1971年 日本
あらすじ
渥美清主演、寅次郎に初めてプロポーズする純真なマドンナ・花子を榊原るみが熱演する笑いと涙のシリーズ第7作。寅次郎の母・菊が久しぶりに柴又を訪れ、寅次郎も偶然そこへ帰ってくる。しかし、菊に結婚話を持ち出された寅次郎はけんか別れしてしまい、再び旅に。寅次郎は旅先で知的障害を持つ少女・花子と出会い、“寅さんのお嫁さんになりたい”とプロポーズして周囲は大仰天。そんななか、花子の身元引受人があらわれるが…。
2024.3.24 NHK BS録画。
花子とタコ社長は「たんとんとん」でも共演してました。
1971年4月28日公開で「たんとんとん」放送時期と近い。
冒頭は越後広瀬駅。寅次郎は集団就職の学生たちとその家族と居合わせ、学生たちを励まし、送り出した。
車寅次郎:渥美清…字幕黄色
さくら:倍賞千恵子…字幕水色
とらやに寅次郎の母親である菊が高級車に乗って訪ねてきた。ひっつめ頭にピンクのミニワンピース。ミヤコ蝶々さんも出てたか。菊は1年ほど前、寅次郎から世帯を持つという手紙をもらっていて、満男を抱っこして、とらやに来たさくらを寅次郎の妻と勘違い。おいちゃんが事情を説明する。この作品は初代おいちゃんの森川信さん。
寅次郎は父親が芸者に産ませた子供で、さくらとは母親が違う。菊とさくらは初対面で挨拶をする。菊は帝国ホテルに泊まっていると言い残して、去って行った。
帰ってきた寅次郎は、菊のことを聞いても、本当のお袋はおばちゃんで親父はおじちゃんだと言う。御前さまの娘の冬子も顔を見せ、冬子にはいい顔をする寅次郎。
タコ社長の印刷工場に行った寅次郎は労働者諸君!と話しかける。キャストクレジットで木下恵介アワーで見かける名前がちらほらあった。この中にいそう。
博が運転する車に乗って帝国ホテルに向かう寅次郎は「あなたならどうする」を歌う。
博は運転だけで、ホテルに着いてきたのは、さくらだけ。2年ほど前、寅次郎と京都で会ったがちっとも変わってないとさくらに言う菊。ミヤコ蝶々さんは同時期に「たんとんとん」では森田健作さんの母親役だったんだよなあ。
菊が一生懸命話しているのに寅次郎はベッドで飛び跳ねたりふざけっぱなしで脳が足りないんじゃないかと言い争いになった。菊は脳が足りない娘しか嫁には来てくれないと言い、結局、寅次郎は出て行ってしまった。部屋に残されたさくらが寅次郎をかばうと、菊は泣き出した。さくらがかばってくれたことが嬉しかったらしい。
結局、寅次郎は、とらやにも帰ってこなかった。
ラーメン屋
若い女の子がラーメンを食べていて80円の代金に1000円札を出した。店主(柳家小さん)が外に両替に行っている間に寅次郎に駅はどこか聞いてきた。店主が女の子にお釣りを渡し、店を出ていくと、寅次郎にあの子は頭のおかしい子だと言う。
人手不足で田舎のちょっと変な子でも頭数を揃えて、紡績工場へ送る。仕事ができなくて逃げ出す。変な男に捕まり、バーやキャバレーで働かされ、しまいにはストリッパーになってしまうのではないかと言う。
寅次郎が交番の前を通りかかるとさっきの女の子が交番にいて泣いていた。寅次郎は交番に入り、巡査(犬塚弘)にこの子は頭の薄い子だから強く言ってはダメだと優しく名前を聞き出した。名前は太田花子。住所は青森県西津軽郡鯵ヶ沢町驫木。寅次郎が青森までの汽車賃を出し、もし行けなかったら、とらやを訪ねろとメモを渡した。
太田花子:榊原るみ…字幕緑
花子がとらやを訪ねた。タコ社長は誘拐したのではないかと悪い想像をする。そのうち、寅次郎も姿を見せ、花子を少し頭の足りない子だと説明し、とらやで面倒みようということになる。
タコ社長の工場や御前さまの寺で働かせようとしたが、寅次郎がセクハラを心配して連れ帰り、とらやで働かせようとしたが、男性客に話しかけられる花子を過剰に心配し、客とケンカになった。
おばちゃんは寅次郎の「花子」という呼びかけがゾッとするとさくらと博に相談した。
河原で歌う花子。歌が上手い。福士先生の話をして、寅次郎は福士先生が好きなのか聞くと先生には奥さんがいるという話から寅さんに嫁がいない、寅ちゃんの嫁になると言う。寅次郎は、どこへも行くなと嬉しそう。
さくらと博の家に寅次郎が行き、それとなく花子と結婚したいようなことを言う。さくらは、おいちゃんおばちゃんに相談。寅次郎の思い通りにさせたいさくらと足りねえ同士で結婚かと渋るおいちゃん。
寅次郎と花子はデパートデート。
おばちゃんとヨモギを摘んでいた花子にふるさとに帰りたくないの?と聞くと、寅ちゃんが帰るなと言うからという答え。花子は「旅愁」を歌う。
福士先生(田中邦衛)がとらやを訪ねた。花子のことを小さい頃から目をかけていて、機械に振り回されるような仕事には反対だったが家庭の事情もあり、紡績工場に就職させたが、半年ほど行方不明になっていたと言う。福士を見て、花子は喜び、福士の話を聞いたさくらたちも青森に帰したほうがいいと感じた。
寅次郎が帰る前に花子は帰って行き、誰も事情を説明できなかったが、さくらが意を決して話し始める。寅次郎はすぐに荷物をまとめて出て行った。
雨の日。寅次郎の話をおいちゃんおばちゃんとしていたさくら。西津軽局の消印のついた速達が届き、まるで遺書のような内容にさくらが鯵ヶ沢へ向かう。珍しいね。
田野沢小学校へ行ったさくら。校庭では福士が体育の授業をしていた。花子は給食センターから運ばれた給食を校内へ運んでいた。
福士に話を聞いたさくら。寅次郎は花子の姿に安心し、福士と飲んで、次の日には仕事があると弘前へ行った。自殺はしてないだろうと東京に帰ることにしたさくら。帰りのバスで海で身投げらしい様子を見たさくらは不安になるが、岳温泉のバス停で寅次郎が乗り込んできた。
心配で怒っていたさくらも楽しそうな寅次郎に笑みが漏れた。(終)
なかなかの問題作のように思う^^; こういう役ってさ大体、若くてかわいい女性が演じるからモヤモヤしちゃうんだよな。寅さんがどこへも行くなと花子に言ったのは結局はバーで働かせる悪い男と一緒じゃないかと思ってしまった。