あらすじ
冴えない高校教師マーティンと同僚3人は、ノルウェー人哲学者の「血中アルコール濃度を一定に保つと、仕事の効率が良くなり、想像力がみなぎる」という理論を証明するため、実験を行うことに。朝から飲酒を続け、常に酔った状態を保つことで授業も楽しくなり、生き生きとしてくるが・・・。
2023.3.7 ムービープラス録画。第93回アカデミー賞国際長編映画賞受賞作品。CS初放送。
“青春とは? 夢である
愛とは? 夢の中のものである
若者の集団が湖畔でビールケースを運んでビールを飲む。吐いたらタイムが引かれる。吐くシーン映さないでよ。集団はそのまま電車に乗って騒ぎ、他の乗客にもビールを配り騒ぐ。
職員室?では新学期からアルコールは禁止しようという話になる。マーティン(マッツ・ミケルセン)は高校の歴史教師だが、生徒たちはつまらなそう。その上、歴史の成績が足を引っ張るのは困ると評定にも文句を言われた。
同僚教師ニコライ(マグナス・ミラン)40歳の誕生日パーティー。男ばかり4人がレストランに集まり、ワインを飲む。ニコライは「ノルウェー人の哲学者・フィン・スコンドゥールは人間の血中アルコール濃度は0.05%が理想で、運転する時も飲んだほうがいい」という話をし出した。0.05%とはワインならグラス1〜2杯で保てる。リラックスした状態で気持ちが大きくなれる。
ニコライたちはマーティンがストレスがたまっているのでは?と心配する。北欧産のバエリ・キャビアが運ばれ、店員からウォッカを勧められ飲む。マーティンも帰る頃には酒が抜けるからと同僚に勧められ飲み始める。
メイン料理に合うワインも運ばれた。ニコライはマーティンを心配して話を聞く。マーティンの妻・アニカは夜勤ばかりで顔を合わせることが少ないと答えた。他の同僚もマーティンが昔習っていたジャズバレエを踊るように言ったり、外へ出ても青年のようにはしゃぐ。
翌朝、車で学校に行ったマーティンはトイレの個室で瓶の酒を飲んだ。授業も生徒たちを黙らせてから始めた。
学校帰り、ニコライに出くわしたマーティンはこっそりカバンの中に入っている酒を見せ、運転できないと言った。ニコライが運転して、パーティーで一緒だった同僚の家に向かった。
血中アルコール濃度0.05%が理想という仮説の検証
実験の内容
血中アルコール濃度を常に0.05%に保つ
実験の目的
飲酒が心と言動に影響を及ぼす証拠を集めること。そして仕事の効率と意欲が向上するか調べる。
飲むのは勤務中だけ、夜8時以降と週末は禁酒。4人で実験することになった。
マーティンの授業。生徒たちをしっかり注意することができるようになり、生徒が興味を持つような授業を始めた。
同僚のトミー(トマス・ポー・ラーセン)は少年サッカーのコーチをしながらペットボトルに入れたの酒を飲む。水を忘れた少年が飲みたがるが、仲間の水を飲ませた。体育館の用具室にサッカーボールを片付けに行ったトミーは事情を知らない同僚から酒瓶が見つかったと知らされ、シラを切る。
職員室で問題になるが、犯人は見つからず。マーティンたちは集まり、油断したと話し合うものの人によってアルコール濃度の差があるとし、飲酒をコントロールできるとして止めようとはしない。
第2章
血中濃度値の変更
アルコール摂取量は個人が適量と判断した量とする
実験の目的
心理的影響に関する証拠を集め仕事の効率と意欲が向上するか調べること
各国の政治家たちの酔っ払い?映像が流れる。誰だっけ? あの足元がふらついた白髪の人は? クリントンとボリス・ジョンソンくらいしか分からなかった。
マーティンは0.05%から0.12%に増やした。実験仲間のトミーやピーター(ラース・ランゼ)が気付くほどフラフラで壁に激突して鼻血を出した。
授業中、生徒の一人に飲酒量を聞くマーティン。高校生なんだよね?? マーティンは湖を周回する間にビールを飲んで速さを競う湖レースの話を生徒たちに持ちかけた。生徒たちは全員参加。マーティンの言葉に生徒は盛り上がる。冒頭のレースはこの高校の恒例行事?
廊下でマーティンの授業を見ていたニコライはマーティンにアルコール濃度を聞き、0.1%と聞くと、素晴らしい!と肩を叩いた。
同僚たちもそれぞれアルコール濃度が増えていく。
トミーはアルコール濃度0.06%でコーチをする。いつも水を忘れるメガネ坊がゴールを決め、チームは盛り上がる。
音楽教師のピーターは悩みを抱えた生徒の話を聞く。医学部に入れないと泣く生徒に試験前に酒を飲んだら?とアドバイスする。
マーティンは家族でカヌー旅行に行った。アニカは最初は本気にしていなかったが、いざキャンプに来ると楽しそう。夜はテントで激しく…急にそんなシーンになって驚く。アニカはずっと壁を感じていたと本音を明かす。
4人は再び集まり、ニコライがアルコールが及ぼすあらゆる影響を調べたいと言い出した。ビールを7~10本飲んで“点火”状態にしようという提案にマーティンは家族の時間を大事にしたいと乗らなかった。他の3人はキツいお酒を飲み始める。
第3章
血中濃度の限界
血中濃度の最高値を目指したアルコール摂取の実験。実験の焦点は解放感が生む心理的影響の観察。負の干渉を避けるためプライベートな空間で行う。
マーティンは帰ろうとしたが、グラスに手が伸び、乾杯して飲み始めた。あちゃー。レコードをかけ、ノリノリの4人。マーティン以外はダンスを踊る。アルコール濃度は0.18%に上がる。
酔っ払ってフラフラのまま買い物に行き、タラを釣る。酒場で他の客と歌う。
帰ってきたニコライはなんとかベッドに入るが、お漏らししてしまった。妻は子供の世話は任せられないと幼子3人抱えて妹の家に行ってしまった。
マーティンは道路で寝ていて通りかかった息子に助けられた。アニカにあなたが分からないと言われ、マーティンもまた休暇前に戻ってしまったと言い、誰か他にいるんじゃないかと指摘した。待つのに疲れたというアニカにマーティンは俺を待たなくてもいいと声を荒げ、出て行った。
血中アルコール濃度は0.05%が理想という仮説の検証はこれにて終了する。社会的生活に支障が生じアルコール依存症になる恐れが出たため。
臨時の職員会議
構内の至る所に飲酒の跡があるという指摘。遅れて入ってきたトミーはフラフラ。マーティンがなんとかベッドまで運ぶが、家は酒瓶だらけ。酒はやめとけとマーティンに言われても何かあると冷蔵庫に手が伸びるトミー。帰り際、トミーはマーティンにこのままじゃダメだ、勇気を出せとアニカとの仲を気遣う。
アニカと喫茶店で再会したマーティンはアニカにこれまでのことを謝ったが、アニカはもう遅いと言う。マーティンは愛していると伝えた。しかし、アニカは去って行った。
ピーターが悩みを聞いた生徒は試験を前に泣き出して教室を飛び出してしまい、ピーターは追いかけてペットボトルの酒を飲ませた。生徒は落ち着いたのか口頭試験を淀まずしゃべり出す。
マーティンの歴史の生徒たちは合格し、ピーターが酒を飲ませた生徒も合格した。
トミーは飼い犬と一緒に船に乗って海へ。救命胴衣は着用せず。
卒業式
華やいだ雰囲気の中、マーティンがニコライから耳打ちされた。
教会に行ったマーティン、ピーター、ニコライ。少年サッカーチームの子供たちも来ている。トミーに捧げる酒を飲むマーティンたち。
レストランの席に着く3人。通りを卒業生たちがバスに乗って通り過ぎていく。港で生徒たちに再会したマーティンたちはやっぱり飲んで、マーティンはダンスを踊る。ダンスは激しくなり、生徒たちも盛り上がり、マーティンは海に飛び込む。(終)
え!
マーティンたちの学校って水産高校みたいなところなのかな〜? 生徒たちが卒業式でかぶっていた帽子が水平さんみたいで(イメージ)。
結局、酒やめようとならなかったのがリアル。