1977年5月15日 TBS
あらすじ
東京からやって来た隆三(中村翫右衛門)は、ひょんなことから長距離トラックを運転する修(目黒祐樹)に札幌まで乗せてもらうことになった。途中、旅先で旅回りの手品師・麗花(竹下景子)も乗った。中国服を着た麗花の姿は、若い修の目にまぶしい。一方、隆三もまた、敗戦後の混乱期に満州に捨ててきた愛しい中国娘の面影を麗花に見た。
北海道の港町。賑やかな市場を眺めていたら、トラックの運転手に怒鳴られたじいさん。しかし、5000円を渡して夕張までトラックに乗せてもらうことに。トイレに行きたくなり、海で立ちション!!
そこで、死んだ鳩の墓を作るチャイナ服の女性に出会った。海の近くの食堂で店主に聞かれるまま女性が鳩を埋めてるとじいさんが言ったので店の目の前に墓なんて縁起が悪い!と怒り出し、墓をめちゃくちゃにした。じいさんと店主がケンカになり、トラック運転手も仲裁に入り、じいさんが怪我をした。
いつも思うけど、こういうドラマの死んだ鳩とかどうやって用意してるの? 映ったものは作り物の感じではなかった。深く考えたくないが考えてしまう。
病院で治療している間、女性は札幌に電話をしていた。キャバレーで歌を歌ったり、鳩を使ってマジックしていたが、鳩が老衰で死んでしまい、歌だけでは無理だから脱げと言われて店を追い出され、ヒッチハイクで室蘭に向かっていた。お店で働くホステスではなく芸人として各店を回ってる人で東京の事務所に所属してるっぽい。
トラックで室蘭に向かい、女性と別れた。チャイナ服で芸をしていたが、日本人。麗花は室蘭のキャバレーに行くも、鳩がいないので、すぐ追い出されてしまったところに、じいさんが現れた。
満洲に教育者として渡って、コウリンという麗花そっくりの女性と出会ったが、引き揚げで離れ離れになってしまった。麗花には町一番のホテルの部屋を取ってやり、トラック運転手と語らう。妻は昨年死に、息子は仕事、息子の妻は孫の受験に夢中。孫はじいさんが話しかけてもろくに返事もしない。
翌日、3人でトラックに乗るが、検問に引っかかり、じいさんが佐々本隆三という渋谷区宇田川町に住む70歳で息子から捜索願が出ていることが分かった。70歳! 今の感覚だと80過ぎのじいさんだと思ってました。
夕張出身の隆三は、昨年亡くなった妻の保険金100万を持って、北海道を旅していた。旅の目的は故郷の夕張に墓を建てること。青山(せいざん)を買うという話を山を買う、と勘違いしていた麗花だけど、私も墓のことを青山ということを知らなかった。
息子が札幌まで迎えに来るから、そのまま駐在所で待たなければいけないが、息子がきたら墓の話もなくなってしまう。麗花が代わりに墓を買ってきてあげると提案。え? 書類、ハンコ、お金を全て麗花に託した。えぇ?! 駐在(梅津栄さん)も自分も同じくらいの歳の父親が居まして…と麗花を送り出した。麗花は娘じゃないよ!
虎杖浜(こじょうはま)駅前にいた隆三にトラック運転手が声をかけトラックで夕張に向かった。(終)
途中、トラック運転手が麗花に「あのじいさん金持ってるぞ」とささやく場面があって、麗花もちょっと目を輝かせていたから、最後の展開、いくら隆三の身の上話を聞いて、感動してたっぽく見えても一人で大金持ってたら気が変わるんじゃない?と不安に思った。
息子たちは夕張にお墓を建てたいという隆三に対して、お墓参りが面倒だからということでもめてるけど、息子の言うことも分かるな。強行突破して夕張にお墓建てても、結局今の時代墓じまいするだけになるんじゃないかと。
目黒祐樹さんが演じたトラック運転手は感情の幅や高低差が酷くて、ちょっと見てて疲れた。単純だけどお人好しな男という設定なんだろうけど。”嫁さん”だというハムスターとトラックに乗ってたけど、ハムスターをぎゅっと持ってて怖かったし。
ここで新作は終わります。一旦毎日録画を外そうと番組表を見たら、来週橋田壽賀子さんの脚本の2時間ドラマがある!
1986年の火曜サスペンス劇場。橋田さんで火サスなんて珍しく感じます。
火サスといえば連続殺人とかのイメージだけど、殺人のないサスペンスなのかな。