公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意
新しい店のオープンを2日後にひかえて、道子(田中美佐子)が妊娠していることが分かった。みんなが忙しいさ中、道子の母が名古屋からやって来て、道子を実家に連れて帰ることになった。おしん(乙羽信子)の人生では、つわりなど病気のうちに入らないという考えで常にやってきた。一方、道子からすれば、この妊娠を口実に、「田倉家の嫁としての地獄からようやくぬけ出せる」といった感覚であった。
「おしん」の面白いところは必ずしもヒロインのおしんが正しいことをいうわけではないということだと思います。今日だって妊娠した道子に対し、つわりは病気じゃないとか禎と話していたけど、私自身は経験なくても妹は結構大変だったらしく、実家に長期滞在していたこともあって、あの一言は結構傷つく人も多そう。今なら大炎上発言だね。
セルフサービス方式の店の開店前日、辰則は次郎や征男を仕切ってきびきび仕事をする。仁は道子の様子を見ていたが、そこに道子の両親が訪ねてくる。今回は母主導だろうと思うけど、つわりを理由に状態が落ち着くまで道子を実家に連れ帰るという。
このあたり道子の母を全面的に支持します。おしんはつわりが酷いとか酷くないとかとにかく働かなくては生きていけない状態だったんだろうけど、人それぞれだよ~。このあたり、当時は、おしんと同じように考える女性が多かったのかな? あの姑小姑がいる家でのんびりできないし、ずっと実家でいいんじゃない?
禎は、どうやら大学に好きな人がいる? こっそり電話してたけど、それで無理やり帰らされたことに不満があったんだね。いずれスーパーは仁夫婦の物になるのに、なーんで自分が手伝わなきゃいけないんだという気持ちも正直分かります。
商家なんだからみんな協力して手伝えよというのなら、仁がもっと周りに気遣えよと自分の家族と照らし合わせて思ってしまうのです。禎の態度は悪いけど、そんなに嫌でもないな。ていうか、私が家族に禎っぽい態度を取っていたんだろうなと自らを省みることができました。
それぞれの人物に正義があり、誰もが良い面も悪い面もあるところがいいなと思います。正義のヒロイン、憎たらしい悪人じゃないところが物語に深みを与えています。