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【ネタバレ】若者の旗

1970年 日本

 

あらすじ

「若者たち」3部作完結篇。長女・オリエ(佐藤オリエ)は戸板(石立鉄男)との恋に破れ、次男の次郎(橋本功)は紆余曲折の末に町子と結婚し子供ができる。三郎(山本圭)は夜間中学の教員を辞めて小さな出版社へ。車のセールスマンをしている末弟・末吉(松山政路)は、浮気が元で社内の恋人とうまくいかなくなり、香港で仕事すると言い出すが・・・。

2022.4.15 日本映画専門チャンネル録画。

 

三郎は高校教師から夜間中学の教師へ。高校教師の頃の教え子・司郎が母親(杉山とく子)に連れられて三郎の元へきた。三郎を敗北者呼ばわりした司郎を夜間中学の教室へ連れて行く。司郎は教室にいる人たちは例外だと言うが、様々な事情で義務教育を受けられなかった人が120万人いると三郎は言う。

 

努という少年は父親がいなくなり、12歳で朝から工場で働いている。三郎は福祉事務所に連絡をして家を出るように言うが、努は、あの家で父親を待つと言う。

 

末吉は自動車のセールスマンとして擦り切れるほど働き、会社からはポケットベルを持たされている。

 

次郎は空箱を重い箱と思って持ち上げて、ギックラ腰(と映画では言っていた)になってしまった。次郎はマチ子と結婚し、マチ子は妊娠中。うまくいったのか!

 

三郎は昼間は、あけぼの出版という小さな会社をやっている。そこに寄った末吉。しかし、三郎の元にマチ子から次郎が入院したと連絡が入る。

 

末吉は、同僚女性・みわに積極的にアタックするが、みわには叔父が所長で出世のための結婚だと見抜かれる。しかし、見抜かれても悪びれない末吉。

 

家に帰った、末吉はオリエから次郎を助けるよう言われた。仕事中のケガなのに労災が出ない!? 一人暮らししたいという末吉に太郎は反対。しかし、末吉は結婚して、幸せになると宣言する。

 

セールスがうまくいかない末吉。公園で顔を洗っていると、じっと見つめてくる女性がいた。末吉が声をかけると、泣き出して逃げた。末吉がベンチで休んでいるとポケットベルが鳴った。

 

帰り道、線路で自殺しようとしていた女性を止めた。さっきベンチに座っていた女性・チエで、チエの姉のところに末吉が連れて行くと、そんなに天国が好きなら行っちゃいな!と突き放される。

 

チエの話を聞く末吉。うーん、チエより姉に同情しちゃうな。チエは美人だけど不思議ちゃん系。

 

次郎は完治していないのに、仕事を始める。

 

オリエは戸坂が脳貧血で倒れたと聞き、見舞いに行く。オリエは戸坂から西田和子という女性を恋人だと紹介された。西田和子もまた広島の生まれだった。戸坂は佐藤家に行き、太郎と三郎に話をした。秋にでも結婚するものと思っていた太郎はショックを受ける。

 

オリエをどこに出しても恥ずかしくない娘だという太郎に、だからこそ手ひとつ握れなかったと言った。戸坂…石立鉄男さんは髪が伸びてモジャモジャになりつつある。オリエも「生活、生活」で生きてきたから、会っても学習と運動の話しかしてこなかったと話した。甘えたりできなかったということか。

 

戸坂と入れ違いに末吉がみわを連れてきた。太郎は末吉に末吉が買ってきたアイスを投げつけた。太郎はチエと遊んでいた末吉を怒っていた。チエは何度か遊んだ後、捨てられた!? 末吉が渡した1万円を封筒に入れて、末吉宛に手紙を送ってきたのを太郎が見ていた。

 

みわを送った後、太郎に金を返せという末吉。ケンカになりそうな雰囲気にオリエと三郎はちゃぶ台の上を無言で片付け始める。

 

末吉は年収140万円。三郎の稼ぎはその半分。

 

結局、大げんかになり、電球が割れ、真っ暗になってもケンカを続ける。片付ける人の身にもなれ!

 

そこに次郎が泣きながらやって来た。マチ子が出て行きそうだから、オリエに止めてほしいと泣いていた。

 

公害の取材をする三郎。役者じゃなくて本当の地元の人かな? 出版社での会議。タバコモクモク。会議にいるサングラスの男は中谷一郎さんか。しかし、三郎が提案した本は結局、儲けがないと不採用になった。

 

夜間中学にやって来た司郎は大学受験するといい、努にあげてほしいと野球道具一式を置いて行った。

 

チエの職場にオリエが来た。百貨店の婦人服売り場かな? チエは山口果林さんかあ。なんだか見たことあると思った。

 

オリエが帰ると、次郎と末吉がケンカをしていた。次郎のところでは子供が生まれたらアパートを追い出されるらしく、お金が必要だった。

 

末吉の同僚・赤沢(森幹太)は他の会社に車を売っていたことがバレて退職。みわは、赤沢のやったことは悪いけど言い付ける人はもっと悪いと言った。赤沢と同じことをしていた青木や池田は減俸で済んだが、末吉が言いつけたスパイだとして、みわの前でボコボコに殴られた。

 

うーん、赤沢たちの方が悪くない? 

 

みわは傷の手当てをしてくれたが、末吉を機械のようだと言い、去って行った。

 

家に帰った末吉は香港へ行くという。金とセックスと博打のために生きているという末吉に説教する三郎。欲しいものは欲しい、やりたいことはやるという末吉。

 

次郎は「桃太郎が生まれた」と駆け込んできた。酒盛りだと言って、台所から一升瓶を持って飲み始めた。次郎は末吉に一人じゃねえぞと励ます。

 

川辺にいる末吉。汚れた川には、営業成績優秀者の末吉がもらった優勝旗!? 末吉はその足で赤ちゃんの顔を見に行く。

 

街では公害をなくそうと呼びかけている若者がいた。足を止める末吉。(終)

 

3部作とはいえ、2作目はナレーションあり、ケンカも少なめだったような? 前作のミツは再登場なしかあ。前作まで太郎の味方でいることが多かった末っ子のボンが金の亡者となりガリガリ働く。モーレツ社員と言われたのは、もうちょい上の世代か。

 

赤ちゃんの顔を見て、少し変わった!? 変わったらいいなあ。