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ドラマの感想など

【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (146)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

式も挙げずに、均(渡辺篤史)の住むアパートに嫁に行った道子(光丘真理)。二人の生活を心配し、マリ子(熊谷真実)だけでなく、田河(愛川欽也)夫妻や細谷(下條アトム)夫妻も同じように日用品を持ってかけつけ、狭いアパートは一気ににぎやかになる。マリ子が家に帰宅すると、マチ子(田中裕子)が胃を痛めて倒れてしまう。医者(川部修詩)からもはや胃けいれんの段階ではないと言われたマリ子は、がんではないかと心配し…

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マリ子がお琴さんに見送られて磯野家を出た。

 

道子は手鍋堤げてという結婚を敢行しましたが、それでもマリ子としてはいろいろ心配になるのもしかたのないことでしょう。

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聞いたことのない言葉。

 

ベランダに鉢植えが置かれるようになった均ちゃんのアパート。ノックの音がして、均が出る。「お帰り! いや~、重かったろ!」

マリ子「ああ~、よかった。ちょっとすいません。これ、お願いします」

大きな荷物を抱えている。

 

均「これはどうも。いや~、てっきり道子のやつかと思って」

マリ子「まあ、もう『道子のやつ』だなんてお呼びですの?」

均「いえ、そういうわけじゃないんですけどね…」

マリ子「お出かけ?」

均「ええ、あの、近所まで出かけてもう帰ってくるはずなもんですから、つい…」

 

マリ子「じゃあ、道子ちゃんじゃなくてごめんなさい」

均「そんな…まあどうぞ中へ入って」

マリ子「あっ、失礼します」

均「あの、早速お茶いれますからね」

 

マリ子「あ~、いいんですよ、そんな、お客様じゃないんだから」

均「いや、しかし…」

マリ子「今、お仕事なさってたんでしょう? さあ、私に構わずどうぞお続けになって」

均「はあ。あ…」

マリ子は荷をほどく。中から出てきたのはバケツ。ちり紙などなど。

 

またノックの音。

均「おい、どうしたんだ。遅かったじゃないか。ええ? おい。(ドアを開けて)先生! あっ、どうも…」

水泡「いやいや、すまんすまんすまん。奥さんがね、あれも要るだろう、これも要るだろうって、あっちこっちのお店屋さんに飛び込むもんだからさ。いやいや、ちょっと均ちゃん持ってくれよ」

均「すいません、どうも」

水泡「お邪魔するよ」

均「どうぞどうぞ」

 

水泡「おや、これはマリ子さん」

マリ子「先日はどうも失礼いたしました」

順子「あら、失礼したのはこちらの方よ。皆さん、あんなに大事にしていらっしゃる道子ちゃんをお嫁に頂くんですもの。せめて、お式のまねごとぐらいって、私、一生懸命に申しましたの。でも、うちじゃあね、先生まで均ちゃんのペースに巻き込まれちゃって」

 

水泡「いいじゃないか。ええ? まだ戦争が終わって10年もたたないっていうのにさ、もうそのことを忘れちまってる連中が多い中でだよ、ゼロから出発するんだからむしろ壮挙と言えるんじゃないか」

順子「それはそうですけどね、女にはやっぱり…よいしょ…男の方と違って毎日の細かいことがありますもの」

マリ子「あら、奥様もバケツを?」

順子「あら! マリ子さんも!」笑い

 

水泡「おい、当分、応援団で大変だぞ、均ちゃん」

均「申し訳ございません」

マリ子「あっ、先生、どうぞこちらへ。あっ、大宗さん、お座布団は?」

均「おざぶ…あっ!」

水泡「いいからいいから。おいおい、あの…」

均「どうぞどうぞ」

 

水泡「私たちは別に客じゃないんだからさ」

順子「そうよ。あなたたちが何か不自由してないかどうか、それを見に来ただけですもの」

マリ子「応援団としては同じことですね、考えが」

順子「本当ね」

 

マリ子「あっ、そういえば…ただいまお茶を入れます」

順子「いいわよ…」

均「それは僕がやります!」

マリ子「まあ、大宗さんはもう一家のあるじなんですからデ~ンと構えてらっしゃいよ、デ~ンと」

 

均「いや、しかしですね…」

順子「しかしもヘチマもありません。ほらほら。ねっ?」

水泡「いいか? 女ってのは古くなるとこういうふうに強くなるんだから」

順子「まあ!」

水泡「まあまあ…座って座って」

均「すいません、本当に」

順子「いいえ」

 

水泡「で、道子ちゃんは?」

均「あの…近くまで出てるもんですから」

水泡「ああそう。元気か?」

均「はあ、きわめて健康です」

水泡「いや~、結構結構。それでお前さんは?」

均「あっ、あの…ご覧のとおりでございます」笑い

デンと座っている均、水泡の奥でお茶の準備をするマリ子と順子。

 

道子「ただいま~!」

均「お帰り~!」

細谷「こんにちは」

均「あら」

細谷「どうも、どうも。先生!」

水泡「細谷君!」

 

マリ子「あら、奥様も」

水泡「いらっしゃい、いらっしゃい!」

均「これは一体どういうことになってるのかね?」

細谷「どうもこうもないよ。おめでたいニュースが伝わって喜んでたら、君、式も挙げずにスイートホームってんだから、今日はその陣中見舞い」

水泡「ハハハハハッ! いずこも同じ心意気ってもんだ、これは」

 

道子「まあ、こんなにバケツが」

…だから現金がいいっつったのに…な~んて。しかし、逆に気を遣わせることになってしまってる気もするな。

 

細谷「ほら見ろ。まず様子を見てからって言ったじゃないか」

浩子「あら、お部屋が狭いので、お祝いは要らないというご通知に、あなたががっかりなさったあげく、こういうものならいいだろうとおっしゃったのはあなたの方ですよ」

細谷「だからといってだな…」

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「おとなしいだけがとりえ」と紹介された浩子さんも細谷さんに言い返してて、よかったよかった。流行作家だからか着物姿の細谷さん。

 

マリ子「どうぞ、細谷さん、お茶を」

道子「あっ、すいません、あと、私やります」

均「いや、道子、俺がやるからね」

道子「いいんです、お座りになっててください」

順子「いいのよ。こっちはお茶菓子持参だから何か入れるものを見てちょうだい」

マリ子「あっ、菓子器でしたら私、持ってまいりました」

 

細谷「あっ、そうだ! ほら、あの、うちも何か果物を持ってきた…。どこやったかな…?」

浩子「ええ、あの、あなたの包みの方ですわ」

水泡「細谷君、それは奥さんに任せて男はちょっと座ったらどうだ? 均ちゃんも座って…もうあれだな! こう人が多くては、もう、狭くてかなわんな!」

 

均「どうも本当に申し訳ございません」

道子「申し訳ございません」

マリ子「いいのよ。自称応援団がちょっと多すぎるみたい。ねっ、奥様」

 

水泡「じゃあいいか? 物事はな、すべて最初が肝心だからな。いいか? わしのところをよく見習うべきだぞ」

順子「えっ? あなたそれ今のどういうことですか?」

水泡「いや…わしは…つまりうちはそういうわけで、うまくいっとるとこう言ったまでだよ、なあ、奥さん?」笑い

均「存じております」

 

こうしたてんやわんやも愛すべき均ちゃんと道子の人柄でしょうか。応援団に反省の色はあまり期待できそうにありません。

 

均は水泡に原稿を渡し、細谷とともに見ている。マリ子をはじめとした女性陣が台所に立ち、男たちが座ってる図は今だとアウトだろうな。

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↑昔の作品だと、お正月に重役の家に招かれた男性社員たちはリビングで酒を飲み、女性社員は晴れ着で台所で奥のことをしていた。同じ社員なのにさ!

 

夜、磯野家

マリ子が帰ってくると、玄関に男物の靴。正史が帰っていた。

お琴「はい、珍しく今日はお早いお帰りでございました」

マリ子「そう」

お琴「あの…道子ちゃん、どんなふうでした?」

マリ子「ええ、元気だったわよ、とっても。マチ子は?」

お琴「はい、お仕事中でございます」

マリ子「どうりであのニュース屋さんが迎えに来ないわけがないと思ったわ」

お琴「はい」笑い

 

マチ子は部屋で作業をしていたが、胃を押さえていた。

 

磯野家ダイニング

はる「まあ、それでは水泡先生や細谷さんも?」

マリ子「ええ。それもお二人とも奥様とご一緒だったものだから、もうお部屋はパンパンの満員」

ヨウ子「まあ。それで皆さん、ご一緒にお食事を?」

マリ子「そうよ。細谷さんにしたって今は流行の売れっ子作家でしょう。改めて顔を合わすのも大変だし、この際みんなで一緒にお食事しましょうっていうことになって、それはにぎやかだったわ」

 

正史「しかし、それは残念でしたね」

マリ子「えっ?」

正史「今夜はほら! ヨウ子の料理だったんですよ! それはおいしいんですよ! お義姉さんにも是非召し上がっていただきたかったな~」

マリ子「残念ながらお腹いっぱい」

 

正史「一口でも駄目ですか?」

マリ子「大変申し訳ないんですけど」

正史「残念だな~、本当においしいんですよ!」

ヨウ子「あなた! みんな笑ってるじゃないですか」

正史「だってとみにこのところ君の料理の腕が上がっているんだし」

 

マリ子「でも道子ちゃんのお手料理もとてもおいしかったわ」

正史「しかし、それはヨウ子の方が上でしょう」

はる「どちらでも同じようなもんですよ。ヨウ子にしたって道子ちゃんにしたって正史さんが買っていらした料理の本を首っ引きで研究したんですからね」

正史「え~!?」

ヨウ子「ほら、あなたがあまりおっしゃるからよ」

 

お琴「いいえ、本当においしゅうございましたもの」

正史「そうでしょう? そうなんですよ! 要はハートです!」

お琴「そうですね。ヨウ子奥様のお味は旦那様のハートに一番合うお味ですものね」

ヨウ子「嫌だわ、お琴さんったら」

はる「いいじゃありませんか。いい奥さんになる秘けつというのは、まずご主人の胃袋をしっかりとつかむことっていうくらいですからね」

 

マリ子「あっ、そういえば胃袋といえばマチ子はまだ仕事?」

お琴「はい。昼間、ちょっと胃がお痛みのご様子でしたので」

マリ子「そう。ちょっと下に下りてきてって言ってきて」

お琴「はい」

正史「胃が痛んだ時は机を離れるのが一番。そう言ってください」

お琴「はい」

 

正史「ヨウ子のこの料理、一口食べればすぐ治ってしまいますよ」

はる「あら、マチ子はね、もうみんなとさっき一緒に頂いたんですよ」

マリ子「えっ? こんな脂っこいものを?」

ヨウ子「いいえ、マッちゃん姉ちゃまには、もう一つあっさりしたのをお作りしたの」

 

はる「あら、でもね、この酢豚も結構頂いてたみたいよ」

ヨウ子「まあ、本当? どうしましょう…」

はる「大丈夫ですよ。あのニュース屋さんがマリ子の声を聞いて、すぐに下りてこないということは次から次と案が浮かんでいるっていう証拠ですからね」

マリ子「そういえばそうですわね、きっと」

 

お琴「奥様! マリ子奥様! 早く来てください! マチ子先生が! 早く!」

マリ子たちは慌てて2階へ。お琴さんはマチ子の背中をさすり、マチ子は枕を抱いて苦しんでいた。

お琴「マチ子先生、しっかりしてください!」

 

マリ子「マチ子!?」

マチ子「マー姉ちゃん…」

マリ子「何でこんなになるまで一人でいたのよ!」

マチ子「だって、声が出ない…」

ヨウ子「マッちゃん姉ちゃま!」

 

マチ子「せっかく治まったと思ったらまたキリキリ…」

正史「お琴さん、とにかくお医者様に電話を!」

お琴「はい!」

マチ子「大丈夫…薬のんだ…」

正史「薬で効かなかったら注射です」

 

マチ子「嫌! 嫌だ! 薬のんだって…! ああ~! 注射するなんて死んだ方が…!」

正史「そんなことを言ってる場合じゃないでしょう!」

マリ子「そんなことって一体どんな…?」

正史「見てごらんなさい。痛みで貧血を起こしています」

ヨウ子「マッちゃん姉ちゃま!」

 

正史「お琴さん、先生に大至急と電話!」

お琴「はい!」

正史「ヨウ子はそれまでにとにかく痛み止めを!」

ヨウ子「はい!」

正史「お義姉さんは先生がいついらしてもいいように支度を!」

マリ子「はい!」

 

はる「あの、私は?」

正史「お義母さんは病人のそばについてやってください」

はる「はいはい。あの、それだったら正史さん、あなたはとりあえずお食事をしてしまいなさい」

正史「はい!」右手に箸を持ったままで、自分で驚く。

正史さんだけは見た目が令和の若者みたいに見えるんだよな~、不思議と。

 

医者と看護師を見送るマリ子。

医者「ではお大事に」

マリ子「夜分にどうもありがとうございました」

医者「いやいや。今夜のところは応急手当の注射ですから明日にでも至急に病院で検査を受けてみることですね」

マリ子「はあ?」

 

医者「もうとても胃けいれんの段階ではありませんよ」

マリ子「先生!」

医者「いいですね? できるだけ早く徹底的に検査をしないと…」

マリ子「しないと…あの…どういうことに?」

 

医者「悪くなるだけです。それも大変に悪く」

マリ子「はい…」

医者「では、お大事に」

看護師はナース服だったけど、お医者さんはスーツ姿だったな。

 

医者たちが帰ってもショックで玄関に佇むマリ子。

お琴「マリ子奥様」

マリ子「あっ、お琴さん」

お琴「そんなにお悪いんでしょうか? マチ子先生…」

マリ子「それでマチ子は?」

お琴「はい、お注射が効いたようでウトウトなさいましたようです」

マリ子「そう…」

 

玄関でふらついたマリ子。今日は変顔はしなかった(当たり前だろ!)。

 

寝ているマチ子を見ているはるとヨウ子。お琴さんが戸を開けて頭を下げた。部屋を出て応接間に行くヨウ子。マリ子はソファにもたれかかっていた。

ヨウ子「マー姉ちゃん?」

マリ子「大丈夫。軽い貧血を起こしただけだから」

ヨウ子「それで一体?」

 

正史「うん、できるだけ早くマチ子お義姉さんに検査を受けさせた方がいいと先生がおっしゃったそうなんだ」

ヨウ子「検査ってまさか…!」

マリ子「もしもがんだったら…」

ヨウ子「マー姉ちゃん!」

 

正史「し~! 病人のいる家ではめったなことを言うもんじゃありません」

ヨウ子「すいません」

マリ子「言ったのは私です」

正史「ああっ、そうでしたっけ?」

 

ヨウ子「それで先生は本当に?」

マリ子「そうとはっきりはおっしゃらなかったわ。だけど…もう胃けいれんの段階じゃなくて大変、悪くなってるかもしれないって…。どうしよう…」

正史「しっかりしてください、お義姉さん! 病人はマチ子お義姉さんの方なんですからね」

 

マリ子「だからこそ心配してるんじゃありませんか! あの子がもしもがんだったら私だって生きちゃいけないわ…。その時はどうぞ正史さん、ヨウ子をお願いします」

正史「何をバカなこと言ってるんです!」

ヨウ子「そうよ! 今、マー姉ちゃんがしっかりしてくださらなくてどうするんです!」

マリ子「私はしっかりしてるわ。だけど…」フラフラ~

正史「お義姉さん!」

ヨウ子「マー姉ちゃん!」

正史「マリ子お義姉さん!」

ヨウ子「マー姉ちゃん、しっかりして!」

 

本当に何とも心配な状態です。ええ、マー姉ちゃんの方がです。

 

ヨウ子のエピソードは時系列に沿ってるけど、マチ子のエピソードは、この間の電話番号を書いてしまったのもそうだけど、昭和40年代のエピソードも織り交ぜてという感じになってるのかな。

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28分で終了し、「手のひらは小さなシャベル」タイム。