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ドラマの感想など

【ネタバレ】日曜劇場 #1 ばんえい(脚本/倉本聰)

1973年9月30日 TBS

 

あらすじ

老境に差し掛かった男の複雑な胸中を、倉本聰が細やかに描出した人間ドラマ。荷ぞりを引いた作業馬が走る、北海道独特の“ばんえい競馬”に、懸命に生きる人々へのエールを託す、芸術祭優秀賞受賞作。役所勤めの公介(小林)は、戦時中からの旧友・小松(大滝)が、妻にばんえい競馬の馬にそっくりと陰口を叩かれたのを知り、怒りに任せて電話口に立つが、止めに入った息子と取っ組み合いのケンカになった末に負かされてしまい、老いを意識する。文化庁芸術祭優秀賞受賞。

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朝食が終わって高校生の息子・洋一(中村梅雀さん!若い)が「行ってきます」と言っても無言で新聞を読み続ける父・公介(小林桂樹さん)。妻・しお(八千草薫さん)が話しかけても無言。

 

愛想よく電話をかけ風邪で役所を休むことを言い、しおにはぶっきらぼうに「車洗っとけ」。しおが言われるまま、車を洗っていると電話が鳴る。朝食を食べて全く動かない公介。課長からの電話だと言うとまたコロッと愛想よく喋りだす。

 

前夜、しおが公介の友人・小松の妻が小松のことをばんえい競馬の馬みたいで不細工みたいなことを笑い話として言ったが、それが公介の逆鱗に触れた。小松が苦労して来たことを知ってるから、けなされたことが許せなかった。

 

小松の妻に文句を言うと電話をかけようとした公介としおがもみ合いになり、洋一が間に入り、公介と洋一の取っ組み合いで公介が負けた。ショックだからあんな態度だったとしても、なんだかな〜。

 

洋一を送り出した後、夫婦で岩見沢ばんえい競馬を見に行く。

 

4歳馬が走る中、14歳のダイセツ(人間なら定年間近の56歳)の馬券をしおに買いに行かせる公介。ダイセツは高齢で何度も立ち止まりながら最後尾を走る。小松や自分を重ね合わせたのか涙して見守っている。しおは間違えて買った馬券が当たっていて喜ぶ。

 

あとは運転して帰れとしおに告げ、小松に会いに行く。大滝秀治さん演じる小松は大人しそうな人で妻が一人しゃべっている。二人は飲み屋に移動。

 

小松はまた仕事を辞めることになりそうだと話す。炭鉱閉鎖から転職を繰り返し、今度は年下の営業部長を殴ってしまった。妻には話してないが、薄々感づいてるからはしゃいでいると教えてくれた。

 

公介は息子にねじ伏せられたことを小松に話した。深夜帰宅すると、洋一から「お父さんごめんなさい」と書いてある手紙をしおから渡された。

 

しおは、またばんえい競馬に行きたい、今度はダイセツを買うと明るく言ったのに、そんな気持ちで買うな!と逆ギレ。公介が妻にいちいちバカとか言うの嫌だな。愛情がこもってたとしても。

 

公介はそのままソファで眠って、苦しそうにソリを引くダイセツがソリから解かれて、草原を自由に駆け回る姿を夢見ていた。

 

翌朝、いつものように出勤する公介で終わり。

 

男は馬車馬のように家族のために懸命に働いて日常的にプレッシャーを感じてるってことかもしれないけど、とにかく家族に横暴だから、「お父さんがんばってるねラブラブ」とか思えない。