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ドラマの感想など

【連続テレビ小説】本日も晴天なり(140)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

巳代子(小柳英理子)から電話で、元子(原日出子)にすぐ来てほしいという。「もう離婚だ」と聞いて正道(鹿賀丈史)と巳代子のマンションへ駆けつけるが、夫婦げんかで祐介(赤塚真人)も興奮し、怒鳴り合いをやめない。そこへ娘の弘美(谷口美由紀)が帰って来て、毎晩けんかされるくらいなら別居したらどうか、と言いだす。弘美はひとまず大原家に来る事になったが、その夜、圭子(鈴木美江)が流産の危機だと急報が入り…。

BSのない環境にいたため、遅れ視聴しています。この回は2023年3月10日(金)放送。

 

オープニングの赤塚真人さんの役名が”裕介”になっていた。”祐介”だよねえ。まあ、字幕だと”藤井”なんですけどね。

peachredrum.hateblo.jp

前回の続きから

電話が鳴る。

元子「もしもし大原でございます」

巳代子「私、巳代子。すぐに来てちょうだいな、お姉ちゃん!」

元子「どうしたのよ、巳代子」

巳代子「どうもこうもないわよ! 私たちもう離婚です!」

元子「離婚!? あなた、巳代子が離婚ですって…。祐介さん、何かあったの?」

やはりというか細かいセリフ回しが違い、前回の終わりの再放送ではない。

 

正道「知らんよ、僕は」

巳代子「もしもし? お姉ちゃんったら…もしもし?」

元子「はい、今すぐ行くから!」

 

藤井家

昭和の洋風ソファセットのあるリビング

藤井「僕はですね、大原さん、巳代子を心から愛してるんですよ。そりゃもう初めて愛を打ち明けた時も25年たった今日でも、それは全然変わってないんですよ。それなのに巳代子のやつは」

巳代子「私だって、その気持ちは変わってないわけよ。だけどね」

藤井「だけど…だから、だけどは何ですか! 男がクラブで飲みたくない酒を飲むのも、わざと負けてみせるちんけなゴルフをするのも、みんな家族の幸せにしたいからこそ…」

巳代子「言い訳よ! そんなのみんな言い訳だわ!」

藤井「巳代子!」

 

正道「冷静になりなさいよ、冷静に。僕らはね、君たちがちゃんと話し合いをするっていうから、こうやって立ち会いに来てるんで、これじゃあまるでどなり合いじゃないですか」

藤井「大原さん…お義姉(ねえ)さんも何か言って聞かせてくれませんか」

 

巳代子「いいえ、聞いてよ、お姉ちゃん。この人(しと)ったら、すぐに家族の幸せとか何とかってキザな言葉で逃れるけど」

藤井「キザとは何ですか、キザとは! 僕はだね、家族のみんなを愛してるからこそ」

巳代子「どんな金もうけしても許されるっていうんですか?」

藤井「しかし、あれはなにも僕が発明したものじゃ…」

巳代子「いいえ。この人ったら法律で全国的にチクロが禁止になるまで…宣伝続けたわ」

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藤井「あれはもう終わった話じゃないか」

巳代子「だけど、性懲りもなく相変わらず有害添加物の入ってる商品の宣伝、引き受けてるじゃないの」

藤井「けど、あれはね、まだはっきり有害だと検査結果が出て…」

巳代子「出ていなくても私は料理の仕事をしているんですよ。体を壊してまで、そんな有害食品の宣伝引き受けることないって言ってるのに」

藤井「冗談言っちゃ困るよ! あれが嫌だ、これが嫌だ、より好みして商売成り立つと思ってんのか!」

巳代子「だったらそんな商売やめちゃいなさいよ!」

 

藤井「ほら、このとおりなんですよ、大原さん」

正道「ちょっと待ちなさいよ。君らね、さっきから自分のことばっかり言ってるけども弘美ちゃんのことは一体どう考えてるんだ、え」

巳代子「ですから、もしも祐介さんが離婚するっていうんだったら、弘美は私が引き取ります」

藤井「君にそんなことできると思うか?」

巳代子「どうしてさ」

藤井「胸に手ぇ当てて考えてみろ」

巳代子「何のことよ」

藤井「こんなこと言いたくなかったけどね、近頃の君は、やたら若作りで仕事だと言ってるけど、外で何やってるか分かったもんじゃない」

巳代子「あんまりだわ」

元子「そうよ。まさか本気で巳代子のこと、そんなふうに考えてるわけじゃないんでしょ?」

藤井「僕だって考えたくはないですよ。だけどですね」

正道「何か確証でもあるのか」

巳代子「お義兄(にい)さん!」

正道「いや、こういうことはね、いくら夫婦げんかでも口にすると決定的な意味を持つんだよ」

藤井「大原さん…」

巳代子「お姉ちゃん…」

 

弘美「ただいま」

藤井「弘美」

巳代子「お…お帰り、弘美」

弘美「どうしたの? みんなして」

 

弘美…谷口美由紀さん。あまり情報出てこないな~。圭子によく似たストレートロングヘア。70年代のはやりのヘアスタイルを再現したのかな。

 

正道「いや、ちょっとね、みんなで今、話し合いをしてたんだよ」

弘美「ふ~ん。何の?」

元子「お父さんとお母さんはね、お互いどちらかの立場を尊重するとなると、どちらかの仕事を捨てなければならないっていう話をしてたのよ」

巳代子「そうよ。お母さんとお父さんはね、現在、相いれない仕事を持っているっていうことなの。ねえ、弘美はこのことどう思う?」

藤井「そんなこと弘美に言うことないだろう!」

 

正道「待ちなさい…」

弘美「別居が一番いいんじゃないの?」

元子「弘美ちゃん!」

巳代子「それであんた構わないの?」

弘美「うん。私は、お父さんもお母さんも好きだから別れてもらいたくはないのよ。でも、毎晩こんなふうにけんかされるのは、もっと嫌。としたら、しばらく別居してもらうほかないでしょ」

 

藤井「よし…よし、分かった。大丈夫だよ。お母さんいなくてもね、お父さん、お前に不自由な思いさせないから。絶対させないからね」

弘美「ううん。お父さんのところには行かない」

巳代子「ほら、ごらんなさい。弘美はね…」

弘美「私、お母さんとも暮らしません」

巳代子「だったら、どこへ行く気なのよ…」

 

正道「まあ、いいさいいさ、ねっ、伯父さんとこいらっしゃい。道子もいるからさみしくないだろう。な」

弘美「大丈夫よ。しばらくお友達のアパートにでも転がり込むから」

元子「駄目よ、駄目!」

正道「おい、元子…」

元子「駄目です! 絶対駄目です!」

 

桂木家茶の間

仏壇の宗俊の笑顔の遺影

トシ江「そうかい…」

元子「正道さんと私がついていながら本当にすいませんでした」

トシ江「そう…。で、弘美(しろみ)はどうしたの?」

元子「何てったって女の子だし友達のところで間違いがあっても困るんで、正道さんが今夜は連れて帰りました」

トシ江「ああ…。で、巳代子は?」

元子「一緒に帰るって言ってたんだけど、祐介さんが一人で残って、お母さんと顔合わすのつらいからマンションは自分が出ていくって聞かないんです。それで当座の着替えなんか2人で荷造りしてるんだけど」

トシ江「バチが当たったんだよ」

元子「バチ?」

トシ江「人間が月に行くような世の中になっちまったんだもの。人の考え方だって変わってきたんだよ」

元子「お母さん…」

トシ江「アポロのテレビ見てね、私、つくづくそう思ったのよ。お月さんにうさぎがいて、お餅をついてる。それでいいじゃないの。世の中、本当におかしくなっちまったわ」

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キン「だけどね、昔だって女の方から三くだり半たたきつけるのは、いるにはいましたけどさ、巳代子さんに限って…私ゃどうしても考えられないんですわ」

トシ江「まあ、今の2人じゃね、何を言っても聞く耳持たないと思うけど、けど私、別れることには反対だわよ。頭をもう一度冷(し)やして、一度でもいい、何度でもいいから話し合って、あんたからよく話、してやってちょうだい」

元子「はい」

キン「明日になりゃ、この界わい、うわさがパ~ッと広がりますしね、少しはおかみさんのこと、考えてやってくださいましな」

トシ江「私のことなんかね、どうだっていいのよ」

元子「本当にご心配をかけてすいませんでした」

トシ江「長生きするのも考えもんだわ」

 

電話が鳴る。

キン「私が」

元子「いいのよ、私が出るから」

 

電話に出る元子。「もしもし、吉宗です」

 

モンパリ

洋三「あっ、もっちゃん、私だよ。うん…すぐに行ってくれないか。圭子さんの様子がおかしいってね、アパートから電話があって、大ちゃんすっ飛んで帰ったんだけれどもさ、何でもその流産の心配があるんだって」

 

吉宗

洋三「あんた、捜したってどこにもいないんだから…本当に。あっ、早くね」

受話器を置いた元子は荷物を抱えて、店を飛び出そうとする。

 

トシ江「ちょいと…ちょいとどこ行くの」

元子「えっ? あの…後でまた電話するから。それじゃあ」

キン「お嬢!」

 

病室

ベッドで寝ている圭子。

大介「大丈夫かなあ…」

元子「お医者様が大丈夫っておっしゃってくださったんだから、あとはできるだけじっとさせておくことよ」

大介「バカなんだよ、圭子は。医者に寝てろって言われたのに母さんたちが来るといったら突っ張って無理して起きてたから」

元子「ごめんなさい。母さん、ちっとも気が付かなくて」

大介「いいや。こいつ気の強いところがあるから…」

 

病室を出て廊下のベンチに座る元子。

大介「ありがとう、母さん。僕一人じゃ何をどう用意したらいいか、さっぱり分からなかった」

元子「母さんも捨てたもんじゃないでしょ」

大介「うん…どうも」

元子「座んなさい。母さん…あれから大介と道子と2人の子供を産めたけど、圭子さんには、もう二度と亡くなられた方の子を産むことはできないんですものね。夜中に目が覚めるとね、生まれたがってた子が遠くから母さんのこと呼んでるような気がして枕がぐっしょりぬれてるの。そういうもんなのよ、子を亡くした母親なんてものは。圭子さんと大介は、ずっとおつきあいしていけるのね?」

 

大介「僕…」

元子「ん?」

大介「今、母さんが取り組んでいる仕事について知ってるつもりだし、実際、カンパ袋を回して簡単に身軽になっている女子学生を何人も知ってる。そんな中で本気に子供の命を考えている圭子に力を貸してやりたかったし、僕自身の気持ちは…そういう圭子にかなり参っていると思っています」

元子「多分、そんなことではないかと思ったわ」

大介「だから、もう少し親不孝させてください」

 

道子の部屋

道子「それで弘美ちゃんはどう考えてるの?」

弘美「うん…何のかんの言いながら、うちの親たち結構私に気ぃ遣ってんのね。だから私が別居しちゃえって言えば、少しは2人とも頭が冷えるかと思ったのに。まあね、あのまましばらく放っておけばいいのよ」

道子「ドライなのね」

弘美「親がウェットすぎるからよ」

道子「そこへ行くと、うちの親は一体どうなってんのかな」

弘美「あら、すてきじゃない」

道子「どうして?」

弘美「だって、結局は大介さんのこと認めたんでしょう」

道子「分かんないわよ。あれでうちのお母さんって案外執念深いんだから」

弘美「そうかしら」

道子「じゃなかったら、とてもルポライターなんて仕事、続くわけないでしょう」

弘美「うん…」

 

縫いぐるみを抱きながらベッドの上で話をする道子と足をあげたりストレッチしながら話す弘美。部屋のポスターはサイモン&ガーファンクルみたい。

朝、大原家ダイニング

正道「いやぁ、驚いたよ。ゆうべ、弘美ちゃんから聞いたんだけどもね、いっそ別居しちゃえって芝居打つように入れ知恵したのはな、大介だそうだ」

元子「まあ」

正道「ハハハ…弘美ちゃんも弘美ちゃんで大介に何度か相談してたらしいんだけどもな、まあ大介もあれで結構頼りになるいとこなんだな」

元子「自分の頭の上のはえも追えないくせに」

正道「ん…それは案外、僕たちかも分かんないよ」

元子「あなた…」

正道「確かにね、僕たちは一生懸命生きてきたさ。僕たちが立て直し、作り上げた社会の中で自分の考えで行動する若者が育ってきたっていうのは間違いないんだ」

元子「それにしてもあの大介が…」

正道「まあ、慌てずに見守ろうよ。こういう時に騒ぐとな、大介にしたって、まあ、巳代子さんたちにしたって逆効果しかないからな」

元子「それよりほかに方法はなさそうですね」

 

電話が鳴る。

正道「おっ、大介かな」

元子「はい、もしもし、大原でございます」

福井「もしもし、私、福井です。また赤ちゃんの死体がコインロッカーで発見されたわ」

元子「何ですって!?」

福井「とにかく私、これから警察へ回ってから出社しますから、午後からでもいいから出てきてほしいの」

元子「はい、分かりました。すぐに伺います」

 

正道「ん? どうしたんだ?」

元子「またなんですって。また生まれたばっかりの赤ちゃんがコインロッカーに捨てられてたんですって」

 

つづく

 

明日も

 このつづきを

  どうぞ……

 

昭和46年ってそういう年だったんだね。なかなか朝ドラには出てこない年代という感じ…って「芋たこなんきん」は昭和45年が出て来ただろうが。