徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】【特集ドラマ】犬神家の一族 前後編

2023.4.22~29 BSプレミアム

 

あらすじ

前編

初回放送日: 2023年4月22日

スケキヨの不気味なマスク!菊人形と生首!湖から突き出す足!横溝正史の原作を映画テイスト満載で映像化▼戦後すぐ、財界の大物・犬神佐兵衛が他界。そして、ケガのためマスクで顔を覆った孫の佐清が復員する。だが、期待を裏切る遺言状に一族は反目、ついに第一の殺人が▼

後編

初回放送日: 2023年4月29日

スケキヨの不気味なマスク!湖から突き出す足!超有名原作を映画テイスト満載で映像化▼手形は本物だった!驚く一同を尻目にやがて起こる第3の殺人。そして明らかになる一族の禍々しい過去。謎の日本兵の正体は?マスクの下は本当に佐清なのか?待ち受ける衝撃のラストとは?▼

peachredrum.hateblo.jp

1976年の映画版、2018年のフジテレビ版を観たことがあります。今回は、小林靖子さんの脚本ということで見ることにしました。

フジ版の佐清と珠世は「花子とアン」の吉太郎(花子の兄)と醍醐さん(花子の友)です。この時はこのキャスト目当てに見ました。脚本が小林さんで珠世が臨ちゃんの「犬神家~」が見たかった。

アナザーストーリーズで1976年の映画「犬神家の一族」を取り上げていたのでこちらも見ました。それにしても…「岸辺のアルバム」を全話見た今もう一度、アナザーストーリーズの「多摩川水害と"岸辺のアルバム"」が見たいなあ。

 

ま、それはいいとして、当時、角川書店は中堅の出版社だったけど、オカルトブームに乗って昭和のおどろおどろしい話を書いていた横溝正史の小説を宣伝のために映画化することにした。当時、横溝正史は執筆を停止しており、映画ヒット後に再び探偵小説を書き始めた…など初めて知ることも多く、面白かった。

peachredrum.hateblo.jp

インタビューを受ける横溝正史さんと奥様の顔に見覚えがあると思ったら、映画に出てたもんね~。「犬神家~」じゃなく「病院坂~」の方だったか。

 

前編

戦時中のシーンから始まっている。爆発音から汽車に乗ってる松子と頭巾をかぶった男。

 

犬神佐兵衛翁死去の新聞記事を見ている金田一耕助

 

映画の印象も強いし、今回は脚本目当てで見たので、ちょっとキャストは気になった。正直、フジ版はキャスト目当てで見て、話はやたら軽い作りだったんだけど全体的にキャストは割と好きだった(金田一以外)。まず珠世さん…猿蔵はもっと大柄じゃないとさあ。旅館の女中もわざとらしいくらいの赤いほっぺ。

 

依頼者の若林が亡くなり、若林の上司の古館から改めて調査依頼をされた金田一

 

佐兵衛翁は結婚しておらず、3人の妾が産んだ姉妹は戸籍上は他人。佐兵衛翁が亡くなったのは8月1日。2ヶ月後、佐清復員の知らせを受け、松子が迎えに行くがそれから2週間音沙汰なし。竹子、梅子それぞれ家族はそのまま犬神家に滞在して松子と佐清の帰りを待っている。

 

古館、金田一立ち会いの元、犬神家の人たちを集めて佐兵衛翁の遺言状を聞く。佐清の顔が見えないことを古館が指摘。黒い頭巾の下にさらに白いマスクをかぶっていて、素顔はひどい傷。

 

古館が遺言状を読み上げる。3人の娘たちに一言もなく、珠世や佐清たちが死亡した場合、青沼菊乃の息子・静馬が全財産を相続するという遺言状に娘たちは怒り狂う。

 

那須神社で犬神佐清が戦争に行く時にとった奉納手形があり、竹子や梅子たちが佐清に手形を押すように言うが松子は拒絶。

 

佐兵衛翁の遺影の前に立つ佐清に珠世が声をかけ、子供の頃に佐兵衛翁からもらった懐中時計の話を佐清にするが何も言わずに立ち去った。

 

柏屋という旅館に顔にマフラーを巻いた兵隊服の男が現れた。

 

翌朝、菊人形の首の一つが佐武になっていて、遺体を切断した湖畔に珠世のブローチが落ちていた。珠世に事情を聞くと、夜、佐武に懐中時計を渡し、帰ろうとしたが、佐武に襲われかけた。珠世さん、声がかわいいな〜。

 

佐智に呼び出された古館。佐清が手形を押すという。梅子一家と珠世、松子の目の前で手形を押す佐清。部屋を出た珠世は猿蔵に「私、とんでもない間違いをしてたのかしら」と話しかけた。

 

柏屋に磯川署長がいた。昨夜泊まりに来た山田三平という兵隊服の男が血濡れの手拭いを残して宿をあとにしていたという話を聞いていた。

 

犬神家では手形が佐清本人のものであることが証明され、佐武の首から下の遺体も発見された。懐中時計は発見されず。金田一は佐兵衛翁のことに興味を持つ。

 

佐武の通夜。盲目のお琴の先生が松子の稽古に訪れたが、通夜だったので帰って行った。

 

金田一那須神社の大山から奉納手形のことを進言したのは珠世だと聞き、事情を聞こうと探す。

 

珠世は小夜子に呼び出され、佐智を取るなんてずるいと責められる。 

 

佐兵衛翁の遺影の前に迷い込んだ金田一に松子が父はアメ玉ひとつくれませんでしたと語る。

 

後編

松子、竹子、梅子の母親たちを住まわせるために入り組んだ作りになっている犬神家。

 

絶対誰にも言わないでという小夜子と手を取り合う珠世。その場に残った小夜子と別れた珠世の部屋に兵隊服の男が忍び込んでいて、小夜子が逃げていく兵隊服の男を目撃し、猿蔵が追いかけた。

 

湖畔にいた佐清は掠れた声で「警察に話す」と言い残し去って行った。珠世は金田一に懐中時計のことはお忘れくださいと言い、佐清に違和感があると言う。

 

ボートに乗っていた珠世を呼びに来た佐智は、珠世にハンカチを当てて眠らせ、廃屋まで運び、珠世の服を脱がせようとしていた。そこにマフラーで顔を覆った兵隊服の男に殴られた。猿蔵は何者かに電話を受け、珠世のいる廃屋へ。縛られていた佐智を一発殴って珠世を運んだ。

 

一晩帰らなかった佐智。小夜子は珠世を責める。

 

猿蔵は珠世と小夜子を連れて廃屋へ。佐智は首に琴糸を巻かれ、廃屋に吊るされていた。映画版と発見された構図が逆だ〜。

 

梅子は佐清が佐武、佐智を殺したとなじるが、竹子は青沼静馬がやったのではと話し始める。松子たち姉妹より若い菊乃と関係を持った佐兵衛翁との間に生まれた静馬。松子たちは菊乃の住んでいた家を探し出し、静馬の背中に火箸を当てた。映画だと菊乃を裸にしてたよね。佐智のいた廃屋は菊乃が住んでいた家だった。

 

小夜子は妊娠していた。

 

金田一は古館に本当の犬神佐兵衛を教えて欲しいと言う。斧琴菊になぞらえた殺人ならまだ斧が残っている。金田一那須神社に行き、大山に事情を聞く。神官の大弐と佐兵衛は衆道の関係にあったが、後に大弐の妻の晴世と関係を持った佐兵衛の間にできた娘・祝子が誕生。大弐は2人の結婚を許さず、祝子を実子として届出。祝子の娘が珠世。

 

こうハッキリと衆道という言葉が出てくるのは珍しい。大体、すごくお世話になった人の娘、みたいな扱いじゃなかったかな。

 

金田一、猿蔵、珠世でボートに乗り、廃屋へ向かう。廃屋で暴れていた兵隊服の男は青沼静馬ではなく佐清だった。

 

犬神家ではマスクをかぶった男が松子に「お母さん」と語りかけていた。

 

病室で佐清は全てを終わらせようとしていたと金田一に話す。

 

古館、金田一、磯川で松子から事情を伺おうとしたが、竹子や梅子も押しかけてきた。金田一は松子が事前に遺言状を見たのではないかと推察。珠世が災難にあったため、松子の犯行と思い込んで遺言状を見せた若林は怯えてしまい警察に行くと言い出し、松子は博多に行く前に毒入りタバコを渡した。

 

佐武、佐智を殺したのは松子。佐武を菊人形に飾りつけたり、佐智を吊るしたのは佐清になりすました青沼静馬が入れ替わって手伝っていた。

 

ビルマで出会った佐清と静馬。待機を命じられていた井戸に爆弾が投げ込まれ、静馬は大火傷を負い、佐清は自分の失策で多くの部下を死なせてしまい、本名を名乗れず、山田三平と名乗った。帰国して静馬と再会した佐清は松子が佐武を殺したところを偶然見てしまい、松子を殺人犯にしたくないと遺体を隠した。

 

珠世の懐中時計を持っていたのは松子。手形を押したのは佐清。遺体をボートで運んだのは静馬。佐清は静馬に乗っ取られても仕方がないと思った。静馬が欲しかったのは母親。

 

静馬は復讐に見せるのが一番いいと細工をした。佐清は全てを終わらせるために死のうとしたが失敗。松子は犬神家の財産は菊乃の子供である静馬には絶対に渡さないと力強く言い、キセルを吸い始める。

 

そんな中、静馬死亡の一報が入る。

 

松子は毒入りタバコを吸って倒れた。

 

おお〜! ここに来て湖から飛び出る脚が!

 

松子は静馬と気付いていたのではないかと金田一は言う。静馬の体を拭いた時に背中の傷に気付いた松子。

 

犬神家を後にした金田一佐清から珠世と結婚するという手紙が届いていた。

 

佐清に面会に行った金田一佐清の刑期は1年ほど。火事の時、郵便ではなく子供に手紙を預けたこと、母親の犯罪を見過ごし、静馬のなりすましを許したのは善意なのか悪意なのか佐清に問う金田一。うおお! やっぱりすげえや、小林さん!

 

金田一さん、あなた病気です」という言葉を残して去った佐清。愛は残酷だ、ただそれだけではないという金田一。(終)

 

ほ~。下書きが保存できませんと何度も出てついに白い画面になって全部消えたかと焦った。はてなブログの不調だったらしい。残っててよかった。

 

小林靖子さん脚本の「侍戦隊シンケンジャー」きっかけで一時、特撮にハマりました。結論は特撮の世界というより小林靖子さんの脚本が好きだということ。他に好きなのは「仮面ライダー龍騎」や「ゴーバスターズ」などなど。小林さん以外だとクウガは面白かった。シンケンキャストにはまた小林脚本の作品に出てほしいんだよなあ。シンケンジャーのその後とかじゃなくて、オリジナルの非恋愛系がいいな。

 

正直言うと話はめちゃくちゃ面白かった。でもキャストが最後まで気になったかな。珠世は美女じゃないと、猿蔵はデカくないととかくだらないルッキズムなんだろうか。吉岡さんは白髪頭なんだけど声はすごく若くてそれも違和感あったな。

 

ツイッターで感想を読むと佐清の人物描写が新しい!という人とこういう改悪は嫌いという人に分かれていた。私は前者だったけど、いろんな見方が見えて面白かった。自分と違う感想を見つけて面白いと感じる時とナニコレ?と思う差は何なんだろうなー?