徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】風ふたゝび

1952年 日本

 

あらすじ

夫と別れ、叔父の家に身を寄せる香菜江(原節子)は、大学教授の父が倒れたのをきっかけに2人の男性と知り合う。亡き妻と瓜二つの香菜江に求婚する資産家・道原(山村聰)と、青年学者・宮下(池部良)。香菜江は宮下と惹かれ合うが…。

原節子さんというと、10年近く前、BSプレミアムで観た「お嬢さん乾杯」という映画が面白かったです。綺麗な人だとも思いました。

 

香菜江←この時代にしては、すごいオシャレな名前に思える。

 

仙台出身の香菜江は東京・渋谷の叔父夫婦の家に暮らしている。自分の好きな人と結婚したものの汚職で逮捕され、別れた。いいお婿さん見つけてあげるよ、と叔父から言われている。

 

香菜江の父であり、大学教授の久松は上京した折、上野駅の階段から落ち、ケガをしてしまった。父の弟子である宮下の自宅がある阿佐ヶ谷に運ばれていた。香菜江は世話をするため、宮下宅に寝泊まりすることになった。すごい展開!

 

父が乗った汽車で10万円の盗難事件があり、父が疑われていると川並陽子という香菜江と女学校の同級生に聞いた。寝込んでいる父にそれとなく聞くが事件そのものを知らなかった。

 

お金を盗まれたという道原に直接会いに行った香菜江。道原は香菜江にしばらく見惚れていた。道原は香菜江に軽率だったと謝った。そそくさと帰った行った香菜江。道原が香菜江に見惚れていたのは、間もなく7回忌を迎える道原の妻にそっくりだったせいだった。

 

道原は香菜江が気に入り、周囲に後妻にもらおうかと話していた。香菜江の就職先を道原が世話してくれた。香菜江が働いてるのは映画館??? 宮下が就職先に様子を見にきてくれた。とても楽しそうに話す香菜江。他の人が書いたこの映画の感想を読むと、元々働いていたのが映画館の売店の売り子で新しい職場はラジオ局らしいです。

 

人間関係のゴタゴタが嫌で八百屋をやろうと思っているという宮下にやっぱり科学者に戻った方がいいという香菜江。

 

北海道に出張に行った宮下からハガキが届いた。職場にはクリスマスツリーが飾られていた。年明けスキーに行こうとも書かれていて香菜江ウキウキ。

 

香菜江の父が再び上京。父はフッ素の研究をしていて、盗難事件をきっかけに道原と仕事のつながりを持っていた。宮下に技師長を任せたいと父は思っていた。

 

叔父の家に電報が届き、宮下の帰りが4〜5日遅れると知り、道原に宮下を紹介しようと思っていた香菜江は道原の家を訪ねた。

 

年が明け、貸衣装の晴れ着で道原家を訪問する香菜江。叔母には宮下が帰ってきたら道原家を訪ねるように言付けた。宮下は無精髭のまま道原家に来た。道原の友人たちが酔っ払って訪ねてきて、香菜江が道原の亡き妻に生き写しで驚いていた。

 

宮下は道原の樹脂工業の仕事より北海道で仕事がしたいと断った。香菜江がどうして仕事を断ったの?と聞いてもロクに返事もせず、帰ってしまった。晴れ着のまま、道原家を抜け出し、宮下の家にいた香菜江は市場の仕事を辞め、北海道でジャガイモを凍らせない研究をしたいという宮下の考えを聞いた。

 

道原家に香菜江が戻ると、宮下がお茶を立ててくれ、プロポーズした。香菜江は驚き、困惑していた。帰って叔母に道原から結婚を申し込まれた話をすると、あのお屋敷の道原さん!とすごく喜んだ。

 

宮下は香菜江に気持ちがありながら伝えず、北海道に発つつもりでいた。道原、宮下と共通の友人であり、香菜江の同級生でもある川並に宮下は香菜江あての手紙を託した。んー、川並陽子、顔が広い。どうやら本屋の店主らしい。

 

道原の法事の手伝いに来ていた香菜江に川並が手紙を届けに来た。香菜江を愛し始めて科学者としての情熱が呼び覚まされたと書かれていた。今夜、北斗で東京を発つと知り、喪服を大急ぎで脱いで、駅に向かおうとした。道原は車を用意してくれて見送ってくれた。汽車の中で宮下を捜していた香菜江は宮下と再会して笑顔を見せた。(終)

 

最初からずっと香菜江は宮下が好き。道原はお金持ちだけど、いつも着物でじいさんに見えて、こっちはないだろーって思って見ていた。当時の俳優の実年齢は原節子さん32歳、宮下役の池部良さん34歳。道原役の山村聰さんが42歳! 10歳違うだけか〜。香菜江と宮下の初々しさも20代だと思ったから余計歳の差があるように見えた。完全に横恋慕だったけどサッと身を引いた道原は大人だったな〜。

 

そういえば道原の10万を盗ったのは川並陽子が自ら告白したと書かれてるサイトもあったが、原作の話? それとも見逃した? 道原の家に来ていたお律さんという女性が杉村春子さん。叔母さん役の南美江さんは、おばあさん役でよく見かけた女優さんだった。香菜江が宮下に対して笑いながらしゃべる感じがめちゃくちゃかわいかった。