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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(103)「いつか光が...」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

作家の花岡町子(藤山直美)だと称して夜な夜な、ちまたに出没していた南野福子(天童よしみ)が、母親が倒れたと知り、健次郎(國村隼)の診療所にかけつける。健次郎は福子に「他人をだましてお金を借りる生活をいつまで続けるのか」と問いただす。一方、入院している町子は晴子(田畑智子)に、苦しくても好きな物書きはやめられない話をし、同じように晴子の医者への夢を元気づける。そこへ緊急手術の依頼が晴子に来る…。

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昨日の振り返り

健次郎「急に苦しみだしたのか?」

麗子「晩ごはん食べたあと…」

健次郎「お母ちゃんは?」

麗子「待ってても帰ってけえへんから…」

健次郎「大丈夫や」

 

福子「お母ちゃん!」

振り返りここまで

 

待合室

福子「大丈夫ですか? 家に帰ったらメモがあってびっくりして…」

健次郎「どうぞ」

福子「はい」

健次郎「もうちょっと落ち着いてきたら大きな病院に移しましょう。多分、すぐに入院になりますからね、その用意もね」

 

福子「入院? けど、今、そんなお金は…」

健次郎「あのね、今、お金のこと言うてる場合やないやろ! お母さんの命がかかっとるんやから。あんた、保険に入ってなかったんやてな?」

福子「食べんのがやっとで…」

健次郎「そやからあんなことしてしもたんか? 他人をかたって、お金借りたり…。お母さんの検査費用のこと聞いたからそうしたんか?」

 

福子「(立ち上がり)申し訳ありません。はなからそんなことするつもりは毛頭ありませんでした。けど…何やみんなが間違いはって『先生、先生』て言いはるから、つい、その…だんだんええ気持ちになってしもて…。いや、もちろん、お金かてすぐ返すつもりで…」

健次郎「仕事辞めてしもて、ず~っとそんな生活続けるつもり?」

福子「私、ちいちゃい時から人を笑わせるのが好きで…。漫才師になった時は舞台に立てて、ほんまにうれしかったわ。お客さんに笑てもろて…。そやけど、鳴かず飛ばずで今日まで。結局、もう私には何もあらへんのです」

健次郎「アホ! 何を言うてんねや、あんた。あんたにはあんたにしかない才能と、この健康な体があるやないか。お母さんと子供さんもいてるがな。なっ。あんたはちゃんと大事なもん持ってるがな」

 

時々どなる健次郎さん。「はね駒」のときのりんの夫・源造も時々どなる人で、いいことも言う人なんだけど、演技も上手な分、怖いな~と思ってた。健次郎さんもすごく迫力のあるどなりなのに不快な感じはないな。源造さんはモラハラ的な感じがしたからだろうか?

 

由利子「お父ちゃん」

健次郎「うん?」

由利子「晴子叔母ちゃんが『病院に来て』て。『ベッド用意した』て」

健次郎「うん…そうか」診察室に行きかけるが、振り向いて「あ~、そや…。あの…うちの子にあんパンくれはったそうやね」

福子「あ、いえ…あの、たまたま公園で」

健次郎「ありがとうございました」

 

福子「あの…花岡先生におわびをさせていただけませんでしょうか?」

健次郎「あのね、今、入院しててね」

福子「え…ご病気なんですか?」

健次郎「う~ん、まあ、過労で倒れたから病院に入れたんやけどね。ちょっとようなってきたら病室で原稿書いたりなんかして困っとんね、今」

 

福子「病室でもお仕事を?」

健次郎「まあ、好きなんやろな。小さい時から小説家になりとうてなりとうて、ず~っと書いてきたのが、やっと夢がかなって。『絶対にこれだけは手放さへん』ていつもそない言ってはるわ」

福子の笑顔、かわいい。

 

浪花大学附属病院

病室

純子「編集の亀山さんがあきれてらっしゃいました。『まさか原稿が上がってくるなんて』って」

町子「熱が上がってしもてね、婦長さんにえらい怒られました…」

純子「当たり前です」

町子「はい…」

 

ノック

純子「はい!」

晴子が顔をのぞかせる。

純子「ああ! ちょっと私、あの、家の方に戻ってます」

晴子「私、ちょっとのぞきに来ただけやから」

純子「見張り交代。先生がむちゃなことなさんないように、どうぞよろしくお願いします」

晴子「『見張り』て…」

 

町子に近づき

晴子「怒られたでしょ? みんなに」

町子「はい」

晴子「そうまでして仕事したいの? やっぱり」

 

町子「仕事っていうよりもね、書くことっていうのは私…何て言うのかな、もう生きる一部なんですね。そやかて、ちっちゃい時から夢みてた物書きに私、なれたんですから」

晴子「夢ね…」

町子「晴子さんも同じでしょ?」

晴子「うん、まあ…。町子さんは今までで仕事辞めたいなて思たことあれへんの?」

 

町子「もう随分と昔ね…プロになる前ね、新人賞に何べんも何べんも応募したんですけどね…通らへんかったんです。その時、つらかったな~。苦しかった。けど私は物書き辞めたいなと思ったことは、いっぺんもありません」

晴子「失敗しても? 壁にぶつかっても?」

町子「晴子さん、よう考えてみて。好きなことやっててもこんだけの苦労があるんですよ。嫌いなことをやってたとしても必ず同じだけの苦労はあるんです。そしたら、好きなことをやって苦労する方が幸せやないですか」

晴子「確かにそうや」

 

町子さん~~~(涙)。晴子さんのグッとした表情もいいね。

 

町子「仮に神様がね、『今日からあなたをお医者さんにしてあげます』て言わはったらね、私、きっとね、午前中で辞表出すと思いますね。晴子さんも小説家になんのは嫌でしょ」

晴子「私、多分…2時間半で投げ出すな」

町子「2時間半はちょっと早いと思うな。もうちょっと我慢した方がええと…」

晴子「そうか…」

町子「けど、午前中も変わらへんかな」

 

ノック

看護婦が駆け込んでくる。「徳永先生!」

晴子「はい」

看護婦「今、外科の医局から電話があって『先生が先週助手をした黄疸の患者さん閉塞性黄疸で再手術します』て」

晴子「え…けど、病棟に誰かいてるでしょ? 近藤部長も今日は確か…」

看護婦「急いでください!」

 

町子「晴子さん!」

うなずき、出ていった。

 

そして翌週

 

スナック波止場

マスター、坂本、堀之内に封筒を手渡す福子。「ほんまにすいませんでした」

堀之内「いや、僕らかて楽しい思いさしてもろたし…。なあ」

坂本「ああ。それにこないしてちゃんと返してもろたしな」

マスター「頭、上げなはれ! またいらっしゃい!」

坂本「それはええわ!」

堀之内「一緒に飲も!」

 

優しいなあ…。

 

スナック波止場前

福子「帰ろか」

麗子「うん」

福子「ほな行こか! 行こ!」

肩を組んで帰っていく親子。

 

そして町子はめでたく退院の日を迎えました。

 

病室

町子「(人形に)一緒に帰りましょね」

 

ノック

町子「はい!」

片桐婦長が笑顔で入ってきた。

町子「婦長さん、お世話になりました」

片桐「やれやれ、やっと出てってくれはる。不良の患者さん」

健次郎「ハハハ! どうも毎度毎度お世話になってます」

町子「『毎度毎度』って…」

 

健次郎「あ~、言うてなかったかな。片桐さんにはな、前に嫁はん…あの…澄子が倒れた時にもお世話になってんね」

町子「え?」

片桐「もう…あんまりびっくりさせんといてくださいね」

健次郎「どうもすいません」

町子「そやったんですか…」

 

片桐「そしたら私はこれで。今後は無理なさらないように。どうぞお大事に」

町子「ありがとうございました」

婦長が出ていき、町子と健次郎が顔を見合わせて笑顔。

 

茶の間

「町子おばちゃん、退院おめでとう!!」の大きな紙が貼ってある。

 

その日、早速、お祝いが始まりました。

 

テーブルの上には鉄板が2台。先週のすき焼き鍋1つだったもんねえ。

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台所

町子「よいしょ、これね」

晴子「何か主役が働いてんのおかしない?」

純子「先生のお祝いなんですよ!」

町子「いいんですよ! 私がやりたいんですから!」

 

いや、それにしても料理好きな人って、料理するのが楽しいということがほんとに心底うらやましい。後片付けの方がよほど好き。

 

茶の間

健次郎「そうそう。お好み焼きはね、パーティーの主役が仕切るもんと江戸時代から決まってるの」

亜紀「え? お好み焼きて江戸時代からあんの?」

由利子「本気にしたらあかん」

 

台所

町子「見ててくださいね。これが町子流のお好み焼きですからね。まず、はい、よろしいですか?」

純子「はい」

町子「このお好み焼きの生地をね、ボウルにこうやって…ちっちゃなボウルにこうやって入れます。それから、これ卵ね、1個入れまして、それからキャベツをね…これもほんまに目分量かな。それから隠し味で天かすを入れます。もう一つ、隠し味でね、山芋のすったの。これをこう入れます。はい。それからおネギの刻んだのね、おネギさんの刻んだの、ここ入れます」

 

純子「きれい!」

町子「きれいでしょ?」

純子「ねっ」

町子「混ぜます」

純子「楽しそう、先生!」

 

茶の間

町子「はい、そしたらこれね。純子さん見といてね」

純子「はい!」

町子「はい、じゃ、ここに生地を乗せます」

一同「うわ~!」

町子「ジャ~ン!」

 

純子「先生、具は? 具」

町子「もう、せっかちやな、純子さん! はい、持っててくださいね」

純子「はい」

町子「まず、具は、はい。豚肉をのせていきますね」

純子「はい」

町子「この量もね、みんな好き好きですからね、多い人はたくさんのせてね。はい」

純子「うわ~、豪華!」

 

町子「その次に紅しょうがを入れます」

晴子「お母ちゃんの作ってたのとだいぶ違うね」

町子「お好み焼き屋さんて、100軒あったらね100軒とも味が違いますからね。これ、町子流ね」

 

それぞれ違うんだよと言ってくれるのも優しさ。料理法とかも、すぐこんなのおかしい、間違ってる、変わってるとかいう人いるもんね。

 

お好み焼き完成! ソースと青のりがかかっていて、4等分されている。

町子「はい。では、健次郎さんから」

健次郎「はいはいはい」

隆「おいしそう!」

町子「はい、純子さん。町子流ですからね、味わって食べてくださいよ。はい。ちょっとみんな冷めない間に食べてちょうだいね」

 

健次郎「できたか? あっ、ほな、その前に…みんなええか? グラスを持って」

町子「はい」

健次郎「退院…おめでとう!」

一同「おめでとう!」

町子「ありがとうございま~す! みんなにいっぱい迷惑かけてほんとにごめんなさい」

みんな笑顔。

 

健次郎「さあ、ほな食べようか! いただきま~す!」

一同「いただきます!」

町子「一生懸命作ったよ」

 

玄関のブザーが鳴る。

純子「あ…は~い!」

町子「あ…すいません」

純子「いいえ」

 

健次郎「おいしい」

町子「おいしい?」

健次郎「うん」

 

晴子「町子さん」

町子「はい」

晴子「ありがとう」

町子「ううん」

晴子の笑顔に健次郎も笑顔になる。

 

町子「それでは2回戦はイ…イカ玉! イカ玉にします!」

隆「やった!」

 

純子「大先生」

健次郎「はい」

純子「速達です」

健次郎「あ…どうも」

町子「健次郎さん、誰から?」

 

健次郎「『南野福子』さん…」

町子「誰?」

健次郎「(封筒の中の手紙を広げて)ああ! ミス福子」

町子「え?」

 

健次郎「ハハッ! これ、見てみ」

町子「え? うん?」

同封された写真はピンクの衣装の麗子と青い衣装の福子がダブルピースしていた。

健次郎「『親子漫才することにしました』て」

町子「え~っ?」

 

健次郎「そらええわ」

町子「ねえ、似てるっていう人?」

健次郎「うん」

町子「似てるかな?」

健次郎「似てるよ」

町子「似てない…」

 

晴子「見せて、見せて」

町子「はい」

晴子「え~! ちょっと見て!」

隆「あっ、『ごちそうさま』のおばちゃんや! 『忍法ごちそうさま』!」

町子「『忍法ごちそうさま』!」

 

漫才を続けるという福子の便りで徳永家と街の騒動はめでたく幕を閉じました。

 

来週は「カーテンコール」

・鯛子「お見合い…。私がですか?」

 

・ピンクの着物で徳永家の茶の間にいる鯛子。

「寿退社でもしたらどないすんね。寂しいがな」←俊平さんかな?

 

・町子「私の書いたもん、ず~っと読んでてくれはったんです」

 

平泉成さん! 石田太郎さんも子供おしんの歴代奉公先の旦那様。

 

・純子「おばちゃん、腹も立つっさい」

 

・晴子「精密検査必要やね」

 

・「がんやあらしまへんのか?」

 

・健次郎「命よりも大事なもんなんかあらへん」

 

ミニ予告

鯛子「子供だけ先にいう手もありますけどね」

 

小説家志望の二ノ宮、漫才を続けたい福子。結局、周りに何と言われようと続けることを決めた。バブル真っ盛りの「純ちゃんの応援歌」では純子の妹の恭子、弟・昭の挫折が描かれていて、時代の違いか単に脚本家の違いか…。恭子も昭も別の夢ややりたいことを見つけたし、それもありだしね。

 

お好み焼きと言えば、由利子役の邑野みあさんは現在、お好み焼き屋さんを営まれているそうですね。