#小松左京 原作の唯一 SFでない映像作品、ドラマ「にっぽんのパパ」が8月5日(水)、26日(水)、日本映画専門チャンネルで放送予定!https://t.co/lXTXDjNABg
— 角川文庫編集部 (@KadokawaBunko) August 4, 2020
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1970年10月25日 TBS
あらすじ
SF小説の第一人者・小松左京の非SF短編「木静かならんと欲すれど…」をドラマ化。都会の生活しか知らない4人家族が、パパ(フランキー堺)の提案で北海道の開拓地に滞在するが厳しい自然と直面していく。慣れない暮らしの中でパパは家族から頼りにされ尊敬されていたが、パパのある決断が波乱を巻き起こす。
www.nihon-eiga.comフランキー堺さんと八千草薫さんが夫婦役。男の子2人いる都会の団地暮らしの家族の元にパパの友人・山科から鍵が同封された手紙が来た。
戦後開拓団として入植して25年、妻を熊に襲われて亡くして2年、長年暮らしてきた北海道を離れることにした山科から今まで住んでいた家に遊びに来ないかと誘われて、夏休みを利用して北海道へやってきたパパとママと子供たち。
パパと山科は予科練の戦友で、家の中には荷物もそのまま置かれていた。海軍の軍服やモンペも置いていて、パパはピッチピチの軍服と制帽をかぶり、ママは白い鉢巻きにモンペをはいて当時の軍歌を歌い出した。こういうほのぼのしたシーンで戦時中を懐かしむ描写があるのは珍しいような。
川で魚を釣ったり、ランプで生活して戦時中を思い出すパパとママ。2週間くらい滞在しようと決めた。パパ、2週間も休み取れるの?! 「同期の桜」を歌いながら米つき?してるパパ。ママと都会にいるよりずっといい表情をしているとお互い言い合う。
ある日、鉄砲を持った猟師が勝手に家に上がり込んでいた。山科と同じ開拓団にいた人で3年前にこの地を離れ、半年ぶりに山科に会いに来て、山科がいなくなったことを知らなかった。
山科が置いていったヤギの乳をしぼって飲んだ。ヤギはパパたちが帰るときは、その辺に追っ払っていいからなんて熊が出るようなところで鶏もその辺歩いてるし、そんな都合のいい存在あるかよ。
山科の家で暮らすうち、パパはこのままここにいようと言い出す。子供の教育にもいいし、会社なんて辞めたっていいみたいな。ママはさすがにドン引き。
ママは山で薪を拾い、子供たちも川で水汲みをするが、この暮らしにはだんだん飽きてる様子。
いつぞやの猟師が通りかかり、パパが木の根っこを掘り返しているのを見て笑い飛ばした。土を耕して畑を作る? いったい今から何ができるんだとまた笑われた。雪が降る前に山を降りるよう言われた。
すっかり田舎のおっかさんみたいになったママと元気がなくなってきた子供たち。パパが子供たちに勉強を教え始めるが、怒鳴ってばかり。
ついに長男の一郎が怒りを爆発させて家を出ていった。パパの話によれば2ヵ月半も暮らしてきた。2ヵ月半じゃだいぶ涼しくなってきたんじゃ?
男としての責任と重圧を感じていたパパは作業に夢中になるうち木の根っこに挟まれて怪我をしてしまった。子供たちが医者を呼びに走り、猟師も来てくれた。
しかしこのことがパパを東京へ帰る決意をさせた。パパは施錠し、山科にもらった鍵を投げ(え!)、猟師の引くリヤカーに乗せられ、山道を進み出した。(終)
会社は、住んでいた団地はどうなってたのか? 雪降る前で本当によかったと思う。「北の国から」っぽい話だけど、五郎さんは元々北海道の人だよね? 子供の頃から田舎暮らしを知ってる人と、ずっと都会暮らしの人じゃ違うだろうな、と生まれも育ちも田舎者の私は思う。パパもママも戦時中の貧しい暮らしを体験していたので多少耐性はあったみたい。
山科が最後の住人だったみたいだから近所の人はいないけど、いたらいたで大変だろうしねぇ。八千草薫さんは良妻賢母役が多いね。上品で優しくて夫に逆らわない。
よくまとまった面白い話でした。