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ドラマの感想など

【ネタバレ】橋田壽賀子脚本ドラマ 心 第9話「みんな勝手」

TBS 1980年6月19日

 

あらすじ

東京・神楽坂のとんかつ店「一村」を舞台に、互いを思い合う姉弟愛がテーマ。 糸(山岡久乃)、平(宇津井健)、寛(篠田三郎)、友(長山藍子)という4人の姉弟がいた。糸と平は両親代わりとなって、年の離れた寛と友を育ててきたが、友はお客と駆け落ちし、家を飛び出していた。ある日、家業を盛り立てるために40歳まで独身を貫いてきた平が結納を迎えることに… そんな中、友が姉たちの前にひょっこり姿を現す。

2023.4.17 BS11(イレブン)録画。

心

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とんかつ「一村」

昼休憩、平あてに“田中”から電話。出かけるという平に糸はプリプリ怒る。そこに阪神の野球帽をかぶったター坊が帰って来て「遊びに行っていい?」と友に聞いてくる。友は宿題してからと言うが、糸は子供は遊ぶのが仕事と公園に行かせる。

 

糸と友は茶の間でお昼。ご飯かっこみながらしゃべる、しゃべる。ター坊が置いていったランドセルからはみ出していた「ぼくのおかあさん」という絵を見ると、友には似てない。絵はター坊の本当の母親だと糸に話す友は、やっぱり本当の母親には勝てないとがっかり。糸はたかが2年の付き合い、本当の母親は10年の付き合いだと笑い飛ばす。

 

食堂

遊園地で弁当の注文を取れたと報告する宮寺(前田吟)。こちらもラーメンを食べながら。

 

とんかつ「一村」

平不在の厨房では折り詰め作り。帰って来た恵一(田原俊彦)に糸が哲子(杉田かおる)に弁当を持って行くように言う。哲子は5人兄妹の末っ子、両親は既に亡く、中学から帰って来ても兄嫁は糸のように気を利かせてご飯を出してくれるような人じゃなかったから、いつもお腹を空かせていたと話す。実の兄弟でもやっぱり他人が入ると、ね…みたいなセリフが橋田ドラマって感じだな~。

 

ほかの兄弟も当然のように中卒で就職。両親が生きていたらまた状況は違ったかもしれないという哲子。恵一には、ここの家族は優しい、恵まれている、高校に行けるのなら行った方がいい、哲子はいずれ小さなとんかつ屋を開くのが夢だけど、やはり高校へ行きたかったと語る。

 

平はこれから毎日600円の折り詰めを50個作って配達すると言う。糸はどこの女に頼まれたとまたプリプリ。

 

夕方、ター坊は「お母さんはどこにいるのかなあ」と恵一に言うが、恵一はお母さんは死んだものと思えと返す。

 

圭造(桜井センリ)が夕方、ふらりと店に現れた。ハナが母親の看病で実家に帰っていて食事ができない。毎日食事を届けると平が言い、圭造はビールを注文。これから診察があると言っても大介がいるから大丈夫らしい。圭造は友が店の仕事で忙しく子供たちだけになるのが心配だと言うが、友は自分は本当の母親じゃないからかかりきりになってべたべたしない方がいいと言う。

 

中華料理店

寛と伸子(東てる美)。寛の就職話に伸子はいざとなったら私が食わせてやると話す。それにしても大学の研究所で働く寛は薄給で独立できないという話だけど、そんなものなの? ただし、就職先は結構あるらしい。

 

芸妓置屋「川本」

帰って来た伸子は寛が就職を考えている東西工業の社長がお座敷に来ていると聞いてお座敷に出ることにする。母親の志津はしょっちゅういろんなところに行っていて(今回は北海道)不在の設定。

 

東西工業の社長・三條(山村聰)に寛を紹介しようと伸子はお座敷の帰りに「一村」に連れてくる。しかし、寛から就職の話を聞いていなかった糸は寛を会わせないで、勝手に就職の話を断った。糸は芸者の娘である伸子が気に入らず、伸子にだけ就職の話をしていた寛も気に入らない。

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三條役の山村聰さんは昭和27年の映画でも貫禄あるおじさん。三條の部下らしき男性は奥野匡さん。「ライク・サムワン・イン・ラブ」という映画で84歳で初主演。昔のドラマを見ているとちょこちょこ名前を見かけます。「岸辺のアルバム」にも市の係員として出演。

 

一村家

寛から就職して独立するつもりだと聞かされた糸はやはりケンカになり、糸の怒りは平や友に向く。

 

翌朝6時、平が一人で作ろうと思っていた折り詰め作りを哲子たち従業員や糸や友も手伝う。本当はこういうの美談にしちゃいけないんだろうけどね~。その後、村瀬商事から今度の土曜日に2000円の折り詰め150個の注文がくる。景気のいい話だ。しかし、宮寺の注文も100個入っていて、平は「佐和」に注文を回すことにした。

 

小料理屋「佐和」

直接出向いて話をした平。うちは弁当屋じゃないんだよと渋い顔の喜和だったが、佐和はこれからは何でもやっていかなくてはと注文を引き受けた。

 

とんかつ「一村」

ブーブー言う糸に商売はお互い様だと平は言う。(終)

 

予告

いつものように河岸に行くときに待ち合わせする平と佐和。恵一に勉強を教える寛。

 

糸は姉弟だけでずっと暮らしていきたいのかね。寛みたいに高給取りになる可能性があるのならその方がいいじゃんねー。寛だって肩身の狭い思いまでして実家にいることないし。すべてにおいて糸が過干渉すぎるんだよね。かといって時代のせいか、お姉さんも趣味を見つけたら、いい人見つけたらなんて誰も言わない。