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【連続テレビ小説】本日も晴天なり(115)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

元子(原日出子)は小説のダイジェストの仕事も期限内に仕上げた。しかし福井(三木弘子)は出張中で不在。編集室から帰って来ると陽子(田中美佐子)が来ていて、波津(原泉)と一緒に帰るという。仕事に加えて波津の世話をしなくてはならない元子の苦労を見かねて祐介(赤塚真人)が呼んだのだった。正道(鹿賀丈史)の見舞いを済ませ、波津が大原家を去ろうというとき、元子は福井から「女性時代」の編集室に呼び出される。

朝、大原家に新聞配達が新聞を配る。この少年、クレジットなし。

 

いろいろの問題を抱えながらも与えられた3日間で元子は小説のダイジェストを書き上げようとしていました。

 

ダイニングテーブルに突っ伏して寝ている元子に波津がそっと上着をかけ、そっと部屋に戻る。

元子「おばあ様…」

 

病室

大介「おはようございます!」

向かいのベッドの山田さんに体を拭いてもらっている正道。「おお、早いな。どうしたんだ」

大介「あっ、僕やってやる」

正道「そいじゃ、頼もうかな」

大介「お母さんね、得意の滑り込みセーフじゃなくて、今日はちゃんと原稿持っていけるって」

正道「あ~、そうか。それはよかった、ハハ。道子は元気か?」

大介「みんな元気です。下着持ってきたんだけど、次の注文は何かな?」

正道「うん、そいじゃあね、ついででいいんだけどな」

大介「いいよ、明日持ってくるから」

正道「うん、別に明日じゃなくてもいいんだけども、本だ。『電気技術』っていう本をね、お母さんに買ってきてくれって言ってくれないか」

 

大介「そんな難しい本、もう読んでもいいの?」

正道「うん、許可が出たんだよ。みんなが一生懸命やってるのに、お父さんだけ頭、空っぽになっちゃったら困るだろ」

大介「本当だ」

正道「ハハ。あっ、もういいぞ、遅くなるから。な」

大介「走っていけば大丈夫。でも、あまり病人扱いしたら悪いかな」

正道「ハッ、こいつ、ハハ…」

大介「じゃあ、下着ここ置いとくけど取れるかな」

 

山田「ああ、大丈夫だよ、おじさんたちがやってあげるから」

大介「どうもすみません」

山田「いやいや、病人はお互いさまだよ」

大介「じゃ、よろしくお願いします」

山田「はいはい」

大介「じゃ、行ってまいります」

正道「おう、気を付けてな」

大介「はい。お大事に」

平井「あっ、どうも…」←山田か平井か不明。「はい」も聞こえた。

病室を出ていく大介。

 

平井「へえ~、大したもんだね。中学生なんでしょう?」

正道「ああ…はい」

山田「『親はなくとも子は育つ』。そう言われないように頑張らなくちゃね、大原さん」

正道「本当ですね」

 

一方、元子の方も大介の報告どおり期日までに注文の仕事を届けたのですが…

 

女性時代編集部

冬木「編集長、出張中なもんで原稿は預かっておくようにってことでした」

元子「はあ…ご出張なされたんですか…」

冬木「明日には帰るでしょうから、明日の夜には多分電話が行くはずです。お宅にいらっしゃるんでしょう?」

元子「はい、夜は間違いなく、うちの方へ」

冬木「それじゃあ」

元子「そうですか。じゃあ、よろしくお願いいたします…」

 

大原家玄関

元子「ただいま」

見慣れぬ靴が並ぶ。

元子「どなたですか?」

 

陽子「お義姉(ねえ)さん」

元子「陽子さん…! まあ、どうも」

 

茶の間

藤井と波津が向かい合って座っている。

元子「あら」

藤井「お邪魔してます」

波津「元子さん、急なことだども、私は陽子と一緒に帰えことにしましたけえ」

元子「帰る…!? 帰るって松江へですか!?」

波津「松江でなあて、ほかのどこへ戻おますだわね」

元子「おばあ様」

 

陽子「私たちもそろそろ迎えに来ようと思っちょったとこへ藤井さんからお電話頂きましたもんですけん。本当にお義姉さんにはご面倒をおかけしました」

元子「ちょっ…ちょっと待ってくださいよ。電話って祐介さん一体何を電話したんですか?」

藤井「すいません。迎えに来てほしいと…」

元子「冗談じゃないわ。一体誰に相談して、そんな勝手なまねを」

波津「潮時だわね。藤井さんを叱ったらいけんで」

元子「そんなことおっしゃっても…」

藤井「出過ぎたことで本当に申し訳ありません。巳代子とも相談したんですが、このままだとお義姉さんまで共倒れになります」

 

元子「何がこのままよ。そりゃ目が回るようなことはありましたよ。けど、おばあ様のお風邪も治ったし、私だってこうしてゆっくりできる日もあるんですよ。現に今日だって子供たちと一緒に私の手料理を食べていただこうと、こうして帰りがけにごちそうの材料だって買ってきてるんですよ」

陽子「お義姉さん。藤井さんだってお義姉さんのそぎゃん気持ちが分かられえからこそ心を鬼にして電話してきてごしなさったですわね。それにおばあ様もそのおつもりだったと言っちょられえですけんね」

元子「そのつもりって、おばあ様、一体…」

波津「年がいもなく我を通してしまったども、あの時、邦世さんと一緒に帰りゃよかったですわね。今となっては私は元子さんの何の役にも立ちませんけんね」

元子「おばあ様…」

藤井「分かってください。僕も一生懸命考えたんです。でも、お義兄(にい)さんが…元どおりになるまでは長期戦なんですよ」

元子「そんなこと分かってますよ」

藤井「だったら無理は絶対長続きしませんよ。このままおばあさんにいていただいて、お義姉さんに倒れられても、おばあさんが寝込まれても困るのは子供たちだけじゃありませんか。今、帰したくない気持ちはよく分かります。しかしですね…」

 

波津「もういいですわね、祐介さん。元子さんも分かってごしなはっただけん」

元子「待ってください、おばあ様」

波津「いいや、私はね、正道がまたようなったら…陽子に連れてきてもらいますだけん、なあ、陽子」

陽子「はい」

藤井「そうですよ。それが一番ですよ、お義姉さん」

元子「そんなこと言ったって…」

波津「元子さんには本当に迷惑かけてしまったども、ここひとつき余り、お互いに気心が通わって本当にうれしかったです」

元子「おばあ様…」

波津「この上、私を引き止めてもらったら本当に物笑いの種になるばっかですけんね」

元子「おばあ様…」

波津「正道のこと、よろしにお願いしますけんね」

 

正道さんならもっとうまく収めていたんじゃ…と思ってしまう。少なくとも元子がもっと納得するような。

 

夜、大原家子供部屋

道子「それじゃあ、明日帰ってしまうの?」波津にパジャマを着せてもらっている。

波津「そげだ」

道子「学校から帰ってきたら、もういないの?」

波津「いんやいんや、あんたたちが帰ってくるまで、おるで」

道子「で、今度、いつ来るの?」

波津「さあ、そうはあんた方次第だ」

道子「どういうこと?」

波津「ん? いい子にしてたらな」

道子「はい」ピッと姿勢を正すところがかわいい。

波津「うん」

 

波津「それから大介、どぎゃんことがあってもお母さんを助けて、しっかりと頑張あないけんで。分かったか?」

大介「はい。そのかわり…」

波津「はっ?」

大介「ひいばあも頑張らなくっちゃ」

波津「本当だ。ハハ…本当、本当、なっ」

 

茶の間

元子と波津は枕を並べる。

波津「元子さん」

元子「はい」

波津「人間というものは波間に漂う木っ端のようなもんです。どん底に沈む時もあれば高々と押し上げられることもある」

元子「はい…」

波津「思う港に着くか着かんか、こぎ手とかじ取りが心を合わして波をどう乗り切るかによって決まあことだわ」

元子「はい…」

波津「こぎ手としての正道は、つまづきばっかだったども元子さんには本当にねえ…」

元子「いいえ」

波津「元子さん…今の私は退却すうことがああたに加勢になあだけん。大介はそのことをちゃんと知っちょうますけんね。これからも大介はあんたの力になってごしだわね」

元子「おばあ様…」

うなずいて眠りにつく波津。

 

そして、その翌日。

 

病室

元子「ちょっとお水替えてきますから」

陽子「はい」

 

波津「元子さんから元気だと聞いちょったども、顔色もようなって安心しましたわね」

正道「はい。全快祝いの時にまた出てきてくださいね。その時は迎えに行きますから」

陽子「あら、私が送ってくうわね。そういうお役目でもないと、なかなか東京へなんか出してもらえんけんね」

波津「あらあら、私をだしにして」

陽子「だって…」

 

正道「まあ、元子もがっかりしてんでしょう。おばあさんを当てにしてね、また新しい仕事に首突っ込んだみたいですからね」

波津「そうだけん、独立独歩。元子さんも人を当てにすうようなことでは、なかなか一人前にはなれませんけんね」

陽子「ほらね、こげしてまだまだお得意のお説教が出えだけん、お義姉さんも大変だったと思うわ」

正道「ハハハ…。それで今夜の汽車で?」

陽子「ええ。寝台の方がやっぱりおばあさんには楽でしょうし」

正道「忙しいなあ、陽子も」

陽子「そりゃ、うちの旦那が待っちょうですもん」

波津「ほらほら、やられたわね」

正道「全くです、ハハハ…」

 

陽子「それじゃ、おばあさん、そろそろ…」

波津「そげだね。ほんなら、しっかりとようなってごしなさい。早いことね」

正道「はい。いろいろご心配かけて申し訳ありませんでした」

波津「正道…これからはね、元子さんを信じて焦らんことですわ。ゆっくり養生して」

正道「はい」

 

大原家玄関

藤井「ごめんください」

元子「はい。ああ、お父さん」

宗俊「送りに来たんだ。支度は出来てんのかい?」

元子「うん、もうそろそろ出かけようと思ってたとこなの。とにかく上がってちょうだい」

宗俊「あ~、いい…また上がりゃ挨拶が始まるだけだ。いいから、おめえ、車、拾(しろ)ってきてくれ」

藤井「はい」

 

波津「これはこれはご丁寧にありがとさんでございます」

宗俊「へいへい、へいへい…それはいいんですがね、おい、おめえたちは何だい、送りに行くのかい?」

道子「はい」

宗俊「そうか。それじゃおめえ、1台じゃ間に合わねえな。よし、そんじゃもう1台追加だ。待っててくんな」玄関を出ていく。

 

電話が鳴る。

大介「僕が出る」

 

元子「それじゃあ、荷物出しときましょうか」

陽子「あっ、そうですね」

 

茶の間

大介「すいません、ちょっと待ってください! もしもし! あ~…」受話器を置く。

元子「誰から?」

大介「女性時代から今すぐ来てくださいって。僕、説明しようと思ったけど切れちゃった。女の人の声だった」

元子「そう…」

波津「仕事が第一。別れはゆうべのうちにたっぷりしましたけんね。な、元子さん」

うなずく元子。

 

女性時代編集部

元子「大原でございますが」

 

福井「あっ、ちょっと待っててね」

元子「はい」

福井「それじゃあ、これ許可を得てください」

編集員「はい」

福井「うん、まあ、そうですね…これ決定しましょう」

編集員「はい」

福井「じゃ、すぐにかかってください」

編集員「はい、分かりました」

 

福井「昨日は失礼。これ、早速だけれども3分の1書き直し」

元子「3分の1!?」

福井「ダイジェストっていうのはね、どこを落としてどこを見せ場にするか、その選択が決め手なのね。大原さんのも悪くはないんですけどね、別れをもう少しあっさりして中盤を盛り上げてほしいのね。何度も言うようですけど、これは主婦が対象ですから甘さは絶対に必要なの。ただ、その甘さと置き場所と分量ね。出だしは歯切れがよくてなかなか結構です。だから、その中盤増えた部分を終盤で削る。かかれますか? すぐに」

元子「はい」

 

福井「電話します?」

元子「はっ?」

福井「さっき出たの坊ちゃんでしょ? 遅くなると心配するだろうし」

元子「はい…でも、今、ちょうど人を東京駅まで送りに行ってるとこですので、後でまたかけさせていただきます」

福井「じゃ、すぐにかかってちょうだい。この机ね」

元子「はい」

 

福井「ねえ、大原さん。あなたがこの仕事に食いついたってことは誰かがあぶれたってことなのよ。分かるわね?」

元子「はい」

 

編集員「じゃ、お先に。お疲れさん」

編集員「お疲れさま」

 

そうです。ちょうど今頃、波津を乗せた列車は東京駅を離れた頃でしょう。

 

元子・心の声「さようなら、おばあ様。お気を付けて…」

原稿に取りかかる。

 

つづく

 

元子が仕事として選んだのが雑誌の編集ということで、今やること?という感想も見たし、モンパリの話がもったいない…というのも見かけたけど、正道さんがマスターだったら…って、夫婦でモンパリやれって話じゃないよねえ? いいねが複数ついてるということはそういう解釈なんだ? いや、確かにかっこいいだろうけどさ。

 

たとえ、どんな仕事であっても今まで家にいた人が仕事を始めたら、家の中は多少バタつくと思うけどなあ。元子に振り回されてかわいそうみたいな感想にはどうも賛同できない。モンパリなら誰にも迷惑かけずにできるのか!?

 

今日みたいなお見送りだって洋三夫婦なら行っておいでとなるだろうけど、そういうことが度重なると戦力にならなくない? それでも親戚価格で給料は出さないとならないし。正道さんがマスターの同じツイートで元子は感情的だから接客業には向かないともあったけど、それもそうだろうしね。

2時45分ということは少なくとも相撲で潰れることはなくなった。国会、高校野球、ゴルフ、緊急ニュースで潰れる可能性は相変わらずあるけど。でも週6日の朝ドラを週5日で再放送するのか…だったら1日2話で回転率あげたらいいのに。

 

たとえ休止がなくとも半年では収まらないね。だから緊急ニュース以外で潰れることのほとんどない早朝を推してるのにな~。NHKプラスで配信するなら、時間帯は関係ないと思うのに。

 

来年度のタイムテーブルが発表され、BSプレミアムの朝ドラアンコール枠も継続されるようですが、次作の発表はまだ。私は土曜日当たり発表とふんでます。

av.watch.impress.co.jp

来年3月末にBSプレミアムは停波されるけど、こちらの記事には「BS1BSプレミアムでご好評いただいている番組につきましては、その多くを、新しくできる新BS2Kなどでもお届けできるように検討を行っています。例えば、現在BSプレミアムで放送している連続テレビ小説大河ドラマは、新BS2Kでもお届けしたいと考えています」とあるので、朝ドラ再放送枠はなくならないようで、ホッ。

 

…ん? 再放送じゃなく現行の朝ドラ、大河の話か? BS1は早朝からメジャーリーグ中継とかやってるしねえ。ま、今の「本日も晴天なり」、次の2作くらいはまあ安泰だろうけど、来年はどうなるか分からないのかも!?