナが追い出すこともなく、ジョセフのために祈ってくれる。洋服の影で泣き出すジョセフ。

 

当たり散らして周りに暴力をふるいまくるような男に天使のような女性がいたもんですね!! 

 

夜、家の前に子供が一人座っていた。ジョセフが声をかけるとママが恋人といるから外に出されていると話した。その子供・サムに犬はどうしたの?と聞かれ、車に轢かれたと平然と嘘をつく。家に入ろうとしたら、バーで怒鳴りつけた若者たちに襲撃されそのまま倒れた。

 

翌朝、ケガをしたままの姿でハンナの店の前で寝ていた。紅茶を飲みながら、ハンナに何があったか聞かれると自転車で転んだと言った。ハンナは夕べも祈ってたと話すと、ジョセフは偽善者と罵る。

 

さらに、ハンナが高級住宅地に住んでいることを知ると、下界で何をしている? 夫や子供はいないのか?と不躾な質問をぶつける。静かに涙を流すハンナに動揺する感じもなく「お茶をありがとう」とジョセフは店を後にする。ハンナの住むところは高級住宅街らしいけど、ジョセフもろくに仕事もしてなさそうなのにまあまあ大きな家に住んでる。

 

ハンナは公園で小さな子供がいる親子をうらやましそうに眺め、家に帰り一人ワインを飲む。壁にはハンナと夫と思われる人物との写真。

 

ソファで眠るハンナに男が呼び掛けている。翌朝、夫・ジェームズが起きてきてハンナに「なぜ寝室に来ない?」と声をかける。ハンナはジェームズを拒んでいる模様。

 

ジョセフが親友を見舞う。人工呼吸器をつけ、自宅介護。ジョセフは、その親友の娘にも嫌われてるっぽい。

 

またしても、ハンナの店にジョセフが来る。昨日のことを謝りたいという。ハンナは店を閉め、ジョセフとバー(?)に行く。昼間からお酒を出してくれるような店でビールを飲むジョセフ。ハンナにも勧めるが神の教えに反すると飲まない。ハンナがジョセフに家族はいないのか尋ねると飼っていた犬を殺したと告白する。

 

ハンナを親友の枕元に連れて行き、神の祈りをささげる。人工呼吸器は外れていた。

 

その後、ハンナが家に帰ると、ジェームズから昼間店にいなかったことや男と一緒にいたことを指摘される。静かな口調ながら怖い感じがする。

 

ジョセフは犬小屋(日本だと物置小屋くらいの大きなもの)を大きなハンマーで叩き壊していた。サムには犬を思い出すからと話したが、サムの母親の恋人が「うるさい」と怒鳴りつけ、狂暴そうな犬を連れて近くに来ると、そのハンマーを犬に向けるし、犬を連れた男も挑発するから怖かったー。なんとか思いとどまったけど、もー、こんなのまた出てくるのかな。

 

また、ハンナの店を訪ねるジョセフだが、ハンナは目の周りにあざができていた。ジョセフを追い返すハンナ。ジョセフや店に来た客にはお風呂場で転んだと言っていたが、バックヤードで泣いていた。

 

親友の家を訪ねたジョセフは親友が亡くなったことを知らされ、またイライラして犬小屋壊しを再開。それにしてもでかい小屋だ。

 

ジェームズは暴力をふるったことをハンナに涙ながらに謝る。慰めるハンナ。ん~、DV男を引き寄せる何かがあるのかな。

 

親友が死んだことをハンナに報告に来たジョセフは「誰に殴られた?」と聞くが、あくまで転んだと言い張る。葬式に出るスーツを見繕ってもらい、ジョセフのネクタイを結んでいると、ジェームズが来る。急いで離れるハンナ。ジョセフが着替えでいなくなると、ジェームズはハンナを「アバズレ」と罵り、店を出ていく。

 

バーで飲んでいたハンナは何度もジェームズに電話をかけ、迎えに来てもらう。外では愛想よく、家の中では口汚く罵り暴力をふるおうとするジェームズを罵り返すハンナは性暴力を受ける。ハンナもなんでまたジェームズをピンポイントで怒らせることを言うんだろうな。

 

ハンナは家を飛び出し、ジョセフの親友の家に行き、娘からジョセフを呼んでもらう。ハンナのあざだらけの顔を見て、親友の娘に「どうしたらいい?」、「身につまされる?」と返され、言葉なくジョセフの家に連れていく。

 

ジョセフの妻は糖尿病からの心臓発作で亡くなったことを話すが、近所の犬の鳴き声がしてまたしても大きな声でわめき散らす。ハンナ、行き先を間違えてる。DV男からDV男のところに行っても何も解決しないよ。

 

ジョセフは他人と暮らすのは無理だとハンナに告げ、荷物は取りに行ってやるから家族か友達を頼れと突き放す。荷物を取りに行くが、ハンナは恐怖心から家に入ることができなかった。そのままハンナを追いかけ、家にはいかなかった。

 

いつものバーにいると、ジョセフの友人(?)から女性ものの服をもらった。

 

二人で親友の葬式に行き、離れていたところで見守っていたが、親友の娘が飲みに行こうと誘ってくれ、バーで友人たちと歌う。

 

家に帰ってくると、サムが大切にしていたぬいぐるみのウサギを犬にかまれていて大声で騒いでいて、思わず木の棒を持ち出すジョセフだったが、ハンナが家にいることで何とか我慢した。

 

ハンナに妻のことを聞かれ、ジョセフは大柄の妻を”ティラノサウルス”と呼んでいたが、何でも許す妻を踏みつけにしていたとハンナに話した。やっぱりジョセフも妻にやってたんだ。ハンナは、あなたはいい人とか言ってたけど、えぇ~?!

 

ジョセフはハンナに黙って鍵の束を持ってハンナの家に行った。インターホンを押しても誰も出てこなかったが、鍵を開けて入るとジェームズが血だらけで死んでいた。顔にハエもたかっていたから数日経ってる感じ。ハンナはジェームズにどんな酷い仕打ちを受けてきたかを告白する。

 

ジョセフがハンナに手紙を書く。

 

トムが犬にかまれて顔に大きな傷ができたことで、ジョセフはトムの家に乗り込み犬を殺した。虐待され続けた犬が狂暴化するのは当然としながら、その犬を殺すことで終わらせるなんて。ジョセフは逮捕され、1年ほどで出所し、住む場所も変えた。

 

ハンナのいる刑務所(?)にハンナの店で買った喪服で会いに行くジョセフ。ハンナは笑顔で迎える。つかの間の再会を果たし、歩いていくジョセフの後ろ姿。

 

はぁ~最後まで見てしまったけど、見るんじゃなかった。6年前の自分は面白い映画だとしてわざわざHDDに残してた。6年前の自分に復讐されたような気分。同じく残していた「アルバート氏の人生」がところどころ忘れたところもあったものの、切なく悲しいけど印象深い映画だったと感じたことに対し、この映画は、本筋はそこじゃないのかもしれないけど、犬が気になってダメだった。

 

ジョセフとハンナが一緒になったところでまた同じことになりそうだけどな。いけないことかもしれないけど、ハンナもハンナって思ってしまった。