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【ネタバレ】日曜劇場 #35 時計(脚本/倉本聰)

1977年11月13日 TBS

 

あらすじ

明治初年の薩長を主軸とする新しい管理体制のもと、北海道の開拓はさらに奥地へと進んでいた。そんな中、家を焼かれ土地を取られた入植者の文吉(渡瀬恒彦)が、自分の妻を殺害し、森へと逃げ込んだ。文吉を追うことになったのは、箱館戦争の生き残りの元御家人高山久蔵(宮口精二)と、明治新政府の兵卒・中西銀次(フランキー堺)。2人は途中、粗末な小屋にひとり住む女・しお(桃井かおり)のところで一夜を明かすことにする。しおは、銀次に馬小屋へ追いやられると、そこには文吉が潜んでいた。銀次に追い出されたしおを不憫に思い、馬小屋を見に行った高山は、そこで干草の中にいる文吉の姿を発見する。 

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珍しく時代モノ。明治10年代。二人の男が、しおという女性に北狩村の文吉という男を知らないか尋ねにきた。女房を殺した男で二人は新政府の官員でしおの主人が日高に出稼ぎに行って一人なのに泊めてくれとは?!

 

しおは桃井かおりさん。現代的なバッチリメイクに見えるけど、そんなツッコミが浮かぶとは、やたら時代考証がなんちゃらという最近のドラマに対するツッコミばかり見ているせいかも。

 

「はね駒」のりんが明治10年生まれで同じくらいの時代だね。官員の年配の男の高山久蔵は元徳川側の函館の御家人で若い方(フランキー堺さん)は銀次という邏卒屯所の男だった。

 

邏卒(らそつ)って北海道の地名かと思ってました。明治初期の警察のことだって。

 

銀次はイギリス製の懐中時計をしおに見せびらかせ、これやるから今夜おいらと…とか言うゲスな男で、いざ寝るとなったとき、女だから馬小屋で寝ろとかまぁ酷い。高山は弘次郎みたいな元侍で自分達が馬小屋で寝ると言ってくれたが、しおが遠慮して馬小屋に行った。

 

しかし馬小屋には男が潜んでいて、いきなり口を押さえつけられた。男(渡瀬恒彦さん)は手配書の文吉でひどく怯えていた。

 

高山は一人外を見回りに出て、しおのいる馬小屋に寄って非礼を詫びた。なんとなくしおの様子がおかしいのに気付いて、立ち去るフリをして様子を見て、文吉がいることに気付いた?!

 

翌朝、銀次が馬を借りたいと言ったときは、高山が歩きでいいと断ってくれた。

 

文吉を家にあげて、勝手に土地を売った妻を殺したことや、銀次は知り合いで博徒から官員になったこと、しおは亭主が出稼ぎに行ってるのは嘘で逃げられたけど、今でも待ってるという話をした。

 

「抱かせてくれ、怖いんだ!」と言い出す文吉。オメーがこえーよ! 

 

しおは、馬と文吉を送り出す。帰ってくると官員達は帰ってきていて、川が増水して進めないから、あと少しこの家に泊まると言い出す。

 

しかし、馬がいなくなったことに気付かれ、銀次に問い詰められているとき、馬だけが帰ってきた。馬は怪我していて、熊に襲われたらしい。文吉はおそらく熊の犠牲になったが、死んだ証拠を持っていく!と銀次は息巻く。

 

新政府に取り入って、東京に行きたいと思っていた銀次を優しい心は持っていないのかとたしなめる高山だったが、二人の前に無残な姿の文吉がいた。文吉が熊に殺され、取り入っていた役人が内地に戻されたことを知り、高山の前から銀次は姿を消した。そこには壊れた懐中時計が落ちていた。

 

ここから急に時計台が写り、現代の都会(札幌?)の風景の中に現代風のスーツを来た高山、銀次、文吉、しおが歩いていた。時報の音声が流れて終わり。えっ!

 

高山は「はね駒」の弘次郎がそのまま年取ったような誇り高き侍(ちょんまげではない)で銀次はゲスな野郎だった。突然の現代パートにビックリだったが、それぞれの現代の姿がかっこいい!とも思った。