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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(127)「春のあらし」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

町子(藤山直美)の秘書・純子(いしだあゆみ)は、父の久米夫(米倉斉加年)が入院している病院へ通うためしばらく休む。そんなとき、町子の担当代理の編集者・北野吾郎(RIKIYA)が町子に、純子と別れてはだめだと諭す。町子は病院へ純子に会いに行き、町子が書き上げたばかりの最新刊のエッセー「女ふたり つれづれ日記」を手渡す。父の病室でエッセーを読む純子。その最後のページから1枚の紙が出てくる。それは…。

たこ芳

カウンターでビールを飲んでいる井村。店をキョロキョロ見渡し、りんも何か不審に思っている!?

 

貞男「毎度! こんばんは!」

りん「あっ、こんばんは! おこしやす!」

 

席に座ろうとした貞男。「あれ?」

 

応接間

北野「かなりのことしてますね」

町子「その井村っていう記者ですか?」

北野「ゆすり、たかり…企業も個人も…。まあ、弱みがあるから、みんな泣き寝入りしていて、今、表沙汰にはなってないですけど。それぞれ出るとこ出れば立派な犯罪です」

町子「まあ、そんなことを…」

 

北野「あの…矢木沢さんは、その後、何か?」

無言でうなずく町子に無言でうなずくしかない北野。

 

たこ芳前

貞男「この野郎! あ…」

かんたんに路地に転がる井村。

貞男「あんな記事書きやがって! お前やったんかい!」

りん「ちょっと…ちょっと! やめて!」

貞男「大丈夫。任しといて」

りん「乱暴はあかん! あかん!」

 

北野登場。

 

井村「どうぞ殴りたいんでしたら、お好きなだけ」

貞男「何やと?」

井村「言論の自由は暴力には屈しませんよ」

貞男「何が言論や!? あ~、コラ!」

 

北野「ちょっと…!」止めに入る。北野さん長身だし、貞男さん思ったより小柄。そして立ち上がった井村も北野と同じくらい長身。

 

北野「『週刊ウォッチャー』さんですね?」

井村「ああ。あんた、何?」

北野「新明出版、北野と申します」

井村「新明?」

 

北野「随分あちこちで下品なことなさってますね」

井村「何言ってんの?」

北野「ちょっと調べただけでもボロボロ出てきましたよ。今までよく告発されなかったもんです。大阪府警記者クラブにいる友人の記者から聞きました。あなたに恐喝の容疑で逮捕状が出たそうです」

井村「どうせハッタリだろ? お前」

北野「そう思うならお好きに」

 

町子「北野さん!」

りん「あ…先生」

町子「あ…」

うなだれて帰っていく井村。

 

町子「どないしたんですか? おりんさんに電話もろて、私、慌てて…」

北野「もう終わりました」

町子「え?」

健次郎「今のが例の記者?」

北野「はい。もう大丈夫です」

町子「北野さん…」

 

北野「矢木沢さんと先生は離れてはいけません」

町子「え?」

北野「そうですよね?」

健次郎「そうやね」

 

りん「そうやわ」

貞男「そや。そうでっせ!」

 

涙を浮かべながら笑顔でうなずく町子。

 

病院の待合室

純子「先生!」

町子「あ…純子さん。お父さんの具合、いかがですか?」

純子「はい。おかげさまで落ち着いてます」

町子「そりゃよかった。少しお話しする時間はありますか?」

純子「はい」

 

ベンチに座る2人。

町子「週刊誌のあの記者のことなんですけれども、もう心配しなくてもええようになりましたので。北野さんが片づけてくれはったんです」

純子「北野さんが?」

町子「『ネズミは全部自分が追い払います。そうお伝えください』って。私には何のことか分からへんのんですけれども…」

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ティファニーで朝食を」のことかな。すごく年の離れた俳優が相手役になることが多いヘップバーン作品では珍しく相手役が同世代の若い男性なのがポイントの一つ。

 

町子「あっ、それから晴子さんがね『急に気が沈んだり、物忘れがひどくなるというのは更年期障害と違うやろか』て」

純子「ああ…」

町子「心当たりあります?」

純子「はい。あの…急に気持ちが沈んだり、顔がこう…ほてったりって」

町子「ああ…。けどそれは時期が来たら、ちゃんと治まるもんですから」

 

純子「でも、私の失敗は病気のせいじゃありません。先生に大変なご迷惑かけてしまいました」

町子「純子さんのせいやて誰も思てません。実際、そうと違いますもん。北野さんが言わはるんです。『先生は本当に矢木沢さんを必要としていますね』って。『矢木沢さんもきっとそうやと思います』って。この人、最近会うたばっかりやのに一体、何、分かってはんのんかいなと思たんですけどね。私、今日ね、手紙を書こと思たんです。あなたに渡す手紙。自分の一番のね、得意技を使いまして、なんとか説得してみようって…。で、便箋を広げまして、私はペンを持ちまして…。何から書こかなと思たんですけども…何も書かれへんのんですよね。純子さんの思い出ばっかり思い出してしもてね…。涙ばっかり出てくるんですよ。考えてみたら当たり前なんですよね。文章というのは冷静でないとちゃんと書けないんですよ。ねっ。そやから、書かれへんかったん…」

途中から涙声になり、涙が頬を伝う。バッグから本を取り出す。

町子「そのかわり…。これ」

 

本を差し出す。

 

女ふたり

  つれづれ日記

    花岡町子

 

作家花岡町子と秘書矢木沢純子の運命的な

出会いから二人三脚で駆け抜けた三年間の

笑いあり涙ありのエピソード集

モカシリーズに次ぐ第2弾

エッセイ最新刊

 

この本、どれなんだろう? 読んでみたい。

 

町子「昨日、やっと出来上がってきたんです。あなたと仕事を始めて…12冊目の新刊本」

嬉しそうに本を受け取る純子さん。

町子「純子さん。13冊目も…つきおうてください」

純子「先生…」

 

いいなー! いいなー! 最高!!

 

病室

父のベットの傍らで本を読んでいる純子。本を読み終え、最後のページに紙が挟み込まれていた。

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以前、純子が秘書になりたての頃にまとめてくれた「花岡町子略歴」。略歴の最後に

 

1967年 10月 矢木沢純子と出会う

 

と、ここだけ町子の字で書かれていた。ここはもう純子と一緒に涙、涙でした。声を殺して泣く純子。

 

久米夫「純子?」

純子「うん?」父に背を向け返事をするが、涙が止まらない。

 

朝、徳永家

由利子「行ってきま~す!」

清志「行ってきます!」

 

新聞の束を持った町子が家から出てくる。「ちょっと待って! これ持ってってって、これ…」

何かに気付いて静かに新聞の束を下ろす町子。

純子「先生。ただいま…帰りました」

町子「純子さん」泣き笑い。ほんっとに藤山直美さん、涙が自然。出てきた健次郎が町子の肩を抱く。

 

そして2週間後、純子の父が退院しました。

 

茶の間

健次郎「経過がよくてよかったですね」

久米夫「はあ。当分、通院で様子を見ることになりました。いや~、本当にいろいろご迷惑をおかけいたしました」

健次郎「これからは娘さんとご一緒やと聞いて安心しました」

久米夫「はあ…」

 

台所

町子「けどお父さん、ようこっちへ移ってくるて言うてくれはったもんですね」

純子「はあ…。最初は嫌がってたんですけどね、『一生で最後の私のわがままだから』って頼んだんですよ」

 

玄関

町子「北野さん」

北野「来週、松岡が戻りましたら僕の担当期間が終わりますので、今日はご挨拶にお伺いしました」

町子「あ~、いや、ちょうどよかったわ。ねえ、上がってください。今、お祝いしてますねん。お祝い」

北野「え?」

 

茶の間

純子「どうぞ!」筑前煮かな。

健次郎「これはおいしそうな匂いやね」

町子「お待ち遠さまでございました! 私のお祝いのお料理でございます」チラシずしを持ってくる。

健次郎「どうぞ」

久米夫「あっ、ありがとうございます。うわ~、これはおいしそうですな!」

 

健次郎「ほな、始めましょか」

町子「はい。お父さん、退院おめでとうございました」

健次郎「おめでとうございました」

久米夫「ありがとうございます。花岡先生、徳永さん、この度は本当にご心配おかけいたしました。至らぬ娘ですが、今後とも何とぞよろしくお願いします」

健次郎「こちらこそ」

町子「よろしくお願いします」

町子と健次郎は同時に「はあ~」

 

健次郎「ほな、頂きましょうか?」

町子「はい」

健次郎「いただきます」

町子「いただきま~す」

 

健次郎「では、早速」

町子「早速、どうぞ!」

健次郎「これはまたいい色になってるね」

筑前煮を食べる。

健次郎「うまい!」

純子「よかった~!」

 

町子「好き嫌いはないですね?」

北野「大丈夫です。はい」

 

町子「あ~、けど、残念やね。せっかく大阪になじんだとこやのにね。はい」北野に筑前煮を渡す。

北野「はい。あ…。でも、今回、大阪に来ることができてよかったです。大阪が大好きになりました」

北野は純子を見て笑顔、純子も笑い返す。それを見ていた町子も笑顔。

 

町子「あ…そしたらまた絶対、大阪に来てくださいね」

北野「はい、必ず」

 

町子「どうですか?」

北野「あ~、ゴボウいいですね」

町子「お父さん、チラシずし食べてください」かわいい

久米夫「ありがとう」

 

来週は「山があるから…」

・町子「は~い!」

「おばちゃんて変われへんな」

 

・健次郎「デート!?」

晴子「プロポーズされた」

 

・由利子「あんな勝手な人やと思わへんかった」

「僕も帰ります」

 

・和代「ツチノコは見つかりそう?」

 

・町子「あの時代のことをもっぺんちゃんと書かなあかんなと思たんです」

 

・動物の鳴きまねをするぐっさん=山口智充さん。

 

・晴子「風邪ひいたらあかんよ」

ぐっさん「ありがとう」

 

・健次郎「上司もしんどいこっちゃな」

 

はあ~、今週もすばらしかった。「あぐり」も「純ちゃんの応援歌」も面白い朝ドラなんだけど、一つ不満を言うならヒロインの友人関係。友達というか恋のライバルで結局ヒロインが勝ち取り、民ちゃんは終盤まで何かと絡む役ではあったけど、静尾ちゃんはいつしかいなくなっていた…とどちらも男性の脚本家だからかなとつい思ってしまう。

 

それ言うと、「花子とアン」は女性脚本家だったけど、あまり女性の友情に思い入れのない人だったみたいで白蓮の不倫話だけがやけに面白かったので、男女差ではないのかもしれないけどね。

 

町子には健次郎という素敵な夫がいて、さらに加代子やみすずという文学仲間や純子さんみたいな頼りになる女性も周りにいて、キャッキャッしてるのが楽しそう。やっぱりそういうのが描かれているといいな。

 

今週の話は出だしから不穏だったし、どこかで今週だけはモヤモヤの残る週と誰かが書いていたのが気になってたけど、個人の感想だったね。もしかしたらその人は、井村にもっと制裁を与えて欲しいとか鯛子さんどうなった?とかが気になって、そんな感想になったのかもしれないけど、私は満足しました。

 

来週は時が飛ぶみたいで、いよいよラストパート何だと思うと寂しい。

 

 
 
 
 
 
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脚本家の方に好評な感想が届いてよかったな~。