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【連続テレビ小説】あぐり (59)「父の背中」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

大正15年正月、勇造(若林久弥)の後継者お披露目式が開かれる。久しぶりに岡山に帰ると、光代(星由里子)は健太郎里見浩太朗)とアキ(一色彩子)という新入りの女中との仲が気になる。勇造はエイスケ(野村萬斎)に、望月組を継ぐのは自分で決めたことだから半端な気持ちではない、と決意を話し、美佐(松原智恵子)があぐり田中美里)に会いに来て、美容師になるのを諦めるな、と励ます。東京へ帰る朝、突然光代が…。

大正15年(1926)正月

 

澪つくし」初回が大正15年、かをるが銚子高等女学校4年生。満年齢だと16歳だけど、数え年だと18歳という事になってるのかな? やっぱり数え年がイマイチ覚えられない。「あぐり」では数え年の概念を出さないのは正解かも。80年代だと数え年が普通に分かる人が多かったという事だろう。まあ、15歳の花嫁の方がインパクトあるけどね。

 

あぐり「エイスケさん」

エイスケ「ん…?」

あぐり「エイスケさんと一緒にお正月過ごすの初めてですよ」

エイスケ「そう…」

あぐり「いつも私が岡山でエイスケさん東京だったから。結構さみしかったんですよ」

 

エイスケは健太郎の「お前たちの夢や身勝手が勇造の夢を潰したんじゃ」という言葉を思い出し、厳しい表情。

 

光代もまた健太郎の「このところ、何だか涙もろくなってのう…。年じゃのう…。俺も古ぼけてきたなあ。お前も同じじゃ…。あんまり無理するな」という言葉を思い出し、餅が焦げるのも気付かないほどだった。

 

あぐりもまた「年が明けたらのう、勇造のお披露目をしてやるつもりじゃ。それだけはみんな出てやってくれや…。のう。お前らは親であり…兄弟であるんじゃからのう」と言った健太郎を思い出していた。

 

あぐりはエイスケと光代に「やっぱり勇造さんのお披露目行ってあげましょ」と提案し、岡山へ。

 

健太郎は勇造のお披露目の挨拶をし、勇造も挨拶、妻五郎が三本締めをした。歓談中、健太郎がアキという女中頭と親しそうにしているところを見つけた光代は、千吉にさりげなくアキのことを聞いた。里に帰ったしおの遠縁で夫と死に別れ、去年の暮れに来たと聞いた。しおさんってこんなに早くにいなくなったんだっけ?? あぐりの元には美佐も駆け付けた。

 

エイスケと勇造は事務所で飲んでいた。エイスケは「しかしバカだよな、お前も…。技師を目指した方がよかったんじゃないのか? 大体その半纏だって俺の方が似合うんじゃないのか?」と軽口をたたくが、勇造は「これは俺が自分で決めたことじゃから。決めた以上、俺は半端な気持ちでこれ着とらんのじゃ」ときっぱり言った。

 

「この仕事もな、これからどんどん変わっていくんじゃ。鉄道だって延びていくし、道路だって増えていくんじゃ。コンクリートのビルだってたくさん建つ時代が来るわ。今まで『土木は水もの』と言われとった。『じっと見とれば山も柔らかくなる』なんて言われとった。でもな、これからはそんな仕事してたら駄目じゃ。俺は自分が勉強したことをこの仕事に生かしたいと思うとる!」勇造、いいぞ!!

 

「頑張ってくれえな」「お前もな」と励まし合う兄弟。あんなにしょっちゅう出ていた苳子がこの日はいないのねー。

 

夕方薄暗くなってお膳を片付けている広間で美佐とあぐりが話していた。美容師になる事をまだ健太郎に反対されていることを知った美佐は「諦めちゃ駄目よ!」と励まし、「あなたがしっかりせんとな。エイスケさん、頼りないもんなあ」とこっそり言った。いいよねー、美佐さん。そう、あぐりは修業すればいずれ働くことができるんだからいいじゃないか。エイスケの稼ぎはあてにならん!

 

夜、光代が健太郎にお茶を出した。しかし、「熱いのはどうものう…」と言って口をつけなかった。光代は明日には東京に戻るという話をしたが、健太郎は新聞を読んでいた。

 

そこに、女中頭のアキが旦那様が今朝から風邪気味だったと卵酒を持って来た。熱々の卵酒をフーフー言いながら飲んでいる健太郎を横目で見ている光代「熱いのはいらんのじゃなかった?」。

健太郎「ん? いやいや風邪気味じゃからのう。ええんじゃ、ええんじゃ」

光代「随分と好みが変わられたんじゃなあ…。『酒に卵を入れるのは気持ち悪い』言うてからに」

健太郎「そんな事言ったかいのう?」

光代「デレっとして『ふうふう』言うてからアホみたい!」

 

光代は席を立つと磯辺の元へ。口の堅い磯辺をしゃべらせるには酒を。女中3人がそれぞれお盆に熱燗をたくさん載せて磯辺に近づく。磯辺は酔っぱらって御大はアキにぞっこんだと聞きだした。

 

翌朝の朝食時、健太郎の「おお、アキ…。例のアレ…ナニしてくれ」という言葉だけで、東京へ帰るあぐりたちのお土産を用意してあると返事するアキ。

 

上座中央に健太郎、上座の健太郎に近い位置に勇造、エイスケの配置。今までは逆だったのに、勇造が家督になったという証か。なるほど。

 

光代は「せっかくじゃけど私は持って帰れんわ…」と辞退した。「私、こっちに用事ができたんよ。淳之介も喘息気味じゃし、しばらくはこっちにいた方が療養になるしなあ。じゃからしばらく淳之介とこっちにいます、私…。何か困ることあるんじゃろか?」。

 

どうして突然光代が東京へ戻らないと言いだしたのか、あぐりには全くその本意は分からなかったのでした。

 

光代さんが具体的に言わなくても、あー、アキのこと気にしてるんだなとか健太郎の仲を疑ってるんだなと分かって面白い。松原智恵子さんがあぐりの母役だったのは覚えていたけど、やっぱりあぐりの親として思い出すのが、望月家の両親なんだよね。なんだかんだ印象強い。二人の息の合ったお芝居がよいです。