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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (112)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

純子(山口智子)は、その旅館は昔は甲子園球児たちを泊めていた、ということも旅館をやってみようかと思う理由の一つ、とあき(伊藤榮子)に言う。恭子(松本友里)が帰ってきたので、皆が集まったところで、旅館のことを相談する。欽一郎(浜村純)も含めて賛成すると、あきはどこかの旅館で修業させてもらおう、と言う。昭和30年2月、純子は8年続けた純ちゃん食堂をもも(藤山直美)に任せ、浜風荘のおかみになり…。

昭の四十九日も過ぎ、秋の深まりを見せる10月もやがて終わろうというのに純子の気持ちは揺れに揺れていました。正太夫がすすめる西宮の旅館を引き受けるかどうか。引き受けて果たしてやっていけるのか。

 

純子は、あきと共に外で洗濯。

純子「もう分からへん。ただな、その旅館は甲子園球場のすぐそばなんや」

あき「そうらしいな」

純子「前の女将さんが元気でやってはった頃は甲子園に来る学校をよう泊めてはったんやて」

あき「今は泊めてはらへんのか?」

純子「女将さんが寝込まはってからは、旦那さんが面倒や言うて断らはったらしいわ。それも旅館をやってみよかっていう気持ちになってる理由の一つなんや。偶然かも分からへんけど、お父ちゃんも昭や雄太も甲子園を目指したんやし…。甲子園に縁のある旅館の話が舞い込んだいうのも、どっか見えん糸でつながってんのかもしれんて思たりしててん」

 

純子がふと路地に視線を向けると恭子が手を振って向かってきた。

恭子「ごめんな。昭のお葬式にも四十九日にも帰ってこんと。やっと仕事の切りがついて急いで帰ってきたんや」

純子「元気やった?」

恭子「大丈夫」

あき「とにかく上がって。なっ、なっ?」

 

仏壇に蒸しパンを供え、手を合わせる恭子。「昭、堪忍してな。ごめんな。お姉ちゃん、仕事があって仙台とか盛岡とか青森とか函館や札幌やずっと回ってジャズを歌うてたんや。仕事を世話してくれる人に迷惑をかけられへんやろ。そやから遅なってしもたんや。堪忍してな」

あき「大丈夫や。昭かてよう分かってる」

恭子は泣き出してしまった。

 

2階の雄太の部屋へ。

恭子「梅田で蒸しパン売ってたんや。それ見たら、ああ、昭が好きやったなあ思て買うてきてしもた」

純子「仕事は? 大丈夫なんか?」

恭子「うん。おとといの夜、軽井沢のホテルで秋のジャズコンサートいうのがあってそれでしまいや。2か月近い間に52回のステージやで。さすがにきつかったけど、昭の供養のつもりでやり遂げたんや」

あき「よう頑張ったな」

 

恭子「うん。行くとこ行くとこで喜んでもろて、ちょっとは自信がついたような気がすんねん」

純子「いつまでこっちにおられるんや?」

恭子「2~3日、泊めてもらおうと思てるけど」

あき「そうか」

 

恭子「秀平さんは?」

純子「今日は朝から仕事やねん。西川さんは元気なんやろ?」

恭子「うん。今度、パントマイムの研究所を開く言うて準備してはる。月に10日はステージの仕事もあるし。あんまりお金にはならへんけど頑張ってはる」

あき「ほんなら安心した」

 

恭子「お母ちゃん、痩せたな」

あき「そんなことないやろ」

恭子「ううん。言うたらなんやけど、ちょっと老けたし」

あき「そうか?」

恭子「私な、お母ちゃんがどないしてるやろかと、もうそれが一番気がかりやってん。お姉ちゃんは秀平さんがいてるから大丈夫やろとは思てたけど」

あき「何言うてんの。お母ちゃんかて大丈夫や」

 

夜、小野家…ではなく、この玄関の向きは速水家かな?

秀平「先生、肉食べてくださいね」

純子「椎茸も…」

秀平「しかし、久しぶりだねえ、みんなでごはん食べるの」

あき「ほんまやな」

恭子「おじいちゃん、遠慮せんとお肉食べて」

清原「ありがとう。十分いただいてる」

すっかりおじいちゃん呼びが定番になってる。

 

純子「あっ、雄太、あんたちょっと遠慮し」

雄太「何でや」

純子「さっきからほら、お肉ばっかり食べてるやんか」

あき「えやないか。牛肉ようけあるんやから」

 

純子「あっ、そや、ちょうどええ機会や。みんなそろてるさかい旅館のこと相談したいんや。私もう分からんようになってしもて」

あき「純子、まだ迷てるんか?」

純子「うん、迷てんねん」

あき「お母ちゃんは、もう決めたで」

純子「決めた?」

 

あき「そうや。迷てる時はな、やってみた方がええんや。やれるかもしれんという気持ちがどこかにあるから迷うんと違うか? 初めからあかんのやったら迷たりせえへんのと違う?」

清原「うん、そのとおりだ」

秀平「おじいちゃん…」

清原「あきさんはいいことを言うよ。いや、迷った時に行動するのが一番なんだ」

純子「そやけど…」

 

秀平「僕もおかあさんに賛成だな。こういう節目に出会ったら守るより攻めろかもしれない」

雄太「僕も賛成や。お姉ちゃんは大変かもしれんけど」

純子「そうか? そやなあ、思い切ってやってみよか」

あき「ただしな、今すぐというわけやないで。来年の2月ごろや」

純子「来年の2月て何で?」

 

あき「旅館がどういうとこかということは私ら外からしか見てへんやろ。ほんまにやってみる気があるんやったら、その一遍、中へ入って働いてみるのが一番やと思うんや。そう思わへんか?」

秀平「2人で働くんですか?」

あき「そうや。有馬温泉の老舗で皿洗いから仲居さんの仕事、お帳場の仕事、修業さしてもらうんや。どうや? そうしたら納得できるんと違うか?」

あきさんの言動に笑顔になる雄太。

 

純子「お母ちゃん、いつも土壇場に来ると大胆なこと言うな」

恭子「そうや。美山村から大阪へ出てくる時もお母ちゃんが決めたんや。ええ度胸してるわ」

あき「そんなことないけど」

peachredrum.hateblo.jp

清原先生に雄太を養子にする覚悟を聞かれたり、雄太は昭より誕生日が1か月早いなど、いろいろ情報が詰まってるね。

 

清原「どこに修業に行きますか?」

あき「明日探します」

清原「となると、しばらく純子さんもあきさんも留守になるが、秀平君も雄太君も大丈夫かな?」

雄太「僕は大丈夫や。お姉ちゃんとこに来て泊めてもらうさかい。いや、向こうで1人で寝たかてかめへんけど」

秀平「僕も大丈夫だよ。おじいちゃんと助け合ってやるから」

 

あき「よし、ほんなら決まりや」

純子「よし、決まりや」

あき「ほんならようけ食べよ」

純子「さあ食べよう」

あきさんの久々の明るい声、いいね。

 

そして昭和30年2月。有馬温泉で旅館とはいかなる所であるかを実地体験した純子とあきが大阪・阿倍野に戻ってきました。

 

おお! 修業がナレーション。夜、閉店後の純ちゃん食堂。

ぬひ「いよいよ、明日から西宮でんな」

純子「そうや。遊びに来てな」

ぬひ「へえ、寄せてもらいまっせ。うちのかてな歌舞伎の役者衆に泊まるように話する言うてましたさかい」

純子「ほんま。おおきに」

ぬひ「へえ」

 

村山「やあ、いよいよ、ももさんとバトンタッチやな」

純子「はい、長い間、お世話になりました」

村山「いやいや」

あき「ももさん、ぬひさん、ほんまにありがとうございました」

もも「純ちゃんにな、あと任されて責任重大やわ。ハハハ」

 

村山「あら、食堂の看板はこのままかいな」

もも「私ね、2代目純ちゃん」

純子「ももさん、よろしくお願いします」

もも「純ちゃんの方こそ旅館でしっかり頑張ってや」

純子「うん」

 

村山「ほな、ここで手締めいこか」

ぬひ「そら、よろしいな。組合長さん、ひとつ頼んまっせ」

村山「任しなはれ。ほんなら、ももさんの純ちゃん食堂の成功と純ちゃんの旅館経営の成功を祈って一本締めでいこう」

一同「いよ~っ!」パン!と一発かと思ったら三三七拍子だった。

 

さあ、明日から新しい人生が始まりますね、純子さん。

 

旅館 浜風荘

キクたちが客を送り出し、純子たちは荷物を運んでいた。

あき「雄太。机、ここでええな?」

雄太「うん。僕ほんまはおじいちゃんと一緒でもええのやけど」

あき「ここでえやないか。窓がないのがなあ…」

雄太「かめへん、かめへん。それより、寝る時、お母ちゃんと一緒やな」

あき「そやな。ちっちゃい時みたいにお母ちゃんのお布団に来るか?」

雄太「アホなこと言わんといてえな」笑い

 

雄太「あれ? 落書きや。『来年も来るぞ』て書いてあるわ。お母ちゃん」

あき「えっ? 前に高校野球を泊めたことがあるて言うてはったさかいに、その時のもんかもしれんな。『来年も来るぞ 明王学園』」

落書きというか柱にしっかりとナイフで刻み付けている。

 

太夫がみんなを紹介すると言って雄太とあきを呼びに来た。旅館の人たちに女将の速水純子、母のあき、夫の秀平、弟の雄太、おじいちゃんの清原先生と順に紹介していく。

太夫「昔、判事さんしてはったお偉い方です」

清原「いやいや、ただのじじいです。仲よくやりましょう」

 

旅館側

板場の垣本さん。小ぼんちゃんの石田君は板場さんのお手伝いさん。仲居頭のキクさん。久美子さんとヨシ子さん。

歓迎ムードに見えるけど? はてさて。

 

さあ、いよいよ純子は旅館の若い女将になったのであります。前途は吉と出るか凶と出るか。とにもかくにも新しい出発なのであります。

 

早速お客さんが来て、純子が呼ばれた。

 

次回は28日。もう「マー姉ちゃん」が終わって、「芋たこなんきん」の初回か。1日2話放送なのにこうも差がついてしまった。

 

昭和9年3月から始まった「マー姉ちゃん」が143話で昭和28年5月あたり。「純ちゃんの応援歌」は昭和22年6月から始まって今、昭和30年になったとこ。あらすじでは8年続けた純ちゃん食堂とあるけど、昭と雄太が中学に進学する時に大阪に来たので、7年だと思うけどな。区切りのいい所といえばいいけど…NHK+でどんどん配信すればいいのに。