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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (28)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

朝、元気良く家を飛び出すマチ子(田中裕子)とヨウ子(平塚磨紀)。いつの間にか東京の生活にも慣れ始めていた。マリ子(熊谷真実)もブルーズを作り直し、晴れて念願の油絵のアトリエへ。裸婦像を描いていると、茜(島本須美)にマリ子の画を見直したと言われる。一方、マチ子は読み終えた漫画を、密かに三吉(吉田茂樹)にもらってもらおうとするが、ウメ(鈴木光枝)が代わりにお礼に来たため、はる(藤田弓子)の耳に入り…。

朝。マチ子は小脇に新聞包みを抱えて登校しようとし、お弁当を忘れそうになったが、はるに手渡されて、ヨウ子と元気に出かけて行った。

 

マリ子はもう一度ブルーズを作り直し、完成。

はる「早くに油絵をやりたかったら早く仕上げることね」

マリ子「はいはい、やりますやります!」

はる「大変結構でした」

マリ子「女ヒトラー…」

はる「えっ?」

 

この前年、ドイツではヒトラー内閣成立。日本に続いて国際連盟を脱退し、女ばかりのこの磯野家でも独裁者に対してこのような言葉が聞かれるご時世になりつつあったのです。

 

マチ子は登校途中に酒田燃料店により、三吉に新聞包みを渡そうとしたが、配達に行っていたため、大造に渡した。帰ってきた三吉はマチ子からと聞いてもピンと来てなかったが、中身が「少年倶楽部」で大喜び。中には「三吉さん これをもらってください。 マチ子」という手紙が入っていて、ウメも見ていた。

 

そのウメが磯野家を訪ねてきた。マリ子が珍しい服を着てることに気付き、油絵を描くときの仕事着と聞き、「へえ~私はまた学芸会で大黒様でもおやりなさるのかと思った」と話す。画像検索の結果、ゆったりした服ってことかな。

 

マリ子が大きな口をあけて笑う。

はる「大きな口開けないで」でウメまで口を閉じてるのが面白い。

 

ウメはマチ子が三吉に「少年倶楽部」を買った事へのお礼に来た。マリ子が東京駅に迎えてもらった時からヨウ子がいなくなった時まで世話になったのだと取り繕った。

ウメ「まさか三吉のやつがねだったわけじゃござんせんでしょうね」

マリ子「いいえ、それだけは絶対、神にかけて!」

はる「こんな時だけ神様を持ち出すことはありまっしぇんよ。でも喜んでいただけて本当によろしゅうございましたわ」

 

三郷写真館に栄一と乙松(大工)が訪ねてきた。智正に磯野家がミシンと蓄音機を買ったか聞いてきた。買ったと答えると

栄一「はあ~、してみると大将ギャ~ギャ~言ってたけど、あのうちは小金どころか大変な大金持ちだぜ」

乙松「なっ? だからよ、俺たちの京都見物もまんざら夢物語じゃねえって言ってんだよ」

 

そりゃあ大金持ちと思われても仕方ないか~。「本物を見ずして何でひとかどの職人になれる」とはるが言った京都行きの話をする。

智正「う~ん、そうですね~、あの奥さんならそんなことおっしゃってもこりゃ不思議じゃありません。そこまで肩入れしてくださる方なんてめったにあるもんじゃありませんよ」と納得。智正も外国見物に連れて行ってもらえと言われた。

 

お千代ねえやが聞いたら、たちまち「お金は大事に使うもの」とまゆを逆立てたことでしょう。

 

茜はアトリエでマリ子の絵を見てハッとして帰ろうとしたマリ子に声をかけた。

茜「ねえマリ子さん。ちょっとでいいからつきあってくださらない?」

マリ子「でも今日は…」

茜「真面目なのよ。真面目にあなたとお話がしてみたいの。もちろん絵のことでよ」

マリ子「でも今日は妹のことが気になりますし」

茜「またお妹さん…」

マリ子「すいません」

茜「分かったわ、結城信彦がいないからね」

マリ子「そんなんじゃありません!」

茜「フフッ、ごめんなさい。じゃあ今度お時間の取れた時には是非私のアパートメントにいらしてね」

マリ子「はい」

茜「それと、見直したとだけ申し上げておくわ」

マリ子「はい?」

茜「あなたの絵をよ。ただし、絵をやるにしてはお人よしすぎるとだけ忠告しておくわ。たとえ肉親であろうとそう妹さんたちのことを気にしていたら、あなたの絵は駄目になるわよ」

マリ子「そんなこと絶対にありません」

茜「待ってるわよ、きっと」

今日も麗しい声いただきました。妹のことを気にしていたら~は今後の展開のことかなあ?

 

マリ子が帰ってくると、マチ子はコロッケ作りに苦戦していた。「おしん」ではテキパキ家事をこなしていたから新鮮。「あぐり」も早くに父を亡くして、嫁に出されたけど女学校に通わせてもらえ、家事をせず習い事もさせてもらえるとかなり恵まれた環境だったんだなー。どっちがいいとか言えないけどね。

 

マリ子がマチ子に「のらくろ」のことがバレたと知らせた。

マチ子「で、お母様の反応は?」

マリ子「あれは怪物だから多分ピンと来てると思うよ」

マチ子「どうしてうちだけ好きなことコソコソしなければいかんとね! ねえ「のらくろ」の一体どこが悪かと? ねえどうして!?」

マリ子「ん~…いっそのことコソコソするからいけないのと違う?」

マチ子「だったら堂々と読めというの? お母様が『聖書』読んでらっしゃる前で堂々と漫画を?」

マリ子「それも随分勇気のいることよね」

マチ子「だから三吉君にせっかくもらってもらおうと思ったのに! あのガキめ!」

コロッケをまな板に叩きつける。

 

その愛すべきガキがうれしそうにやって参りました。

 

三吉が磯野家を訪ね、家に上がった。

三吉「マチ子お嬢さん、『少年倶楽部』ありがとうございます」

マチ子「いいのよ、そんなこといいんだってば」

三吉「そうはいきませんよ。俺、自分の『少年倶楽部』これが初めてなんです」

マリ子「だって」

三吉「回し読みなんです、みんな」

マチ子「回し読み?」

三吉「そうです。角の乾物屋の若い衆がまず買って八百屋のせがれに行き、げた屋の良ちゃんが見て、それからうちの仁吉さんに来て最後は私の番なんです」

マリ子「まあ」

三吉「でも順番は待っていれば回ってくるから構わないけど…」

マチ子「けど何?」

三吉「だって返さなきゃならないでしょう。だからもう一度あそこを読みたいと思ってもそれが駄目だから…。でもこれは俺のなんだ。だからみんなに貸してやっても戻ってくるし、戻ってくれば毎晩だって読み直せるでしょう。それがうれしくってうれしくって」

マチ子「三ちゃん…」

三吉「俺、初めからマチ子さんが好きだったんです!」

マチ子「えっ?」

三吉「本当です! 男の子みたいにさっぱりしていて。だからこの本のことも分かってくれたんですね! 私の理解者はマチ子お嬢さんだけでした!」

三吉は酒田燃料店では一番燃焼のヨウ子よりちょっと年上くらいの男の子なので、そのくらいの年で顔を真っ黒にして働いてる姿が泣ける…。はるはそれぞれ友達が出来たことを喜んだ。

 

そのかわり、磯野家のヒトラーは毎月「少年倶楽部」を小遣いの中からプレゼントさせることをマチ子に約束させたのでした。

 

はるのことをイライラするという感想を時々見かけるけど、飲んだくれおやじで稼ぎを食い潰すようなタイプの親と一緒にしないでよ。結局周りのためにお金を使ってるんだからいざとなれば助けてくれるだろうし、何せ「サザエさん」のモデルが原作なんだから別にいいじゃんねえ。今日だってはるみたいな人だから「少年倶楽部」を買うことも許してくれたんだろうし。