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【ネタバレ】天井棧敷の人々 4K修復版

1945年 フランス

 

あらすじ

アルレッティ、ジャン・ルイ・バロー共演。マルセル・カルネ監督が、19世紀、パリに生きるさまざまな人間たちをドラマチックに描く映画史上の古典的傑作。劇場がたち並ぶ“犯罪大通り”。パントマイム役者のバチストは踊り子のガランスに恋をするが、無頼漢や俳優、伯爵、さまざまな男がガランスに魅了されていた。一方、座長の娘ナタリーはバチストに思いを寄せるが…。最新技術で映像と音声を修復した4K修復版での放送。

2022.1.27 BSプレミアム録画。3時間超えの映画のため1年以上寝かせてしまった。フランスの公開日は1945年3月9日。東京大空襲の前日。もちろんモノクロ。

 

第1部 犯罪大通り

人のごった返す街並み。肉体美を見せつける男性や簡易的なメリーゴーランド的なものがあったり…お祭り? 見せ物小屋の前では中に入ると全裸の女がいると男たちが宣伝する。

 

フレデリックというシルクハットの男が通りで見かけたガランスという女性をナンパする。フレデリックはガラガラ声だね。

 

パントマイムを見ていたガランスは隣に立った男から金時計を盗んだと疑いをかけられたが、舞台上にいたバチストがパントマイムで再現して疑いを晴らした。花を渡してお礼を言うガランスに見惚れるバチスト。

 

ヒュナンビュル座は無言劇団。舞台上で劇団員同士がケンカし、幕が下ろされるが、観客は幕を開けろと大騒ぎする。面接に来ていたフレデリックが舞台に立とうとするが、座長が呼んだのはバチストだった。

 

フレデリックはバチストの下宿の空き部屋を紹介された。フレデリックは、ふくよかな女主人に甘い言葉をかけて手を出す。バチストは外に出かけ、盲人のふりをして物乞いをしていた男・“絹糸”に誘われ飲み屋へ。

 

表は代筆業、裏では強盗・殺人をしているラスネールという男と来店したガランスを見つめるバチスト。“絹糸”は、あの女はやめておけと忠告する。ピエールの目の前でガランスとダンスするバチストにピエールの子分のアブリルが殴りかかるが、バチストが殴り返し、ガランスと店を出て家へ送った。

 

道端で甘いムードになったところで雷雨になり、住み込みの仕事を辞めたというガランスを連れてバチストの下宿へ。女主人に声をかけ空き部屋に案内すると目の前でガランスが雨に濡れた服を脱ぎ出し、バチストはドギマギしたがキスを交わし、部屋へ戻った。

 

夜明け前、窓を開けて服を乾かしていたガランスは同じくベランダから顔を出したフレデリックと再会。独り寝は寂しいだろうというフレデリックに鍵は開けてあるというガランス。ノリが軽いね〜。似た者同士。

 

生演奏の無言劇中、座長の娘のナタリーが「バチスト」と声に出してしまう。舞台袖で座長に叱られたが、ナタリーはバチストから絶望が見えるという。舞台裏、ナタリーはバチストにフレデリックとガランスは同棲していると現実を突きつける。ナタリーはバチストに好意を持っている。

 

フレデリックは無言劇に不満タラタラ。楽屋で同じく劇団入りしたガランスに寝言でバチストと言っていたと話す。

 

楽屋に大きな花鉢を持ち込んだ紳士は芝居に大感動してガランスを口説く。最後にモントレー伯爵と名乗り、名刺を置いて出て行った。あの男もフレデリックも自分自身も大嫌いだと荒れて花を棒で叩くバチスト。

 

ガランスの知り合いだと名乗るフォレスチエが男に殴りかかり、ガランスも取り調べを受けた。下宿の女主人にフォレスチエと名乗っていたのはラスネールで、ガランスは以前の金時計窃盗疑惑の話まで持ち出され、やむなくモントレー伯爵の名刺を差し出した。

ここまで第1部。

 

第2部 白い男

数年の時が流れて

 

フレデリックは今や別の劇団にいるが相変わらず女性関係にだらしない。バチストが芝居で評価されていることを気にしている。楽屋を出ると妻を寝取られた男や借金取りにボコボコにされ、そのまま芝居の稽古に出た。本番は脚本を無視してアドリブ芝居をする。観客は面白がって拍手を送ったが、幕が下りて脚本家たちは侮辱されたと怒り、フレデリックに決闘を申し込んだ。

 

部屋に戻ったフレデリックの前にラスネールがいた。ベロベロに酔っ払ったフレデリックはラスネールとアブリルを連れて決闘場へ行く。

 

腕を負傷したフレデリックの芝居は休演。フレデリックが生きてるということは…!? 最近、評判がいいというバチストの芝居を見に行き、顔にベールを被ったガランスと再会すると今はすっかり上品な婦人になっていた。

 

舞台裏に行ったフレデリックは座長から戻ってきたのかと歓迎され、バチストも喜んだ。バチストは何度もフレデリックの芝居を見に行っているという。ナタリーはバチストの間に男の子を出産していた。

 

ナタリーはボックス席にガランスがいると度々劇団に来る古着商ジェリコに聞かされ、息子をボックス席に向かわせ、パパとママと僕で幸せなのと言わせる。

 

ガランスの前にはラスネールが現れ、その後、モントレー伯爵に会いに行ったラスネール。その場はモントレー伯爵を怒らせたものの帰った。モントレー伯爵の妻はガランス。私を愛して欲しいというモントレー伯爵だが、ガランスは愛する人がいるとはっきり言った。

 

バチストの芝居は休演。バチストは下宿に引きこもっていた。ナタリーがバチストのために一人になれる空間を作ってくれてたみたい。

 

モントレー伯爵とガランスはフレデリックの「オセロ」をボックス席で鑑賞。ボックス席に大きな花鉢が届く。モントレー伯爵は、ガランスの好きな人をフレデリックと思っている!?

 

バチストも正装して見に行った。芝居が終わり、フレデリックの楽屋に行くモントレー伯爵。ガランスとバチストは再会し、お互いの気持ちを確かめた。劇場に紛れ込んだラスネールはフレデリックモントレー伯爵の会話に加わる。

 

ラスネールはカーテンを開けバルコニーで逢引きしていたバチストとガランスの姿を見せた。怒ったモントレー伯爵はフレデリックに決闘を申し込んだ!? なんでフレデリック

 

バレて開き直ったのか?下宿部屋に行ったバチストとガランス。

 

ラスネールはアブリルとモントレー伯爵家を訪れた。アブリルの目の前でモントレー伯爵を刺殺し、風呂に沈めた。何も聞かされていなかったアブリルは驚き逃走。

 

一夜を明かしたガランスはモントレー伯爵を説得して決闘をやめさせるという。愛しているのは君だけというバチスト。うーむ…

 

下宿部屋をノックしたナタリーが部屋に入ってきた。黙って去ろうとしたガランスを止めるナタリーは思い出は美化される、私はこの先ささやかな日常を送らねばならないという。部屋を出て行ったガランスをナタリーを無視して追いかけるバチスト。

 

大通りは祭りで人通りも多く、ガランスを見失ったバチスト。人波にのまれてガランスの乗った馬車から遠ざかる。そこで幕が下りた。(終)

 

バチスト、自分に対してだけ繊細なバカ男だったな〜。そんなに好きなのに家族持つなよ。3時間も見て結末これかあ。ガランスもフレデリックみたいな男の方がお似合いなのにね。


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